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神戸からのデジタルヘルスレポート #15 (ProMD Health/WebPT/i-GP/pharmaJet)

『神戸からのデジタルヘルスレポート』は、神戸拠点のプロジェクト支援企業・Cobe Associeが提供する、海外のデジタルヘルススタートアップを毎週数社紹介するマガジンシリーズです。

今回はその第15回です!(月曜にリリースするつもりがすっかり忘れていて、遅れて水曜日です...)
元気にデジタルヘルススタートアップを紹介していきます:-)

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1. ProMD Health:アンチエイジング療法提供

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企業名:ProMD Health
URL:promdhealth.com/
設立年・所在地:N/A
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A(Healthboxなど)

デジタルヘルス関係ないですが、ここにもHealthbox投資するんだ、という驚き企業を。

ProMD Healthは最先端のアンチエイジング治療と独自の医学的アプローチを組み合わせた美容治療を提供しています。

BOTOX®Cosmeticというしわの原因となる顔の筋肉を優しくリラックスさせることができる注射液を提供しています。この製品によって眉、目、口などが非外科的に持ちあがいます。治療はたった数分で終わり、治療後わずか3~7日程度で結果が出てくるとのこと。

また、顔全体の外観を変えることなく見た目を若返らせるDysportという製品も提供しています。しわは年を取るにつれて眉間の筋肉の繰り返し収縮によって発生します。Dysportを注射することで一時的に神経から筋肉への信号を遮断することで筋肉の活動を減らします。

10~20代の女性をみていると、美容整形に対する心理的なハードルがぐっと下がっているのを感じます。一次に比べると安全性も高まっているようですし。どんな手段であって、自分の中のコンプレックスを飼いならす方法が増えるというのは素晴らしいことですね。

2. WebPT:医療法人向けオンラインマーケアプリ

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企業名:WebPT
URL:www.strivelabs.com/
設立年・所在地:2006年・アリゾナ/フェニックス
直近ラウンド:Venture Round(2014年1月)
調達金額:$44m(Canal Partners、Battery Ventures)

リハビリなどのシーンでお世話になる理学療法士さん。彼らは治療に関する専門的な知識は持っていても、施設経営やマネジメントに関する専門的知識を皆が持っているわけではありません。そこでWebPT社は、理学療法士向けにWebベースの電子医療記録(EMR)システムを提供しています。また、EMRに付随する統合ドキュメント、スケジューリング、請求ソリューションなども合わせて提示しています。

WebPT上では、すべての情報が1つのプラットフォームに保存されるため、情報を分析および使用して、臨床およびビジネス上の合理的な意思決定を促します。対象となる情報はスタッフと患者のパフォーマンス、さらには施設の財務動向に関する傾向・解決策まで。個別の患者に関する最適治療のレコメンドまで実施しています。幅広いですね。

またプロダクト強化のため、医療法人向けの各種サービスプロバイダーを買収しています。病院・クリニック経営の統合サポートツールを狙ってゴリゴリ動いていますね。
・BMS Practice Solutions:内視鏡関連の請求管理など
・Strive Labs:患者CRMなど
・Therabill:請求管理など

ほいで、↓が求職者向け紹介動画。Culture Firstが感じられる内容で、オフィスの雰囲気が素敵...いいな...!!

3. i-GP:イギリスの遠隔診療プラットフォーム

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企業名:i-GP
URL:www.i-gp.uk/
設立年・所在地:2015年・ロンドン
直近ラウンド:Seed(2017年5月)
調達金額:N/A

i-GPは医療アドバイスをオンラインで提供している遠隔診療サービスです。同社のオンライン相談は24時間年中無休で行われ、かつ99%の顧客満足度を誇る高いサービス品質を確保しています。

プロダクトの機能の一つとして、アドバイスを受けるユーザーが提示された診断・アドバイスと治療経過を管理・評価できるようにするヘルスケアプラットフォームがあります。
この機能を利用するためには、ユーザーが自らが感じている症状を報告する必要があります。その後、臨床医は記入された事前情報を考慮しながら、想定される疾患やその対処法に関する情報を提示します。日本でいうところのUbieっぽさがありますね。

創業者の一人、Sukhbinder Noorpuriは英国のNHS(National Health Service:国民保健サービス)で15年間働いていたヘルスケアプロフェッショナル。共同創業者のAleesha Dhillonも薬の専門家としてNHSで17年のキャリアを持つ女性。日本でいうと、厚生労働省で保険制度を担当していた40歳の官僚2人が共同創業した、という感じでしょうか。制度に精通した方々の起業は強い。

4. PharmaJet:皮下・皮内投与ニードルフリー注射器

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企業名:PharmaJet
URL:pharmajet.com/
設立年・所在地:2005年・コロラド/ゴールデン
直近ラウンド:Series G(2019年1月)
調達金額:$42m(Rockies Venture Club、MedTech Innovatorsなど)

注射針つき注射器は医療提供者が針で患者を傷つける、また自分自身を傷つける危険性があります。USだけでも2千人/日が被害をうけ、世界では毎年2~3.5百万人が注射針によって木津ついていると。また2次感染の危険性などもあり廃棄が面倒なことも、注射針付き注射器のデメリットです。その危険性を、PharmaJetは1枚のパンフレットにまとめています。

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同社が提供しているニードルフリー注射器であるPharmaJet Stratis Needle-Free Injectorは、薬やワクチンを筋肉内または皮下にワクチンを送達します。

この製品の利点としては、以下があげられます。

- 針がないことで針刺し損傷がなく、針再使用のリスクもない
- 鋭利物の廃棄の削減=コストと廃棄物が削減できる
- 約1/10秒でワクチンを筋肉に送達
- 管理が簡単
- 患者と医療提供者の注射関連の恐怖と不安を最小限に抑える

結果として、93%の患者が次の予防接種時にも同社の製品を強く希望する状態になっていると。素晴らしいリテンションだ。

わたしも注射が苦手なので、ぜひこういう製品が普及してほしいです(血をみることそのものが苦手で手術シーンがあるドラマは見れません...)
それにしても、ヘルスケアスタートアップを調べていて私は初めてみました、Series G...

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今回は4社で!紹介したかった1社の情報がどうしても出てこず...断念。

こんな感じで、第15回でした。
noteマガジンとして過去の回も全てまとめているので、そちらもご覧ください:-)

応援ありがとうございます!