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#架空小説書き出し まとめ3

Twitterで #架空小説書き出し というものにハマっていろいろ書いてます。
また5作たまったので、今回もコメントつきでまとめたいと思います!


「明日は、いい日になりますように」と、毎日目を閉じて唱える。
今日もベッドの上でうずくまって、一日が終わった。伸びきった爪とベタついた髪、荒れた肌、全てがどうしようもなくて、どうでもよかった。
それでも明日こそは、と願わずにはいられなかった。

『溶けた蛹』より

鬱の時ってなんにもできないくせに考えだけは巡るんですよね。自分から動かなきなきゃ「いい日」なんて来やしないのに、願うことはやめられない。ある日突然体調が良くならないかなとか考えるんですよね。



不意にマリンバの軽快なメロディが響く。スマホの画面に映し出された文字に驚く。母だ。私は、なぜとかどうしてとか思考を巡らせたが、1度切れてしまったらもう繋がらない気がして、通話ボタンを押した。
それは母からの2年振りの着信だった。

『私信』より

これは、半分くらい実話で、母と2年、いや3年くらい連絡をとってない中、いきなり電話がかかって来て驚きつつも電話をとったシーンの再現です。タイトルは不穏な感じを出したくて、私信にしました。私信には秘密の知らせという意味もあります。仄暗さが演出できていたらいいなと思います。



悲しみは青い色をしている。それは深い青色だ。そしてそれは私たちの日常に静かに佇んでいる。例えば夜。闇はじっとこちらに迫る果てのない青色をしている。例えば死。それは青に赤と黒が混ざったような色をしている。そしてそれらは確かな悲しみと共にやってくる。

『青』より

これは実は、私が高校生の頃に書いたある本の読書感想文の冒頭です。割と気に入っていて時々読み返します。なんの本について書いたかは伏せますので、どんな本か考えてみてくださいね。



「明日、試合に勝ったら付き合って欲しい」
彼は照れているのか目を合わせずに、そう告げた。今どき、こんなにベタな告白があるだろうか。
目の前の男にとって、2人の関係は、試合の結果などといった不確定な要素に委ねられてしまうものだと思うと、冷めた。

『夕立と青春』より

これは意外と好評だった書き出しです。試合に勝ったとか負けたとか関係なしに、付き合いたいならそう素直に言えばいいのに。という私の長年のもやもやを作品にしたものです。リアルでこの告白をしてる人は、負けた時どうするんだろう。「付き合うのはまた今度」にするのかな……



「チョコミントの季節がきたね」
彼女によるとチョコミントは季節性のものらしい。僕は普段好んでそれを食べないので、いつごろ店頭に並んでいるとかは気にしたことがなかった。
彼女に勧められて口にしたそれは、やはり歯磨き粉の味がした。

『チョコとミントグリーン』より

これはチョコミント好きの友人からチョコミントにも季節があるということを教えてもらったところから着想を得た書き出しです。
僕くんが彼女を大切に思ってる感じがいいなと思っています。



いかがでしたでしょうか。今回は全体的に暗めでしたね。

また5作たまったらご紹介しますね。
それでは。

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