日本人、エディンバラにて[大学院留学日記#1]
まじで遅れてすみません!!!
方方の皆さんに「落ち着いたらブログにします」なんて言ったまま1ヶ月経ち、腰を落ち着けるどころか最近はよく眠れるようになってしまいました。
色々と整理するための#1ということで長いですが、お付き合いください。
はじめに
これはエディンバラ大学の修士課程に「奨学金なし」で進学した日本人学生の体験記、の#1です。奨学金応募の仕方とかが知りたくてたどり着いた方、ごめんなさい。全く持って頼りになれません。
基本他愛ない話ばかりで、自分の頭の整理が主な目的です。
あまりおもしろくないかもしれませんが、
それでも楽しんでいただければ非常に嬉しいです。
自分自身について
これを読んでくださっているのはおそらく旧知の方々だとは思うのですが、もしかすると大学院留学についての情報が欲しくてたどり着いた方も多くいらっしゃると思いますので、私自身についても一応書いておくことにします。
渡英前、何してた?(学歴)
1999年生まれの今年25歳。bioにある通り、純ジャパです。高校まで至って普通の優等生よりの生き方をしていましたが、大学で突然海外大に入学しました。
入学したのはテンプル大学(ペンシルバニア,USA)です。日本にもキャンパスがありますが、私は2+2という2年日本、2年渡米するプログラムで入学しました。このあたりは今後のネタとしてとっておきます(コロナでめちゃくちゃになった)。
テンプル大学を経済学・情報科学の学位で卒業し、2年ほど後述のお仕事をして、今に至ります。GATechのデータ分析のCertificateとかも持ってます。
渡英前、何してた?(仕事)
無鉄砲に海外進学を決めたので、自分にお金がないのを忘れていました。
私の家庭は3人子どもがいて、収入は700万程度でした。私が長男で、下二人は私より5個下と7個下。海外進学には学費だけで700万程度かかります。到底親に頼れる額ではなかったので、大学1年のときに起業しました。
起業したとはいえ、ただの合同会社でワンマン会社だったので、フリーと変わりません。日本のバイヤーが海外のバイヤーとコミュニケーションをする部分の代行みたいな仕事と、DTPデザイン系のワンオフのお仕事をコンペで手に入れて稼ぎにしていました(月30万くらい)。
その後御縁があってイベント会社に拾っていただき、そこで「困ったときに投げる人」的ポジションでお仕事をいただいています(現在も継続中、本当に救われている)。ここらへん知りたければ個別にご連絡ください。
今何をしているのか
スコットランド(UK)にあるエディンバラ大学大学院で1年間の留学の最中です。
9月にこちらへ渡航し、もう今日でちょうど1ヶ月となります。
何学んでいるの?
僕の所属は
School of Social and Political Science
Science, Technology and Innovation Studies
MSc Science and Technology in Society(MSc SaTiS)
というところで、日本語にすると
社会政治科学部
科学技術イノベーション研究科
科学技術社会論(理学修士)
となります。
呪文か?
STSについて
科学技術社会論(STS)というのは学術的な分類でいうと1964年にその前身となる学問の研究ユニット(SSU)が発足した、比較的新興分野の研究です。
僕は最近説明が面倒くさいときは「イノベーションをビジネス的観点ではなく、人々の暮らしや、マクロな社会の視点で研究していく学問です」と言っています。
ちゃんと定義すると、
となります。異論なし。
今の暮らしに「科学・技術」は欠かせません。
「蒸気機関」「ケータイ」「インターネット」「AI」が私達の暮らしを変えた、というのは理解しやすい単純な主張に見えます。
ただ、そこにはたくさんの人々の選択・拒絶の歴史があり、見方を変えれば「私達の暮らし・生き方」が「技術」を創り出した、とも言えるわけです。
僕は「新しいもの」が大好きです。ただ、それが社会に出るときに、避けられないたくさんの問題がある。ただそこにYESNOの声を上げるだけでなく、実際に変化が起こる/変化を起こせるのはなんなのか?
そういった方法論・ものの見方の変え方を学びたくて、この学問を専攻しています。
なんでエディンバラ?なんで留学?
超シンプル。STSに強いところを全部受験して一番いいところにしました。
イノベーション政策的観点で見ると日本でもGRiPSや東大公共政策などもあったのですが、人文分野未経験で、社会科学的なアプローチで学べる修士がイギリス特有のTaught Masterだったからです。
分野の特性上、純粋科学の研究者が社会学的方法論を携えてSTS研究者になるというパターンが多く、それに呼応して日本のSTS研究も成されていることが多いです。こういった形のものを探すと日本にもそれなりにあります(東大、阪大、東科大、慶応等)。
僕の結果は以下。日本の大学は受けていません。学力試験嫌だったし…
UCL(合格・入学せず)
STSだが強みは科学コミュニケーション寄り
Edinburgh(合格・入学)
STS研究の一つの始祖
街がよい
SPRU(合格・入学せず)
技術政策やイノベーションシステム研究にも強い
最後まで悩んでいた
Uni of Vienna(不合格)
社会学的アプローチ、中身の志向はEdinburghっぽい
(と勝手に思っている)
今日までの1ヶ月何した?
