見た目よりも泥臭い。事業開発の醍醐味は「新しいものへのチャレンジ」
日本ブランドと海外のソーシャルセラーをつなぐ、NOVARCAのメイン事業。これは、まったくのゼロからNOVARCAが作り上げたものです。この事業開発に携わったメンバーに、新規事業開発の楽しさやおもしろさ、難しさなどについて語ってもらいました。
ここなら自分が活躍できるというイメージが湧いた
中澤 みなさんがNOVARCAに入社して事業開発に携わった経緯を教えてください。
Ruby 30歳のときに転職を考えて、NOVARCAがスタートアップでスピーディー、そしてマーケティング領域に強いということで入社を決意しました。プランナーや営業、越境ECの担当などを担当し、その後1年間産休に入って、戻ってきたタイミングで事業開発本部にジョインしました。
中谷 前職は中国向けの貿易会社にいましたが、NOVARCAのメンバーに声をかけていただいたのがきっかけで入社しました。幼少期から中国に住んでいたので中国関係の仕事がしたかったことと、越境ECにチャレンジしたいというのが入社の理由です。
入社後は越境ECのチームにいましたが、あまりうまくいってなくて。そこでコロナ禍になって不安になっていたときに、中澤さんが事業開発本部を立ち上げるということでメンバーに入れていただきました。
原田 前職は中国の現地企業で働いていました。ただ、そこではすでに中国戦略が固まった進出後の企業を対象とした活動がほとんどだったので、あまりビジネスの上流に関わっている感じがしませんでした。そこで、もっと上流から関われるのではということでNOVARCAに入社しました。当時はソリューション事業本部に配属されて、営業を担当していましたが、9カ月ほどしたときに事業開発本部に配属されました。
中澤 私も含めてこの4人で事業開発本部がスタートして、それから嶋倉さんが入ってきたんですよね。
嶋倉 そうですね。元々中国の上海で長く仕事をしていて、日本に戻ってきてから転職活動をしました。そのとき、上海時代の知人経由で中澤さんと知り合って、ちょうど事業開発部を立ち上げるタイミングということもあり面接を経て入社しました。
中澤 職種とかそれぞれのやりたいことと合致したという理由はあると思いますが、なぜ最終的にNOVARCAを選んだのでしょうか。
Ruby 風通しがすごくいいと感じたからです。あとは、意思決定の速さです。これどうですか? と提案したら即採用されるスピード感がすごく好きです。大きな決め手は、中国事業を手がけていたからですね。私の一番の強みを最大限に活かせると思いました。
中谷 元々中国関係の仕事をしていたので、社内に中国の方が多数いてグローバルな環境だったことと、年齢層が近くて風通しがいいと感じて、ここで働きたいと思いました。
原田 当時、自分のキャリアの軸は中国でありグローバルだったということもあり、それほど選択肢は多くなかったと思います。そのなかでもNOVARCAを選んだ理由は、Rubyさんも言っていたとおり、決断力の速さですかね。あとは、自分のやりたいことがやれそうだなというのもあります。前の会社では自由にやっていたので、多分大きな会社には向いてないなと思っていて、そういう意味で合いそうだなと思いました。
嶋倉 原田さんと似ていますね。自分のなかに中国という軸があって、NOVARCAは中国のことを知っているという感じがしました。ここなら、自分が活躍できるというイメージが湧きやすかったですね。
新規事業をゼロから作る達成感があった
中澤 みなさんは、NOVARCAの事業開発本部一期生ということになりますが、NOVARCAの事業開発の魅力や醍醐味について教えてください。
嶋倉 事業開発の上流から下流まで全部見られたというのが一番ですね。
上流から概念が落ちてきたら、それをタスクに分解していくのですが、そのタスクをどうしたら最短最速で効率的に回せるか、その結果どういうものが得られるのかということ、いわゆる下流のDXを全部自分で考えるというスタンスだったので、自分には合っていたと思います。当時は、商品番号の付け方がわからず、原田さんとGoogleで検索していましたね(笑)。
中澤 当時は、WeChatで来たオーダーをExcelで管理するみたいな地獄のようなことをしていましたからね(笑)。
嶋倉 お客さんからの注文を受けたものが1個足りないということもあって、そこからすべての記録を取るみたいなこともありましたね。全員物販初心者だったから、いろいろなことがありました。
中澤 すでに仕組みが出来上がっているところに対してフィードバックするのはとても簡単なんです。しかしゼロから作るときは、やってみないとわからない難しさというのがあると思います。
原田 大企業の新規事業の方とお会いして話すと、新規事業と言っても裁量を持って関われる業務は限定的な気がします。そう考えると、少人数で全部の工程をやれたというのは、自分のなかで大きいですね。それによって、今までの中国での経験や営業経験を自分のキャリアの軸にしなくてもよくなったというのはありますね。
新規事業の契約書を作っていたときは、ビジネスモデルを作っているという感じはありました。契約書の作り方なんて、どこを調べても出てきませんし。
中澤 ステークホルダーに対して、説明するのがとても大変でしたよね。前例にないビジネスだったこともあって、難易度が高かった。NOVARCAは「国境の先に、新常識を。」というミッションを掲げているけど、まさに地でいっている感じがあったんじゃないかなと思います。
中谷 普通の仕事は、上から落ちてきたことをやるというイメージですけど、事業開発でゼロからビジネスを創出するというのは正解がないので、みんなで話し合いながら、こうやろう、やってみて違ったねという感じで、すごく楽しかったですね。チャレンジしている感じがありました。
Ruby 以前やっていた広告事業も楽しかったのですが、新規事業開発に携わって、新しいことにチャレンジできたことはとても楽しかったですね。
もうひとつは、前進感があったこと。2月にたくさんの契約ができました、3月に嶋倉さんが入ってきてオペレーションが改善しましたというように、毎月何かしら前に進んでいたので盛り上がっていて、その楽しさが心に残っていますね。
嶋倉 中澤さんは、当時はどんな感じだったんですか?
