見出し画像

小説紹介『木挽町のあだ討ち』

三度のご飯より一度読書!毎日が読書日の優香です!
今回は永井紗耶子さんが書かれた『木挽町のあだ討ち』についてお話ししたいと思います。
本書は、第169回直木賞と第三十六回山本周五郎賞を受賞した、現代人を勇気づける令和の革命的傑作です。

ある雪の降る夜、芝居小屋のすぐそばで美しい若衆・菊之助が父親の仇を討ち、その血まみれの首を高くかかげた快挙は、多くの人々から賞賛されました。その二年後、菊之助の縁者を自称する一人の侍が、仇討ちの顛末を知りたいと芝居小屋を訪れるところから物語は始まります。

本書は序盤から読ませ方の巧みさに目を見張るものがあり、「これぞエンターテインメント小説の真骨頂」との声もありました。仇討ちという重いテーマを扱いつつ、最後には晴れやかな感情を約束してくれます。

さて、私が最も印象に残った部分は、菊之助と出会い、彼の仇討ちに心を痛め、情けをかける木戸芸者、立師、女形、小道具師、戯作者ら登場人物たちの姿です。彼らは自らの辛く悲しい過去を背負いながらも、人間の温かさや強さを見せてくれます。そして、予想外のラストが待っていることで、読後は深い余韻に浸ることができました。

読後感としては、『木挽町のあだ討ち』はただの復讐物語ではなく、人と人との絆、許し、そして成長を描いた作品だと感じました。人間の持つ温かさや強さ、そして人生の複雑さに改めて心を打たれ、読んでよかったと心から思います。

永井紗耶子さんの筆致は、登場人物一人ひとりの心情を丁寧に紡ぎ出し、彼らの人生に深く感情移入させてくれるものでした。この作品を通じて、私たちは人生の奥深さ、人間関係の美しさを再発見することができるでしょう。これぞ、読書の醍醐味ではないでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?