気持ちはめっちゃ忙しかったし、タスク的にはめっちゃ暇でした。
到着~1週間
ひたすらネットワーキング。
ありがたいことに、これだけのマンモス校になるとビザ等の問題でみんな到着がまばら。1週間Welcome Weekと銘打ってオリエンやらイベントやらがあります。僕は内向的かつ人を選んでSocializeしたいタイプなので、パーティー系のイベントには全くいかず、同じ研究科のFree Breakfast Networkingのイベントと、Japanese Society(日本人コミュニティ)のイベントに参加していました。
密なコミュニティを作りたくて、日本人のPostgraduate限定のグループも作りました。1年継続してつながりを保つのが目標です。
Welcome week特有のものではないのですが、もう一つ特徴的な催しとして毎週金曜の朝にCoffee Morningというギャザリングがあります。
STSは色んな分野の研究者の集まりということで、定期的に会話をする場所を設けることに非常に価値を見出していて、こうしてPhD,Master,教授陣関係なく朝色んな会話をしにわざわざ大学へ来ています。今も継続中。
~2週間: 家ガチャにハズレる
Pentland Houseという大学の寮に住んでいます。
トイレ共用は嫌だったのでEn-suiteにしました。
⇨引っ越しました。#2参照。
部屋は素晴らしくきれいです。(100点)
クッションフロア、セミダブルベッド、広い机。本棚もあり姿見も完備。
文句のつけようがありません。
立地は恐ろしく不便です。(60点)
歩いて大学(旧市街)まで1時間。
徒歩2分のスーパー・百均を除いて特に何もなし。
周りのみんなが楽しそうに旧市街で夜まで散歩してるのを横目にいつも早めに帰っています。正直不便はしないけど、夜まで図書館とかで勉強したいし、思い立ったときに1杯だけ、とかができないのはなあ…
フラットメイトガチャに備えておこう。(-200点)
フラットメイトが全員アジア人で安心していたんです。
僕が間違っていました。
・深夜までキッチンでパーティー
・分別を何もしない
・シンクの網にはゴミが溜まる、というのを知らない
考えたら負け。日本人最高。
貴重品にも気を付けて。(-50000点)
清掃人が許可なく私の居室に入る事件がありました。
(シャワー中に入られて最初気づかなかったのですが、入っていたようです)
BRPやパスポートは取られていませんでしたが正直めちゃくちゃ怖い。
他にも被害者がいるようです。
これらのすべてを理由に引っ越しの要求を大学側に出していますが、基本UoEの対応はおざなりなので期待しないように。しつこくいきましょう。
~3週間: 絶望する
1週間のうちに↑こんな騒動が起こり、学部で学んだこととは全く違う分野、しかも院レベルのReadingや課題に追われ, 絶望。本気で帰りたかった。
英語は正直そこまでぼくは問題じゃなかったので、言語の悩みは全くありませんでしたが、相談相手が近くにいないという苦しさがありました。
人生で初めて「自分から家族に電話」した瞬間でした。他にも何人か友達が相手してくれて、マジで安心した… 僕の友達は全員最高で優秀で人徳者しかいないので、感謝しています。
今後何書いていく?
今考えているのは
学んでいることのまとめ
学んでいることのまとめを書いていこうと思っています。日本語でSTSが究めているようなことをまとめているのは専門書とWIREDくらいだと思うので、それよりも噛み砕いた形でまとめていけたらなと。
今後留学を考えている人に伝えたいこと
もう正直留学する理由って「経験」以外ないと思っているので、留学でできることは〇〇でもできるよというスタンスで色々書こうと思っています。無論留学がプラスなのは間違いない。
エディンバラ・周辺観光・身の上話
これは番外編。
早くも一度メンタルが終わりかけていたわけですが、立ち直って、この街が好きになってきたところです。どちらかというとドライで淡泊な人間だったと思うのですが、最近は本当に人にも縁にも恵まれていたんだなとひしひしと感じる毎日です。今後これを読んで誰かしら楽しんで、また誰かしらが参考にしてくれたら、もらった分のちょっとはお返しできるかな、と思います。
次回以降も何卒!
Your support will be appreciated!