上演台本『木星のおおよその大きさ』 (2018) 前半
第一場 木星の日面通過
■登場人物
小柴(こしば) 男性。戸塚の先輩らしい。
戸塚(とつか) 男性。小柴の後輩らしい。
二間瀬(ふたませ) 女性。小柴と戸塚とは違う部署らしい。
*
小柴と戸塚、屋外の喫煙所で煙草を吸っている。
灰皿代わりとなっているバケツ。この場所は本来ならば喫煙禁止なのだが、社内の喫煙者が多く、この場所でならば黙認されている状態だ。
ただ、近年では上演中に喫煙するシーンは敬遠されつつある。そのため二人は煙草には実際に火をつけず吸う振りで済ませる。指に煙草を挟み、手を揺らすようなその動作は全体を通して、時に過剰になることもある。
二間瀬、遅れてやってくる。二人からは少し離れた位置。
客席に向かって、
二間瀬 あのー、まあいいんですけど。よくネットニュースだとかいろんな場で言われている通り、煙草を吸っている時間というのははたして仕事のうちに入るんでしょうか。
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