君が見る世界。
『子供が生まれたら、今まで何話してたんだろうってくらい、夫婦の会話が子供のことになるよ。』
息子くんが産まれる直前に、仕事場の先輩に冗談めかして言われたけれど、これ、ほんとうだった。
ほんとのほんとうに、毎日こどもの話をしてる。家に帰ったら「今日はどんな日だった?」って聞いて、少しずつできることが増えていくのを聞くのが楽しみだし、休日の予定も週末の予定も、こどもの話が最初にくる。
そんなわけだから、今年のカメラロールを見返してみると8割以上が息子くんか、息子くんと奥様か、家族の写真がずらりと並んでいる。(あとはラーメンとか)
こどもが生まれるのに合わせて、ちょっと無理をして買ったカメラ。
最初は子供の成長を撮ろうと思って、月齢を記録する写真を撮ったり、イベントごとに持ち出したり。記録用家族のカメラとして活躍している。
最初はイベント用のカメラだったんだけど、息子くんがちょっとずつお出掛けするようになってからは、お散歩とかちょっとした外出にもぶら下げていくようになった。
カメラって、目だ。
誰かの、自分の、カメラの目を通して、(ちょっと大げさにいうと)世界を見て、切り取る。最近そんな感覚が育ってきて、ファインダーを覗くのが楽しい。
毎日が発見。毎日がスペシャル。
そんな日々を本気で生きている一歳児の目には、世界は新鮮そのもの。びっくりの連続だ。毎日みぃいつけた!をしまくってる。すごい。
いつも見ていたもの。
見えていなかったもの。
見つけたもの。
人生の更新プログラムが入ったみたいに、家の周りの風景や、あたりまえの時間の一瞬一瞬が全然違って写る。
なんていっても、子供って最強のセンサーだから。
いつもの風景を、日常を、生活を、驚くほどアップデートしてくれる。
見たつもりで見えていなかったものを、その目を通して教えてくれる。
団地の庭に、なぜ枯葉がいっぱいにならないんだろう。
いつも通りすぎる街路樹に、赤い実がなってるよ。
枝の先の葉っぱが、周りからゆっくり色が変わっていくよ。
蟻と蜘蛛がわんさかいるよ。
どんぐりが、郵便ポストの裏に落ちているよ。
雲が、毎日違う形をしているよ。
君が見る世界は、毎日がベストショットなんだろうなぁ。
カメラぶら下げて、追っかけて。わたしもたくさんのベストショットに出会えた。ありがとう。
来年もまた、いっぱい出会えるといいな!