近すぎても、遠すぎても。
今年も目を覆いたくなるようなニュースや悲しい出来事がたくさんあったが、もっとも怖かったのはそのニュースを「この世界のこと」だと思えない瞬間だった。
「怖いよねー。」
「なんであんなことするんだろう。」
「もし自分がそこにいたらと思うと、きっと動けなくなっちゃう。」
職場での会話。大きなニュースや事件があったとき、よく耳にする会話だし、覚えがあるひとも多いと思う。ありがちな、消化活動。事件の重度とは別に、出来事を受け止めるにはそういうやり取りが効果的なときもある。
小耳に聞きながら、ふと今年、それらのニュースに直面した瞬間に、自分の生きている世界とつながっている先の出来事だと思えなかった自分に気が付いた。
別世界の出来事。
連続していない先の、誰か知らない人が知らない動機で知らない人へ行ったこと。
もちろん、本質的にはその通りなんだけど。
むしろダメージを受けすぎないようにするのも大事なんだけど。
当事者じゃないけど、当事者意識も持てない。
ちょっと距離が大きすぎたり、遠くにありすぎてるのかもしれない。
それは、ちょっと危ないかもなぁ。
目の前に危機が迫っていてもスマホで撮影している人を、なんでそんなことするんだろうと思っていたけど、内在的には同じなのかもしれない。
コロナで分断や孤立が叫ばれて久しいけれど、個人のこころレベルでも起きているのかも。
社会と自分が生きる世界との距離感が、うまくつかめない。そんな一端を感じて、ちょっとドキドキした休日出勤の帰り道だった。
なにかあったかいもの食べて、甘いものでも買って、明日からまた生きていく。
おわり。
待てうかつに近づくなエッセイにされるぞ あ、ああ……あー!ありがとうございます!!