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脱線日記「デカくてぐるんぐるん回る機械に思いを馳せて」

・今までこの日記を「散文日記」と名付けていたが、「散文」は「どんどん論旨がずれて話題が散らかっていく文章」ではなく、「定型や韻律を持たない普通の文章」という意味だったので、コンセプトにそぐわないことが判明した。
なので、適切な言葉を探した結果「脱線」に落ち着いた。とりあえず暫定的に「脱線日記」としたが、また良い言葉を見つけたらそちらに移行しようと思う。

・こんな部分誰にも気にも留めてないだろうし、まずこの日記を見てくれている方が一体何人いるのかもわからないけど(お読み頂いている方、ありがとうございます。今度会ったとき寿司奢ります)自分が落ち着かないものは直しておきたい。この毎日日記を書く行為も理由があってのことだが、その理由まで言ってしまうと「自分語り」になってしまうのでここでは割愛する。いや「日記」も自分語りだろ!そう突っ込みたくなった方、お引き取りください。

・親知らずを抜きに行った。いや、なんか落ち着かない。やっぱり「親不知」表記にさせてください。すいませんね変なこだわりが強くて、エヘッヘッヘッ。事前にコンピューターの名作アプリ「インターネット」を使い、親不知を抜くことについて体験談などを調べていたので、しっかり不安はMAXだった。

・不安MAXの状態で歯科助手のお姉さんに導かれるは「デカくてぐるんぐるん回る機械」が鎮座する例の小部屋だ。そして、装着する意味のわからない重すぎるちゃんちゃんこみたいなやつを肩に掛け、「デカくてぐるんぐるん回る機械」の中に入りアゴを置く。そして唯一の心の拠り所であった助手のお姉さんは無慈悲にも部屋を後にし、僕はひとりぼっちにされた。そして機械がぐるんぐるん回るのだが、こともあろうに回転中「エリーゼのために」のメロディが流れた。なんでよりによって、これだけポップな曲が溢れた世の中で、チョイスした曲が「エリーゼのために」なのか。寂しい電子音がさらに不安を煽る。この機械のUXデザイナー出てこい。馬場チョップをお見舞いしてやる。

・で、この後麻酔されて歯を抜かれる本筋に入っていく所だが、この日記で一番言いたかったのが先ほどの「デカくてぐるんぐるん回る機械」に対する鬱憤だったので、もうこの先はそんなに特筆することもない。強いて言えば抜かれている間、別のことを考えようとして頭の中でナポレオンズにマジックを披露してもらったくらいだ。正味20分程度だったのにドッと疲れて帰ってすぐに2時間寝た。

・なんでナポレオンズだったのか今わかった。ナポレオンズの十八番マジックの頭がぐるんぐるん回るやつと、ぐるんぐるん回る機械が脳内で重なったからだ。それだけぐるんぐるんが印象深かったのだ。

・ナポレオンズの頭ぐるんぐるんマジックは、本人たちにしてみれば「ジョーク」のつもりでやっていただろう。観客からも笑いが起きていた気がする。でも僕があのマジックを初めて見たのは6歳のときだった。当時アレを見て、本気で頭がぐるんぐるん回っていると思っていた。パルト小石さんの首元がねじ切れないかだけが心配だった。でも後で冷静になって「中で顔を左右に振っているのでは」と自らの力で気付いたのだ。そして牛乳パックで筒をつくり、窓を開けて同じようなマジックを作って立証してみせた。当時の自分は観察→仮説→実験→立証のサイクルを既に確立していたようだ。そのままサイエンスの道に進んでいれば才能が開いていたのかもしれないが、現実は親不知にビクビクするサラリーマンである。なんとも世知辛い。

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