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[ホロライブ同人小説]:『ホロゲート』第6章

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第6章 第2波

 ロボ子を探しにころねとおかゆはロボ子の故郷であるロストタウンへ向かっていた。数年前のロストタウンはホロワールドでも随一の発展都市で最先端技術の研究をしている施設やその支援企業で栄えていた。しかし、ある研究所が研究中のウイルスを街に放ってしまい、人が住めない街となってしまった。ウイルス自体は一定年数経つと死滅するように作られていたため、現在では感染しないと言われている。だが、現在でも人の出入りは禁止されていた。

 ころね「目撃情報によるとロボロボはロストタウンへ向かったって聞いたけど。」

 おかゆ「ただ、僕たちは入ることができないからなぁ。警備ロボに聞いてみるしかないね。」

 2人にはもう一つ懸念があった。既にシオンから受けた連絡から、ロボ子もゲートの影響を受けて自我を失っている可能性が高い。高性能ロボットであるロボ子がもし、丸腰の2人を襲った場合は対抗する手段がなかった。そこで、2人はロストタウンへ向かう前にショットスタンガンを購入することとした。これを使えば高圧電流が流れ、ロボットを一時的に機能停止させることができる。

 ころね「ロボロボがもし抵抗するならこれでやっつけようね。」

 仮にもホロライブの仲間であるメンバーに対してちょっと強めな発言をするいつものころね。

 おかゆ「ころさん…。まぁ、ロボ子さんが自我を失っているならね。」

 ころねのサイコパス発言にツッコミを入れようとするが、実際、襲われたらひとたまりもないので同意するおかゆだった。

 2人はロストタウンへ着いた。おかゆが異変に気付いた。警備ロボットが停止しているのである。2人は警備ロボットの再起動ボタンを押し、警備ロボットのログを調べた。警備ロボットのログによると、ある少女がやってきて立入禁止を命じたとたんに高圧電流でショートさせられたようであった。警備ロボットがショートさせられる直前の画像があった。その画像にはロボ子が写っていた。

 ころね「ロボロボはやっぱりここに来たんだね。」

 おかゆ「でも、警備ロボットを攻撃したってことはロボ子さんの自我も無くなってるみたいだね。」

 ショットスタンガンを使用しなければいけない可能性が高まり2人に緊張が走った。その時、2人の背後に物音がすることに、ころねが気づいた。ころねは振り返り、『ピギャァーーー』と独特の悲鳴を上げた。そこにはロボ子が立っていた。慌てて2人はショットスタンガンを構えて、ころねは有無を言わさずショットスタンガンを発射した。放たれたプラグをロボ子は片手で叩き落とした。

 ロボ子「ちょっと2人ともどうしたの?」

 おかゆは何かを察し、構えていたショットスタンガンが下した。ころねはショットスタンガンを構えたまま、ガタガタ震えていた。

 おかゆ「ころさん。ロボ子さん正気みたいだよ。」

 ころねは『えぇ?』と小さく言って状況を認識したようだった。ロボ子は事件夜の事から話してくれた。まず、事件の夕方から夜にかけてメンテナンスの最中にココ、ちょこ、あやめの3名を見ていた。その後、ホロゲートが暴走し、壊れてしまった。その際に連絡手段である携帯も故障してしまったため連絡ができない状態であった。一旦、近くにいたホロワールドの住人にホロゲートの件を伝え、修理のための特殊な道具をロストタウンへ取りに来たところであった。

 ころね「なーほーね(なるほどね)。今回の事件はゲート近くにいた人が影響を受けたみたいだね。一番近くにいたロボロボはロボットだから大丈夫だったってことか!」

 おかゆ「ホロゲートは治りそうなんですか?」

 ロボ子「うん。多分すぐ治るよ。このまま帰れば、日が変わる前には治せると思う。」

 ころねとおかゆは安堵し、三人でホロゲートまで帰るのであった。

 その頃、ホロゲートに一番近い街である港街。この街ではアクアとアヒル化したスバルが待機していた。日が沈みはじめこの港街で第2の事件が起きていた。

 アヒル「アクア、外がなんか騒がしくないか?」

 宿に戻っていた2人であったが、外が騒がしいことにスバルが気づいた。

 アクア「何か?あったのかな?」

 アクアが外の様子を見るために窓を開けた。すると、街の人々が『港街にモンスター向っている』と騒いでいた。ホロゲートからモンスターが沸いたのだ。ホロゲートは突如として出現した物であったが、出現当初もモンスターが大量発生し事件となったのだ。それをアクアは知っていたため直感でホロゲートから湧いたことに気づいた。

