書いてゲロ吐く爽快感が欲しい

　私は文章のくどさの割に書くのが速い方ではあるから、わだつみのあのグダグダした長い話も結構なハイペースで上げた。

　グダグダって自分で言ってもめちゃくちゃ気分が悪い。要ると思って書いたくせに。自分で書いたものくらい楽しめばいいのに。それで食べてるわけでもないのにおこがましいにもほどがある。
　ああ、いやだいやだ。
　承認欲求拗らせ妖怪に変身してる。
　誰もそこまで求めてねえよ。
　読みたい人は読んでくださるし、無理だなと思った人はそっと離れてくださるのだし、好きにしろよ、鬱陶しい。
　
　死にそう。気分が悪い。嫌いな人間バラバラにしてその辺に撒きたい。それで泣きたい。

　絵は描いてて楽しかったな。画像保存するくらいならいいけど無断転載は訴えるか家まで行くよ。ロミ子可愛いでしょう、睫毛がメーテルみたいで。

　長い話はあんまり間を空けると忘れちゃうというか、心が折れちゃうし、読んでくださる方も、
『こいつ話長えから前の話忘れたよ、なんだっけ』
　となっちゃうかもしれない。
　ので結構勢いに任せてザクザク書いては人目を盗んで3時とか意味わからん時間に上げる。でも必ず目を通してくださる早起きの方がいて、ありがたいなあと思う。
　
　登場人物やその人々のエロとかは、私の中にある病気というか、なにかごろごろに凝った概念的なものであって、創作の世界に吐き出すとかなりスッキリする。ロミ子や春子が海から自由になったみたいに、解き放ってかろがろとした気持ちになれるから書く。吉岡はまだ浅瀬をじゃぶじゃぶ歩いてるんじゃないかな。でもまあいい歳こいてるしロミ子もいるから大丈夫でしょう。
　彼女らはそのあとの世界でパートナーや家族や友だちと一緒に、親しみあって暮らしてくれるから、もう安心なのだ。心配ない。
　スッキリする。

　病巣まるごとゲボッと吐いてる感じ。
　そりゃ吐けば楽になるわ。

　でも、さっきも書いた通り私はほぼ承認欲求妖怪なので次々に体の中に『病気みたいな塊』が自動生産される。代謝物なんか？　死ぬまで出るんか？　
　これらを文字やら絵やらにして外に出せるタイプでよかった。じゃなきゃ多分人殺してたタイプだと思う。

　この、ゲボッと吐きたいやつは、ハッピーなおまけ話では実は解決されない。嶺二と葵のラブラブ子作りセックスでもだめ、ロミ子と吉岡の甘やかしいちゃいちゃ抱っこのえっちでもだめ。ただ優しい気持ちになるだけ。

　残酷じゃなきゃだめなのだ。
　葵やロミ子の生きづらさを書いたあとは心が軽くなった。石を捨てた感じ。私はレイシストなのかもしれない。生きづらかった女性にはみんな揺らがぬハッピーエンドを用意する。彼女らに過去より酷い経験をさせるつもりはさらさらない。かわいそうだから。
　
　1番すっきりしたのは『橘あおいの愛について』を書いた時だった。あれはよかった。
　『あおい』はいくらおもちゃにしてもいい。
　
　わだつみの沈黙は穏やかに書き過ぎた。
　ゲボッと吐きたい塊を、吐くには吐けたけどまだ吐き残しが喉にある。じゃあ試しに、と『幸せになったと油断したロミ子が、吉岡や安田、塩崎、可那斗に取り囲まれて顔の原型なくなるまでボコボコにされて身体中根性焼きされて、裸踊りさせられて、歯も全部抜かれて口も前も後ろもレイプされて丸刈りにされて海に捨てられてサメに生きたまま喰われて助けを求めても誰にも助けてもらえないまま死ぬ話』とか書いたら楽になるだろうかと思って少し書いたけど、無論だめだった。何もかも違った。絶対にだめだ。余計にひどくなったし、自分が気持ち悪くて顔をボコボコに自傷したせいで、今左目が見えないし左手の小指が折れている。バーカ、死ねばいいのに。新しい職場でどう説明するんだよタコ。
　
　生き苦しい。バラバラになって死にたい。あるいは殺して回りたい。
　
　もう、ロミ子は聖域だ。そもそも何ひとつ悪いことをしていない可愛い女の子だ。顔は怖いけど金持ちで優しい吉岡おじさんと、安心して生きていくより他の世界線は無理。許さない。ケーキでも食べてなさい、清潔で安全な場所で、どうぶつの森で葵ちゃんと遊んでなさい。それで吉岡おじさんが帰ってきたら一緒にお風呂入ってごはん食べてゆっくり寝なさい、悪い夢も見ないで。
　
　じゃあこの、残った、ゲボッと吐き出したい塊はどうすればいいのだ。
　私が憎んでいる奴で発散するしかないのか。
　じゃあ男だ。
　バカ男であればあるほどいい。
　それか、悪い女だ。
　あるいは痛みや支配を過度に性的快感に変換できる都合のいい女。
　ロミ子や葵や八恵子、愛美を傷つけてきたような種類のバカ相手ならどんな話でも書ける。
　
　可那斗で書こう。
　ロミ子に、よくも値段をつけたな。
　
　でも可那斗も、いい環境で育ったわけではないから、全部彼のせいではない。少し、そのあたりを加味して書こう。
　大丈夫、きっと新しい幸せが見つかる。
　
　早く書きたい。
　書きたいというか、次々虫の卵みたいに生まれる病巣丸ごとゲボッと吐いて楽になりたい。
　
　それで誰かが勃起してくれたら嬉しい。
　吐いた甲斐がある。