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「学生起業のリアル」が、本当にリアルだった話

こんにちは。スタートアップの"昇る場"を!NovolBaの神成美智子です。
noteの更新を少しご無沙汰しておりました。
徒歩2分のところにある神田スクエア内「We Work」で行われた「学生起業家のリアル」というイベントに参加しましたので、イベントで特に印象的だった部分をシェアしたいと思います。

ゲストスピーカーと主催者

ゲスト1:microverse株式会社・CEO 渋谷啓太 氏

Web3×エンタメにall-inしているDJTマフィア。ブロックチェーン、NFT業界の未来にbetする若手起業家。1997年生まれ、早稲田大学中退。プレシリーズAで2億円の資金調達済み。

microverse株式会社 CEOの渋谷啓太氏

ゲスト2:Tooon株式会社・代表取締役 杉山裕磨 氏

テックキャンプ・マコなり社長の下で修行(拠点責任者)。スタートアップとITの魅力にハマり、2018年創業。フリーランスのための業務管理ツール「Tooon」開発。

Tooon株式会社 代表取締役の杉山裕磨氏

主催者:F Ventures

プレシード・シードのスタートアップに投資・支援する独立系ベンチャーキャピタル。若手起業家への支援にも力を入れており、国内債級の学生向けイベント「TORYUMON」を運営。
代表:両角将太氏
地域性:福岡 / 東京
主な投資先:Timee, PoliPoli, PANforYOU, Bizibl Technologies, Yondemy, ロジクラ, チャリチャリ 等多数

起業に至った経緯

渋谷氏:忘れもしない、大学3年の時。母親から電話がかかってきて「来月から(父親からの)養育費が止まるらしい」と告げられ、自分でお金を稼がなければならないと思ったことがきっかけ。
子どもの頃は、お金があるかないかの不平等性に憤りを感じていました。
大きなお金を稼げる職業を考えた時に、スポーツ選手や芸能人が頭に浮かびましたが、自分の身体能力と顔ではどちらも無理そう。でも、起業ならお金も顔も必要ないから出来そう!と思ったんです(笑)

ビジネスは成功確率が100%だと思っています。やめるから失敗になるわけで、やめなければいつか成功します。例えばサッカー選手やピアニストになろうと思ったら、どうしようもない「変数」がありますが、起業家の道は、何歳でもどういう状態からでもやれるし、やり直しがきくと思うのです。
顔も、お金も、何も必要ない。
これだけフェアなものはないと思います。やってやって、やり続ける。どんなにアホでも学習するので、その中で失敗確率を下げることはできると思う。だから、絶対成功できるんです。

資金調達までの軌跡

杉山氏:一回休眠させていた会社を復活するときに、資金調達を実施しました(2020年3月)。起業家と投資家の関係って「お金ください」「いいよ」という簡単なものではなくて、何度も壁打ちしてもらいながら解像度を上げていって、起業家の覚悟が決まったタイミング、事業の質がしっかりしたレベルに上がった段階で、「投資」という目に見える形になると思うんです。

バリュエーションの額は、高すぎても低すぎても問題がある気がしています。エクイティファイナンスは、双方の合意があれば良いと思いますが、必要なタイミングで必要な額を調達すれば良いのではないでしょうか。投資家に何を求めているのか、自分で納得してやれば良いと思います。

渋谷氏:私はすごくラッキーで、当時Web3.0、NFTが盛り上がっていた時期だったので、パワポの資料だけで調達をさせていただきました。流行っているテクノロジーの時は、みんなこぞってそれに投資をします。自己ブランディングをしっかりやって、VCの方から見て、しっかり差別化することが大事だと感じますね。
今AIが流行っているから…みたいな起業や調達はやめたほうがいいです。NewsPicksで特集された時に始めるんじゃ、絶対に遅い。このテクノロジーは将来こうなる、〇年後にこうなる、というのを自分で仮説をもつことが大事だと思っています。

学生起業におけるハードシングス

杉山氏:出そうと思ったらいくらでも出てくるぐらい、ハードシングスだらけですね(笑)自分が目指す世界があって、やりたい事業がある状態で始めることをオススメします。その夢のために「心が折れない」ことが、乗り越えられるベースになるので。

私も起業した時は3名だったのですが、「一緒にやろう!」と言っていた他の2名が去っていった時はかなり辛かったです。一人は、いわゆる親ブロックだったのですが、でもそれって結局「理由」が欲しかっただけなんじゃないかって思うんです。

渋谷氏:毎日が楽しいです。ちゃんと働いていないのかもしれません(笑)経営者として自分は雑魚だな、とイヤになる場面は多々ありますが、自分が信じる未来に向かって好きなことをやれるって、とてつもなく幸せなことだと思っています。
メンバーが辞めることもありますが、それはその人の人生だから仕方がないこと。
周りの起業家でつらそうにしている人には「本当に起業家やりたいの?」と問いたいです。
(映画『アメリカンスナイパー』の話は割愛)
平和な日本に生まれて生きている時点でとてつもなくラッキーだから、大抵のことは大丈夫ですよ!

起業したい学生へのメッセージ

杉山氏:起業は絶対した方が良いです!迷っている場合は、まだタイミングではないのだと思う。誰かにやらされるのではなく、自分が覚悟を決めたタイミングでやれば良いのです。
そして「いつか起業したい」と漠然と考えているならば、出会いを大切にして欲しいと思います。私も、出会って8年越しで出資していただいた方がいらっしゃので。

渋谷氏:やればよい、と思います。人生の意思決定は「経験に基づく意思決定」と「想像に基づく意思決定」の2つしかありません。経験に基づいた方が圧倒的に精度が高いので、まずは6カ月とか決めてやってみたら良い。

個人的には、学生起業のデメリットもあると思っています。学生で起業してしまうと、強い大人を見ないことが多いからです。一度は、圧倒的に強くて優秀な大人に出会って、ゴリゴリ詰められる経験をして「優秀の基準」を持つことが大事だと思うんです。

学生時代はインターンがオススメです。インターンなら3カ月で辞めても何でもないですが、入社して3カ月で辞めたら「何があったの?」と汚点が残ってしまいます。学生という身分をつかって、色々なところを試しまくる。学生のふりをしてハメをはずして、強い大人を知って、それから起業するのが良いのではないでしょうか。

文:神成 美智子


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