野球カードゲームだったら送りバントをデッキに何枚入れるかという話
私の趣味の1つにカードゲームがありまして、そうですデュエマとか遊戯王とかのアレです。ドラクエのカードゲームで世界4位になったり、最近はマジック・ザ・ギャザリングにハマっていたりします。
今日はカードゲーマー的視点から、野球の采配、特に送りバントの是非について考えてみたいと思います。
強いカードには2種類ある
カードゲームにおけるカードの強さには2種類あると思っています。1つは、自分の動きを強くするカード、もう1つは相手の動きに対して強いカードです。
カードゲームでは、それぞれのデッキに理想の試合展開があります。素早く攻めきりたいデッキ、守りを固めて相手の勝ち筋を枯らすデッキ、攻守のバランスが良いデッキ。自分のデッキの理想ムーブを実現しやすくするために、自分の動きを強くするカードが必要になります。
また一般的に、デッキの強さはじゃんけんのような関係になることが多いです。速攻は守備型に強く、守備型はバランス型に強く、バランス型は速攻に強いことが多いです。しかし、大会やトーナメントを勝ち抜くためには苦手なタイプにも勝利することが求められます。そこで、相手の動きに対して強いカードが必要になります。
自分の動きを強くするカード
自分の動きを強くするカードとしては、
・デッキのキーカード
・キーカードを探すことができるカード(サーチ)
・キーカードを出しやすくするカード(ランプ)
が代表的な種類でしょう。
キーカードを探すことができるカードの例としては、遊戯王のクリッターが
キーカードを出しやすくするカードの例としては、遊戯王のフェアリー・ライフ(キーカードのマナが大きい場合)が有名どころだと思います。
これらのカードはあらゆる場面で勝利に直結するため、上限枚数をデッキに投入することが推奨されます。(遊戯王なら3枚、デュエマやMtGなら4枚)
相手の動きに対して強いカード
相手の動きに対して強いカードは、相手の動きを妨害し、相手のゲームプランを崩壊or遅延させるためのカードになります。特定の場面において、極めて強いことが特徴といえます。
例えば、MtGの『静寂をもたらすもの』は、相手の召喚時や死亡時の効果の多くを無効にすることができます。これにより、例えばクリッターのようなサーチ効果を無効にすることができるので、相手のサーチカードを紙切れにすることができます。なので、強いカードといえるでしょう。
また、相手の特定の戦術に対応するカードも、この種の強さに該当します。例えば、墓地利用を妨害するカードは、墓地を利用しないデッキ相手には紙切れになってしまいます
これらの相手の動きに対して強いカードは、相手の勝利を遠ざけるものの自分の勝利に直結するカードではないため、上限枚数まで投入されることは少ない傾向にあります。(環境が1強の場合や、妨害自体が目的の場合を除く)
僕のMtGでのお気に入りカードである『漁る軟泥』は墓地利用を妨害するカードで、墓地利用をする相手に対してめちゃくちゃ強いです。しかし墓地を使わない相手にとっては心もとないカードになってしまいます。対戦中に1枚引ければいいかな、という印象なのでデッキには1枚だけ入れて戦っています(右下)
相手への対策としての送りバント
さて、この2つの強さを野球の采配、送りバントにあてはめていきましょう。
送りバントについてよく議論されるのは以下の点です。
・勝利確率・得点確率の視点では不利な場面が多い
・相手の守備シフトの裏をついたり、バスターで意表を突くことができる
常に強いわけではないが、特定の場面で極めて有効という面で、送りバントは相手の動きに対して強いカードと考えることができると思います。
野球における、自分の動きを強くするカード(常に勝利に直結するカード)は本塁打を代表とする安打でしょう。それに比べると、送りバントは相手によって有効かそうでないかが変わる、メタカードといえます。つまり、とにかくデッキに全力投入するカードではないと言えるでしょう。
送りバントをデッキに何枚入れるか
送りバントは有効か?と聞かれたら、有効だというのが答えだと思います。ただ、強さ(有効さ)には、自分の動きを強くするものと相手の動きに強いものがあるというのがカードゲーマー的な采配観です。
送りバントは、メタカード。刺さる場面と刺さらない場面があるはずです。デッキに上限枚数まで投入する采配ではない(=常に取るべき)と考えられます。
だとしたら、送りバントをデッキに何枚いれるか(0枚も候補の1つです)という議論が大切なのではないでしょうか?
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