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[ホロライブ同人小説]:『ホロゲート』第2章

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第2章 集い

 昨夜の事件は周辺地域に一夜にして知れ渡ることとなった。また、帰省組であったホロライブメンバー(以後、『ホロメン』)は大半が港街にいたため、町役場の大部屋を借りて朝から会議をすることとなっていた。既に会議室には事件現場にいたマリンをはじめとする3期生の3人とホロライブ1期生兼、ゲーマーズ1期生の『白上フブキ』と同じくゲーマーズ1期生の『大神ミオ』がいた。マリンは昨夜の一件をホロメンに対して通知していたが、再度、会議室に集まったメンバーで話をしていた。

 マリン「ココ会長の有力な情報はなかったです。かなたも昨日は配信だったみたいで、何も知らないそうです。なので、最後にココ会長にあったのはロボ子先輩になりそうですね。」
 フレア「でも、ロボ子先輩は音信不通なんだろ?」
 昨日の事件の後、マリンはホロメン宛に事の顛末と無事を確認する連絡を取っていた。しかし、何人かのホロメンは音信不通となっており、安否の確認ができていないのである。
 フブキ「実はあやめとも連絡が取れてないんだよ。あやめとは宿で待ち合わせてたんだけど現れなくて。ココちゃんの件もあったし、連絡したんだけど音沙汰ないんだよ。」
 ミオ「ウチとあやめはお昼まで一緒にいたんだけど、地球に忘れ物を取りに行ったきり連絡が取れてないだよ。」
 ココの事件の後、連絡の取れていないホロメンを精査している中、会議室にアクアとシオンが到着した。会議室の扉を開け、部屋に入ったアクアとシオンに視線が集まった。
 アクア「あ…こんにちは…。」
 視線が集まる量に比例して段々声が小さくなりながら挨拶をしたのはアクアだった。続けてシオンが少し眠そうに挨拶する。
 シオン「おはようございますぅ。」
 2人の挨拶に対して、会議室のメンバーも挨拶を返す。ノエルがあることに気づいた。
 ノエル「あれ?スバル先輩は一緒じゃないんですか?」
 昨夜、港街にいるホロメンは大部屋に集まることとなっていた。その時、スバルはシオン、アクアと一緒に来ることとなっていた。スバルの姿が無いことにスバ友であるノエルがいち早く気がついたのだ。
 シオン「それが…。」
 シオンはややこしそうな顔をして、自分たちが入って来た会議室の入り口に目をやる。それに釣られて皆も会議室の入り口に目をやった。そこには人ではない何かがいた。帽子をかぶったアヒルが1匹いたのだ。会議室のメンバーはキョトンとしている。視線をもらったアヒルがしゃべり出した。
 「みんな大変ッス!スバル、朝起きたらこんな姿になっていたッス!」 皆は数秒間そのしゃべるアヒルを見ていた。その間、会議室に静寂に包まれていた。最初にフレアが『プッ』と吹き出すような笑いをした。そして、シオンはそれに釣られケタケタと笑い始める。
 シオン「ヤバイ、もう我慢できない。朝起きたらこれでさぁ。www」
 アクア「シオン、笑っちゃだめだよ!」
 アクアもシオンに注意しつつも笑いを我慢するように息が漏れる。ノエルはアヒルに駆け寄り、そのまま抱きかかえた。その後を皆も追う。
 ノエル「スバル先輩!どうしてこんな(にも愛くるしい)姿に!」
 ノエルはその愛くるしい姿に興奮気味であった。マリンやフブキ、ミオも心配して、励ましや同情の言葉を掛けるが、場の雰囲気的に少し緩んでいた。アヒルは怒って翼を羽ばたかせ怒りを表現していた。
 そこに新たな情報を持った別のホロメンが会議室に入って来た。ゲーマーズ1期生の『戌神ころね』と『猫又おかゆ』が入って来たのだ。
 ころね「帰れなくなった!」
 いつもの独特の訛りで会議室に叫んで入って来たころね。皆は何のことか分からず首を傾げた。おかゆが補足するように続けた。
 おかゆ「ホロゲートが昨日の夜、故障しちゃったみたい。それで、地球には一時行けなくなったみたいなんだ。」
 マリン「え!治るんですか?」
 おかゆ「朝、来てた作業員によると治るみたいだけど、どのくらい掛かるかは調査してみないと分からないって…。」
 マリン「そうですか…。嫌な事件が続きますね…。」
 重い空気が流れる中で、ころねがノエルに問う。
 ころね「なんでアヒル抱えてんの?」
 ころねとおかゆにもスバルの一件を話すノエル。事情を知ったころねが驚いたようにアヒルに深刻そうに問うた。
 ころね「え?スバルちゃんなの?」
 アヒル「そうなんッスよ…。」
 会議室に一瞬の沈黙が流れ、ころねとおかゆがほぼ同時に『プッ』と吹き出して笑った。目の前のアヒルがスバルだと聞き心配だが、アヒルがスバルの声でしゃべりだすシュールな状況に初見では笑ってしまうホロメンであった。アヒルは怒ってころねとおかゆに自分の置かれている事の重大さを熱弁し出した。ころねとおかゆは正座してアヒルの説教を聞いていた。
 会議は進行し、情報が出そろったところで、フレアが自分の考えを口にした。
 フレア「ココ会長の件、ホロゲートが壊れた件、メンバーの音信不通、スバル先輩のアヒル化は何か関連性があるんじゃないかな?」
 ノエル「確かに、事件発生時刻が近いよね。」
 フレア「私はホロゲートが壊れたことが原因なんじゃないかと思う。」
 マリン「ロボ子先輩は何か知ってるんじゃないかな?」
 フレア「多分、そうだと思う。」
 問題は大きく3つあった。1つ目はホロゲートが故障した原因を知っていそうなロボ子先輩を探すこと。2つ目はドラゴン化して飛び回っているココが近隣の街に被害を出す恐れがあるため放置できないこと。3つ目は音信不通のホロメンの安否確認。フレアはこの問題点を皆に話し終えた。これ以上は考えても話は進展しそうになかったため、行動に移すこととした。そして、それぞれの問題を解決するためのチームが結成された。ロボ子を探しに行くのをころねとおかゆ。ココを追いかけるのが脳筋騎士のノエルとその補佐でフレアが行く。音信不通のメンバーの安否確認についてはフブキ、ミオ、シオン、マリンが手分けして行うこととした。また、影響を受けてしまったスバルはアクアが面倒を見る。

 会議室を解散としてから数時間後、シオンは音信不通となっているホロライブ2期生の『癒月ちょこ』を探しに春休み中の魔界学校へ来ていた。ちょこは長期休暇中の魔界学校で良く料理研究をしたり、怪しげな薬を作ったりしていることをシオンは知っていたからである。
 シオン「ちょこせんせー!いるー?」
 シオンは魔界学校の保健室や調理実習室を順に探していた。シオンは特に警戒心なく時折、大きな声でちょこの名前を呼びながら歩いていた。そのため背後から迫る《者》に気が付かなかった。

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