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Lobsterr Magazine愛、未来予測、社会変化をただ捉えること

 月曜の朝、がつがつと仕事ばっかりしていた2年前まで、それはいつも憂鬱な時間だったけど、いまはむしろ日曜の夜から翌朝を楽しみに待つことが出来ています。それはLobsterr Letterがメールボックスに届くから。

 ビジネスデザイン、ストーリーテリング、ブランディングなどを専門にする3名の方が中心に運営されているこのニュースレター、「惰性で仕事をしている場合じゃないぞ、能動的に世界と関わっていくぞ」という気持ちを毎週思い出させてくれる、大好きなコンテンツです。
(新規事業やビジネスプロデュースをしている人は特にぜひ)

 7/20に届いたVol.70のカバーストーリーは「Optimistic Skeptics(優柔不断な未来予測者)」というタイトルで、多くの人が”未来”について語り、予測する今この世界において、どうそれと向き合うのか、ということについて書かれていました。

 その内容が個人的にめちゃ良かったので、それを引きつつ、「世の中を冷静に真っ直ぐに見つける姿勢を持ち続けましょーや」ということを書きたいと思います。

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 取り上げられているのは「超予測力」という書籍で、これは計2万人以上のボランティアに市場動向から政治情勢まで予測させた結果、「専門家の予測精度はチンパンジーのダーツ投げ並みやで」ということを明らかにして話題になりました。(文庫版あとがきがnoteで公開されています)

 曰く、未来予測が上手でない「凡庸な予測者」(↑でいう専門家)は、

・事実の前に信条を大事にし、複雑な問題をお気に入りの因果関係の雛形に押し込み、それ以外の情報はないものとして無視することが多い。
・話し方の特徴は「そのうえ」「しかも」という自説を強化する接続詞を多用する
・「絶対」「間違いない」というキーワードも多用しながら、自信たっぷりに話す

という傾向にあります。専門家を自称する人は、自身が持っている信条や見たい景色を前提に世の中を眺めるため、認知心理学・社会心理学で言うところの確証バイアスに落ちいってしまいがちなんでしょうね。(真の研究者・専門家は、未来予測は出来ないという前提で、注意深く言葉を選びますし思考を制御しますが)
 何事に対して強く言い切るその姿勢は、いつの時代もウケます。「誰にでもわかるようにシンプルでかんたんに説明することが専門家の役目」と傍若無人に言い放つ人が幅を利かせる世の中では、なおさらです。

 さてさて、未来予測が得意な「超予測者」はどんな人か。彼らの特徴は、

・楽観的懐疑論者:物事は予め決まるものではないし、意見というものは守るべき対象ではなく検証すべき仮説に過ぎない、とすら考えている
・異なる姿勢に対してオープンであろうとする積極的柔軟性をもつ
・話し方は「しかし」「とはいいながらも」といった転換語が多い
・「自分は間違えていた」といとも簡単に認める。

 つまり、事実に基づきながらも、優柔不断なんですね。そんな人の意見はメディア・SNS映えはしない。バズらない。拡散もされない。人の目にも止まらない。

 いまいろんなことで社会が喧しくて、どのメディアもコンテンツに事欠かないようで。誰が悪い、こうしておけばよかった、今後こんな悪いことがおこる。画面上で好きに語る人とそれを見て喜怒哀楽いろんな反応する人がいるのは前からだと思うんですが、いまはSNSで延長線ができちゃいますからね。いっそう

 そんな場で、上でいう楽観的懐疑論者、活躍できないと思うんです。でも、その人の意見は傾聴に値するはずです。少なくとも周りの人よりも、未来を見通せているわけですから。

 自分はどちらを大切にしたいのか。「のどごしの良い虚構」を取るのか、「曖昧な真実」を取るのか。私は常に、後者を取ろうと決めています。

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 私たちCobe Associeは、社会変化兆候調査という”バズらない”調査レポートを出しています。第1回は緊急事態宣言真っ只中の5月中旬に、第2回は先日7月21日に、それぞれSpeakerdeckで公開しました。

 やっていることは、世の中で起きている兆候をたくさん(第1回は117こ、第2回は174こ)、世界中から持ってきているだけです。特定の依頼者もいないし、どうやって使おうという意図もないし、各事例から導き出される示唆みたいなものも無理に書いていません。ただ、淡々とファクトをのせているだけです。

 もちろん、調査者であるわたしたち(特に「その事実は面白くないから掲載やめとこう」とチームに伝えている私自身)のバイアスはかかっているでしょうし、メディアからの二次情報であるため米欧中事例が中心であることもバイアスに当たるでしょう。

 それでも。強い言い切り型意見ばかりが注目されるこの情報の海原に、ぽつんと事実の羅列をおいていくことを続けていきたいな、と思っています。上に書いたようなバイアスを自覚しながらも、楽観的懐疑さと積極的柔軟性があふれる組織や個人がもっともっと増えていくことを願って。

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 Lobsterrの購読をはじめて1年半ほど。上調査のためのファクトトラッキングをしはじめてから半年くらい。前よりさらに、いい仕事ができるようになってきた気がします。
 ぜひこれからも、もっといい仕事をしていきましょう。

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