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シリコンバレーで2週間① ~人生2周目の人たち~

8月にシリコンバレーに2週間行ってきました。ソフトウェアエンジニアとして2週間、就業体験とスタートアップ見学を行いました。
シリコンバレーで見聞きしたこと、意外に思ったこと、人生で忘れたくないことを綴っていきます。
全15回予定です。

初回となる今回はシリコンバレーで働く「人」に焦点をあてていきます。

※守秘義務やプライバシーの関係上、事実を捻じ曲げない範囲で抽象的な記述や伏せ字記述を行う場合があります。
※末尾に他の感想記事へのリンクを載せています

シリコンバレーで働く人のイメージ

みなさんはシリコンバレーで働く人と聞くとどういう人をイメージしますか?スティーブ・ジョブズのようなカリスマでしょうか?コメディドラマ「シリコンバレー」に登場するような一風変わったオタクどもでしょうか?

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ドラマシリコンバレーの登場人物。予習替わりに視聴したら最高に楽しめた

意外に思われるかもしれませんが、私のシリコンバレーでの同僚の3人(7人中)が、既に起業を成功させているおじさんでした。
(※おじさんと言っても日本で例えれば反町隆史や西島秀俊みたいなかっこいいおじさんでしたよ!)

もちろんシリコンバレーには若くて燃えている若者が多くいるのですが、既に成功を手にしているおじさんも多くいるのです。このことは想定外で、とても興味深いことでした。

人生2周目の人

彼らは自分で作ったスタートアップを大企業に売り払い、巨万の富を手にしています。生きる上でのお金には困っていません。
このようなおじさんはどうして引き続き働いているのでしょうか?
同僚おじさんAと同僚おじさんBと具体的な事例を確認しましょう。

同僚Aは東南アジアで出身でアメリカの大学でコンピュータ・サイエンスを専攻。今までに3つのスタートアップをExitさせお金持ち(なんと3つとも業種が違う!)。自身の持つ先進先鋭な技術を活かせる場所を探して今の企業へ。
同僚Bはアメリカ出身で同じくコンピュータ・サイエンスを専攻。超有名ソフトウェア企業に長らく勤めたあと、スタートアップ1つに関わりExit。金銭的には困ってないが、長年携わっていたソフトウェアに対して思う部分があり、自分のやりたいことをできる環境を探して今の企業へ。

彼らはスタートアップをExitさせ富を得ている時点で、人生が「あがり」状態であると言えます。彼らは人生2周目と言えるでしょう。
最初は手堅い方法で事業を成功させ、その後にやりたいことをやる。「事に仕える」仕事はキャリアの前半で終わらせ、「事を仕掛ける」仕事をキャリアの後半でチャレンジしています。

起業を成功させ、今後いくらでも失敗できるだけの余裕を手に入れる。
そしてその後に、自分のやりたいことをやりたいだけやる。

このような人生モデルをシリコンバレーで多く見かけました。

小さなイーロン・マスクたち

日本にいるとイーロン・マスクのようなアントレプレナーは稀有のように思えます。イーロン・マスクは自動車事業、宇宙事業、インターネット決済事業など複数の分野にまたがって起業を成功させた人物です。
彼のように多くの分野で成功する人物の情報は日本では聞かないため、珍しい存在だと思っていました。多くのアントレプレナーはFacebookのマーク・ザッカーバーグのように、自分の創った企業に一生を注ぐと思っていたからです。

でも、実際シリコンバレーで色んな人に接すると、小さなイーロン・マスクがたくさんいることが分かりました。
先程紹介した同僚もその1人です。

イーロン・マスクは「人類を救うためには火星への移住が必要だ!」という高潔な理想のもと、多くの事業を成功に導いてきました。
それと同様に、自分の理想を強く高く持ち、その理想を叶えるために人生の全てをかけようとする大人がたくさんいるのです!

(そのような小さなイーロン・マスクたちは、自分の信念に合わせて自分の所有物にもこだわりを持つものです。テクノロジー信者の同僚はもちろんテスラファンでして、初めてテスラに乗せてもらいました!テスラの回生ブレーキのすごさと優良なセンサーの数々にめっちゃ感動しました!!)

夢に生き夢に殉ずる

私としては、イーロン・マスク予備軍達の夢に生き夢に殉ずる生き方には憧れるものがあります。

この生き方日本ではなかなか難しいですよね。
日本の夢への殉じ方として「大企業に入って下積みをして、その企業で偉くなってから好きなことをすればいい」という風潮があります。しかしあくまで企業人の枠内としてのチャレンジだし、もし失敗されたら給料がもらえなくなって生きていけなくなってしまいます。
また、日本のベンチャー界では多くのベンチャーを成功させたという例はあまり聞かず(私の浅学だったらごめんなさい!)この生き方をできる土壌がもなさそうです。

もちろん、人生1周目を完遂させる段階で想像を絶する数の人間が失敗していることは間違いありません。(これに関しては8回目の記事で触れる予定です)そのような悪い面に目を向けてなお、シリコンバレーの人生2周目文化に素晴らしさを感じました。

大の大人が、ピュアな理想を語り、少年のように目を輝かせながら夢や目標を語る。人生2周目の大人は失敗を一切恐れずに、自分の理想に半生を注ぐ。
彼らの尖ったチャレンジは多くが失敗するものの、中には世界が大きく変える可能性が潜んでいる。

彼らの横で仕事をしながら、人生2周目のおじさん達かっこいいな。できることなら仲間入りしたいと心から思う2週間でした。

次回予告

本記事はいかがでしたか?次回はシリコンバレー(というかアメリカ全体?)を支えている「迷惑をかけ合う前提の文化」について触れていきたいと思います!

次回の記事へのリンクは以下になります。
(作成中)


感想記事のまとめページは以下になります。


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