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序・プロローグの意味

楽器のレッスンでもコーチングも、プロとしての立場とその機会をチャンスに、よりよくなりたいと思うクライアントという2つの役割があって成立する。
クライアントにとってもプロコーチにとっても大切なのは、信頼関係を築く序の部分ではないかと思う。

よく例に出されるのが、カルテを見ながら、患者の顔も見ずに「どうしましたか?」と事務作業のように対応する専門医の外来診察だ。
音楽のレッスンでも、お決まりの教則本や課題曲やグレード試験といったことだけを目標設定に据える先生がいる。

専門分野の判断基準を多く持ち、対応できることだけが、プロの仕事ではないと思う。その前に、その人自身が人間としてより高みを目指しているか否か、ということが大切なのだ。人間性あって初めて活かせる技術、そのことを日常謙虚に体現して、段々に養われるのがプロ意識だと自戒を込めて思う。
医療と教育とコーチングを同じ土俵では語れないが、利用者にも施す側にも共通点が無いとは言えないと思うのだ。

共通の願いは、「より自分らしく、より統合された私として生きたい」という気持ち。

それならば、コーチはじめ道標となる方が、先ず見ること、聴くこと、五感を総動員してクライアントの現状把握に努め、スタート地点を共有することが、何よりもクライアントにとっての安心材料になると思う。

その体現の場が、序なのだと私は思っている。

心地よい序を目指したい。

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