中澤 不退転の決意のようなものがありましたね。事業開発本部を立ち上げたときはちょうどコロナ禍で。それまで自分が作ってきた事業をほかの役員に渡したというのも初めての経験でした。
そして新規事業を作ろうということになったのですが、投資予算はありません、ただし売り上げ予算はありますというような状態で、これ成功しないと会社がなくなるかという感じで、必死でした。
また、チームに頼って事業を作っていくというのも初めての経験でした。私はこれまでチームを頼ることをしてきませんでした。なぜなら、私は人に頼られなければいけない存在だったからです。でも、新規事業開発をしてみて、チームがあればこんなにできるんだなということを痛感しました。特に、1年目に既存事業の売り上げを超えたのは大きな成功事例だったなと思います。新規事業開発をやってみて、チームで仕事をしていくということの醍醐味をすごく感じましたね。
考えるよりまず動いてみることが大事
中澤 これまでは事業開発のキラキラした感じの話が多かったと思いますが、逆に苦労したこととか、それをどうやって乗り越えたかといった話はありますか?
Ruby 私は個人的に地味な作業が嫌いなタイプです。たとえば、オフィス内で商品を梱包して送る作業とか。
あとは、ひたすらお客様に毎日アタックして、同じ事業説明を毎回するというように、ルーティンワークに疲れてしまうこともありました。
中谷 スタート時は、Rubyさんと二人で毎日お客様アタックをひたすらやっていました。しかも、売るものがないんですよ。さすがに「これは大丈夫なのかな」と不安になりました。
Ruby 当時は二人でオンラインで通話をつないで、励まし合いながらやっていました。個別にやっていると孤独感があるので、二人で雑談しながらお客様アタックをしていましたね。
原田 サプライチェーンを作るみたいな話でいうと、最初からうまくいっていたわけではありませんでした。倉庫もありませんでしたし、WMS(倉庫管理システム)導入の際にも、長いこと検討していたものを最後の最後でひっくり返して別のものに変えたりとか。でも、失敗してもいいという空気はあったのが大きかったと思います。とりあえず作ってみて、その後いいものに変えていこうという雰囲気がよかったですね。
中澤 その考え方は会社全体の体質としてありますね。1回やって、それを壁打ちにしてもっといいものにしようという考え方はあります。
原田 最初は何もわからなかったので、やってみて初めてわかることが多かったですね。
中澤 うちの事業開発の特徴は、考えるよりまず動いてみること。それがこだわりかもしれない。
嶋倉 割と早い段階で、原田さんと「これ行き詰まるよね」という会話をずっとしていました。お客様のことを知れば知るほど、我々がぶちあたる壁の解像度が上がっていって、それをどうやったら役員の人たちに理解してもらえるかということをずっと考えていました。
ただ、長いスパンでリレーションを築いていくという考え方で行動をしていたので、今年になって芽が出ているものもあります。そういう乗り越え方をしてきたような気がします。
あとは、人材育成の面ですね。去年から事業責任者をやっていますが、メンバーが増えていくなかで、どこがポイントか、今注力すべきところはどこかという意思決定基準をみんなに落としていくことで、新規事業がある程度強くなってきている感じはします。
中澤 Rubyさん、中谷さんがガンガン市場開拓をやって、原田さん、嶋倉さんがロジスティックやDXをやって。それぞれが自分で考えて最適な配置になっていったという感じですね。まさに走りながら考える会社という感じがしました。
ダイバーシティで風通しがよい会社
中澤 みなさんNOVARCAでのキャリアもそれなりに長くなってきていますが、改めてこの会社の働きやすさややりがいというのはどんなところにあると思いますか?