 アクア「あてぃし、行ってくる。」

 アクアはそう言って宿を飛び出した。そして、混乱に乗じて宿の護身用のショットガンと持てるだけの弾薬を拝借し、ホロゲートの方へ向かった。彼女たちは日ごろ、ホロゲートを使わせてもらっている感謝からか、ホロゲートによって起きる事柄は他人事のように考えられなかった。

 スバル「アクア!一人じゃ危ないよ。」

 アクア「でも、港街の人たちが逃げれるだけの時間は稼がなきゃ。スバルはできるだけ多くの人を非難させて!」

 そう言って、アクアはモンスターの出現場所へ向かうのであった。バーチャルメイドであるアクアであったが、料理や掃除の類は苦手であった。メイドとは名ばかりで、ゲーム三昧の生活を送る少女である。また、FPSゲームを得意としていた。ゲーム以外で初めて持つショットガンであるが手に馴染んでいて不思議と冷静であった。港街を出るとすぐに2メートル越えの人型モンスターがいた。アクアを見つけると勢いよく襲ってきた。アクアは落ち着いて人型モンスターの首元を狙って発射した。人型モンスターの顔は吹き飛んだ。次に、動きの速い小型モンスターが勢いよく飛びかかって来た。アクアは身長148センチメートル、体重45.5キログラムの小柄な少女である。そのため、小型モンスターでも腕を掴まれたりしたら力で負けてしまう。ジグザグに動きながら近づいてくる小型モンスターにAIMを合わせ地面から離れて飛びかかってくる瞬間を狙って小型モンスターをショットガンで仕留めた。装填数が2発のショットガンのためすぐさま弾を込めなおす。街のすぐそばまで来ていたのはこの2匹だけだった。どうやら、思いのほかモンスターの湧きは多くなかったようだ。アクアは追撃の為にホロゲートの方へ向かった。

 アクアはホロゲートが遠くに見える位置まで来た。ここまで来る間に十数体のモンスターを葬った。ホロゲートの周りには小型モンスター2体と大型モンスター3体がいた。アクアは自分側にいた足の速いモンスターをショットガンで仕留めた。音に気がつき一斉にアクアの方へ駆け寄ってくる。一番最初に襲ってきた小型モンスターを仕留めると港町の方へ少し後退した。そして、アクアを追いかけるモンスターが似たような場所に集まったのを見て通り道に手榴弾を投げた。手榴弾は間もなく爆発し、3体の大型モンスターを一度で仕留めた。アクアがホロゲートから湧いたモンスターを駆除し、一息ついた。アクアは自分の背後にモンスターがいることに気づいた。アクアは動揺した。FPSゲームをしているためクリアリングは完ぺきのはずだったからだ。しかも、背後にいたのは大型モンスターで見逃すはずがなかった。周りを見てアクアは戦々恐々とした。十数体ほどのモンスターがアクアの周りにスポーンしたのである。アクアは完全にモンスターに囲まれた。ショットガンは再度装填しないと弾が無かった。また、弾も十発ほどしかなく絶望的であった。一番近い、大型モンスターがアクアに気がつき襲ってきた。アクアはそれを横に飛び回避したが、次に小型モンスターがアクアの足に飛びついた。小型モンスターはアクアの足に嚙みついた。アクアは持っていたショットガンで小型モンスターの頭を殴った。小型モンスター気絶し、アクアから離れた。しかし、アクアは足を噛まれたことによって走れなくなってしまった。死を悟った瞬間に無数の銃声がなった。アクアの周りのモンスターは撃たれバタリと倒れた。ホロゲート周辺を見渡せる丘からの援護射撃でアクアは助かった。

 すいせい「アクア、大丈夫か?」

 トワ「モンスターを掃討するから、ちょっと伏せてて。」

 それはホロライブ0期生の星街すいせいと4期生の常闇トワであった。2人ともアサルトライフルを所持して丘の上からアクアの周りのモンスターを一掃した。

 トワ「すいちゃんは丘の上からトワたちを援護して。」

 トワはそういうと丘からアクアの所まで下りていき、ライトマシンガンをアクアに渡した。

 トワ「あくたん、まだやれる?」

 アクア「2人ともありがとう。まだやれる!」

トワとすいせいは遅れて港街へ来ていた。そこでアヒルの姿で必死の避難作業にあたるスバルと会い、アクアのことを聞いて駆けつけたのであった。アクアは足を負傷して動くことができなかったがトワとすいせいの援護も受け、モンスターは容易に一掃された。

 夜も更けてきた頃、出動していたメンバーやロボ子たちが帰ってきて、無事ホロゲートの修理を終えた。その間も定期的にモンスターはスポーンしていたが、アクアや戻って来たメンバーによって被害はなかった。

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