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片手鍋焙煎の熱源、何が良いか問題。

前回のnoteの最後で片手鍋焙煎の熱源に関する話を振って終わりました。

これに関してもかなり悩まされた部分で、前回の最後にまとめた『良い焙煎』という所にかなり絡んできます。

鍋をしっかり振って撹拌が出来るようになっても、まだまだ安定した焙煎には辿り着けません。その中でも重要になってくるのが『安定した火力を維持できる熱源』です。

一般的な家庭で鍋を使った調理に使える熱源としては

  1. ガス火(ガスコンロ、カセットコンロ)

  2. IHコンロ(IHクッキングヒーター)

  3. ラジエントヒーター(電熱線くるくるしてる奴)

大体この3種類くらいになると思いますが、片手鍋焙煎専門の僕個人の意見としては『ガス火一択』と言わせて頂きたい!

じゃあ、ガス火以外の熱源で出来ないのか?と言われると、そんなことはなく、ちゃんと生豆を加熱出来れば焙煎は可能です。

ただ問題なのは、生豆を効率よく焙煎する為の『熱の種類』がかなり大切で、その辺りを僕なりに説明してみたいと思います。

※僕は物理や化学の専門家ではありません。
勘違いしていることや間違っていること、語弊があるような言い回し等になっていた場合は「コイツ馬鹿なんだなぁ」と生暖かい目でスルーして下さいますようお願い致します(汗
SNSでご指摘頂ければ、随時訂正させて頂きます。

焙煎に影響がある(と思っている)熱の種類

まずは物を加熱するにあたっての熱の説明からしてみたいと思います。

①伝導熱(物体同士の接触で伝わる熱)
②対流熱(周囲の空気から物体に伝わる熱)
③放射熱(熱源から放たれる電磁波で伝わる熱)

熱にはこの3種類があるそうですが、ガス火を熱源に使った場合を片手鍋焙煎に当てはめて見るとこうなりました。

なかなかにチープな図ですが、分かりやすく作れたと思います(汗

鍋の中に入れられた生豆は①②③の影響をバランスよく受けて焙煎されているんだと考えています。(③放射熱は一部鍋肌を温めてるので①伝導熱に近いかも知れませんが…)
ガス火以外だと②対流熱③放射熱がうまく働いてくれない為、焙煎が極端に難しくなるように感じています。

IHコンロは③放射熱が無く、①鍋底の熱と、鍋底からの熱だけで温められた比較的温度の低い②対流熱でどうにかしなきゃならない感じ。
ラジエントヒーター(電熱線くるくる)はそもそもの火力不足で温めるのが大変だと思います。

IHコンロで焙煎してみた!(ラジエントは割愛)

実際、我が家はオール電化なので、キッチンはIHコンロです。
もちろん、IHコンロでも焙煎は何度か試したのですが、僕が普段やっている片手鍋焙煎とは異なる致命的な問題に気付きます。

『IHコンロに鍋を置いておかなければ加熱されない』

はい、つまり鍋を振るために持ち上げた瞬間に加熱されなくなってしまうワケです。しかも③放射熱が無いから振ってる間は冷める一方…

ということでIHコンロでチャレンジした焙煎の結果は
鍋を常にIHコンロに置いた状態で鍋を振れない
ヘラなどを使って豆を動かして撹拌しないといけない
撹拌不足で豆が焦げる
蓋を開けっ放しなので②対流熱がほとんど使えない
温度管理が難しい
時間がかかる
…etc

という悲惨な体験をしてしまい、早々に諦めてしまいました(涙

ガス火の“ガス器具の種類”に要注意!

ということで、僕個人としてはガス火一択!という訳ですが、実は使うガス火の機材によってもクセというか、落とし穴があります(汗
大体のご家庭で使われる『ガス器具』2種類の良い点と悪い点を種類ごとに、僕なりに書き出してみました。

①カセットコンロ(ボンベタイプ)
良い点

・オール電化の家でも気軽に導入出来る
・サッと出してサッと片付けられる
・焙煎以外にも色々な用途に使える
悪い点
・使い終わったガスボンベの交換、廃棄が面倒
・ランニングコストがやや高い
・ボンベの残量が減ると火力が弱まる(低温でも弱くなる)


②キッチンのビルトインコンロ(プロパン/都市ガス)
良い所

・日常使いなので出し入れが不要
・ガスボンベの交換、廃棄が不要
・火力が安定している
悪い所
・Siセンサー(温度センサー)の所為で高温になると火が弱くなる
 ※解除機能のある機種もあるそうです。

僕も最初はカセットコンロをしばらく使用していましたが、結局『悪い点』があまりにも面倒だったのと、ガスボンベの残量で火力が弱くなる現象に振り回された結果、地元のガス屋さんにお願いして、小容量のプロパンガス(LPガス)とSiセンサー等のないガスコンロを一式セットで購入しました。

導入には多少コストがかかりましたが、結果としては『大満足』です。
『火力が安定すること』がこれほど焙煎のストレスフリーに繋がるとは…

僕の方から皆さんに『何をどうしろ!』とか偉そうな事は言えませんが、ここで説明した内容が、皆さんの片手鍋焙煎ライフのお役に立てば幸いです。

それでは!

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