中谷 年齢が近くて風通しがよいというのは、入社してより感じました。社長や役員の方との距離も近いし、意見交換もしやすいですね。やりがいとしては、常にチャレンジができるところだと思います。今は事業開発からは離れて既存事業を担当していますが、そこでは既存事業を育てるとか、チームメンバーとチームを作るといった新しいチャレンジをしています。
原田 上とも横とも、ぶつかってもちゃんと返してくれるし、ぶつかって変えていける風土があるところがひとつありますね。あと、飽きないですよね、ころころ変わるんで(笑)。スピードがあって決断力があるので、いつまでやってんだよみたいなのは少ないですよね。僕もそういう感じの性格なので、合っていると思います。
嶋倉 同年代のほかの会社の友人などと話していて思うのは、うちはお互いを尊重する文化が強いんだなということです。よく、休みを取るときに気を遣わないといけないという話をよく聞きますが、うちではあまり気を遣わないですね(笑)。休みの取りやすさというところは、本心から出る空気が作り出しているものだと思うので、そこは素晴らしいなと思いますね。
中澤 それはあるかもしれないね。特に体調が悪いときとか、絶対休めっていう感じになる。
嶋倉 逆に、休んでますけどこのミーティングは出ますと言ってる人のほうが浮いてますよね。珍しいと思います。
あとは、調達した資金を使って自分で事業を作れるところですね。
中澤 ベンチャー企業はだいたい経営基盤が弱いものです。意思決定が早いとか言われますが、使えるお金が少なくそれほど大きなチャレンジができないとか、体力が持たないというリスクがあるのが前提にもかかわらず、NOVARCAは既存事業がしっかりとしているから、いろいろ大きなチャレンジができる面はあると思います。
嶋倉 新規事業をやっている人は、いずれ自分たちの事業が既存事業になると思っているだろうし、既存事業をやっている人も、いずれ我々が作るものが会社の価値を上げるものになるという漠然としたイメージを持っていると思います。それはいい融合だなと思います。
Ruby 働きやすさの面で、私にとって明確なのはダイバーシティであるということ。外国人籍が2分の1、女性の割合は2分の1くらいなんですが、外国人だから、女性だからという雰囲気は全然ありません。働くママも変な気遣いをされることもなく、ちゃんと仕事をすれば評価されます。たとえば、子どもをお迎えに行く時間の分みんなよりも仕事時間が短縮されますが、だからといってマイナス評価されるということもなく、成果を出せばみんなと同じように評価されるのは、ほかの会社ではなかなかないのではと思います。
柔軟性があり解決力のある人と働きたい
中澤 みなさんは、どんな人はNOVARCAに合っていると思いますか? またはこんな人と一緒に働きたいとかあれば。
原田 非常にアクティブな動きをする会社なので、それを受け入れられる性格の人が向いていると思います。変な言い方ですけど、変な人のほうがいいかな(笑)。ひとつのことをコツコツとやりたい真面目な人はきついのではと思います。変化や新しい環境を楽しめる力は必須ですね。
中谷 柔軟性がある人がいいですね。やらなければいけないことがあったら何でもやるというマインドがないと、結構厳しいと思います。
Ruby 新しいことに積極的にチャレンジするマインドの方ですね。また、それとは相反するように聞こえるかもしれませんが、どれだけ地味なことも自ら行動してやるタイプが適していると思います。
中澤 事業開発は、外部からはキラキラして見えるんですよ。でも実際には9割くらい泥臭い仕事なんですよね。どれだけつまらなくて地味な仕事だとしても、おろそかにせずにゼロから自分で考えて、それを楽しめる人でないといけないでしょうね。
嶋倉 踏ん張れる人ですかね。楽しむという考え方は必要ですが、最初は踏ん張る時間があると思うんですよ。自分のなかでしっくりこないなぁという。でも、そこで踏ん張ってやり続ける。それが無駄ではなかったと思えるときがいつかやってくるので、それまで耐えられる忍耐力がある人が向いていると思います。
中澤さんが、今一番欲しい人材は?
中澤 事業開発のときからずっと言い続けていることですけど、解決力のある人です。解決力というのは、頭で考えるだけではなくて、ちゃんと実行していくことも含まれます。事業開発の仕事は、問題解決の連続だと思っているので、自分で問題を想像して解決していける力を持っている人がいいですね。
自分の力だけでは解決できないことのほうが圧倒的に多いと思いますが、メンバーに相談して周りを巻き込みながら、解決に持っていける人が一番欲しい人材ですね。
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