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「日常に寄り添う喫茶店」

おはようございます。

今回は僕が経営しているカフェのひとつ、「ordinary coffee」について想いを綴ろうかと思います。

はじめに

「ordinary coffee(以後オーディナリー)」は主に2人で営業しています。
シルバニアファミリーに出てきそうな大学生の女の子と僕の2人体制、稀にお手伝いしたい人を入れて3人体制となります(このお手伝いさんに関してはまた後日noteで発信しようかと思います。)

実はこの2人はカフェを始める前にお友達や知り合いだったとかじゃなく、初対面から数分でカフェを始める事に同意しました。

遡る事6月下旬だった気がする。
ここ最近間借りカフェの需要が増えてきて、少し乗り遅れるとあっと差が開いてしまいそうな気がした。1人で始めるのも良かったんだけど、少し心細くて。特にカフェ経験と言えば、珈琲の抽出やドリンク業務、スイーツ、パフェの盛り付け以外はさほど経験してこなかったのでスイーツに特化した人がいると大変心強かった。とにかくインスタから札幌でスイーツを作っていて、かつ自分の世界観を持っている人を探して、そこで彼女に辿り着いた。先にNOWHERE(もうひとつの間借りカフェ、以後ナウヒア)の間借りをやる事が決まり、とにかく先が楽しみだった。ナウヒアのコンセプトは簡潔に言うと何処にも無い物を自分達で創り上げる。言わば非日常の体験をしてもらう空間。ならば彼女とカフェをやるとしたらどんなカフェにしようか?当時は店名も決まっていないが、オーディナリーの起源はここから始まるのである。

カフェを好きになった理由

僕がカフェ巡りをするようになったのは19歳の頃、当時は建築やデザインに興味があったのでカフェ自体の独特の雰囲気は好ましかった。店主の癖や想いがそのまま空間に繋がっているからだ。暖かい空間。そんな空間に惹かれ、強い憧れを持った。

20歳の夏、初めてカフェでアルバイトをする。カフェというかパフェだけど。とにかく暑いので冷たい物が食べたくなる。繁忙期にアルバイトで入った北海道ならではの〆パフェのお店はとにかく大盛況。毎日違うお客さんが来て、大体満足して帰っていく。きっと満足の仕方は人それぞれだろう。パフェは美味いし映える。写真だけ撮って残して帰る人もいれば、パフェ2つ食ってく人もいる、お腹壊すなよ。意外とお子様連れでも来てたな。会社帰り上司と接待の為に来る人もちらほら、ビール飲んでパフェで〆て帰る。彼女を連れてきて、いや連れてこられたのかな、何にせよ皆んな楽しそうだった。働くのが好きだった。そしてここで盛り付けのプロ意識たるものを学んだ、繊細で溶けていくが見た目が命な〆パフェだからこそ、学べた事だと思っている。

21歳、秋。これぞカフェってところで働く。
ここはドリンク業務やスイーツの盛り付け、接客まで自らできる場所であり、働いていてとても楽しかった。ここでは個人店の経営たるものを学んだ。パフェ屋や同時に掛け持ちしていた珈琲屋でも微かに触れてはいたが、華々しいカフェの裏にある現実や苦労。消えぬ炎。そしてここで僕は炎を分けてもらい、将来何かしらカフェの仕事をする事を自らの心に誓った。

自分がカフェを好きになったのは、必ずしも自分が幸福になるか分からない険しい道のりながら、人の心を癒したり何か刺激を与える事に意味を持って経営している人達を見て感銘を受けたからだ。だから僕は働く側。行くのも好きだけど、何の取り柄もない僕が出来る事は誰かの為に何かする。その選択肢(炎)のひとつがカフェであった。

ordinary coffee

彼女と会う前、そもそもインスタのDMでカフェをやってみたいと要望はあったので、少なからずどんなカフェをやろうかとプレゼンまではいかないが考えてはいた。というか、僕がやりたいカフェは粗方決まっていたので、それが彼女にとって不条理なら経営したとしても性に合わないので即解散の予定だった。

店名も僕の中では決まってはいた。「ordinary coffee」。直訳すると「普通の喫茶店」。別にそれでも良いと思うくらいに、この店名を気に入っていた。なんかしっくりくるよね。「日常に寄り添う喫茶店」てのが真意です。前述のとおり、カフェ(喫茶店)の在り方は勿論、お客さんも人それぞれ違う。その人にしか無い日常を皆んな持っているはず。それに干渉する事自体、良かったり悪かったりする。ナウヒアのように非日常を過ごして新しい自分を発見してもらうのも良いが、むしろオーディナリーは人それぞれの日常にあくまで寄り添って、あなたのペースで、あなただけの時間、日常を過ごしてほしい。そこにはあなたにしか分からない、知らない、情景が広がっているから。僕らはそれに寄り添うだけ。オーディナリーはそんなカフェにしたかったのです。伝わればいいな。

多少考えは違えど、そんな僕の想いと彼女の想いは互いに讃えあい、意見も合致して短いスパンでオープンを迎えました。今年は僕も目まぐるしい年でしたが、どうぞ来年も末永くオーディナリーを宜しくお願いします。ちなみに12月末は営業の〆に相応しい間借り営業をやる予定なので、楽しみにして頂けたらと思います。

それじゃあ。

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