わたしはなぜそれを求めたのか

☆photopos-2451 　2021.5.24

わたしの足が
左右交互に動いている
科学はそう観測するだろう

けれどわたしは
そこに向かって
歩いている

なぜそこに向かうのかを
科学は問えない

できるのは
わたしがそこに行って
得たものがあれば
それを記述することだけだ

なぜわたしが
それを求めたのか
科学は計測できない
計測できないことは意味をもたない

わたしにはなによりも
たいせつなものがあり
そのためなら命さえ
投げ出しても厭わないとしよう

その宝物のことを
科学は見ることはできない
できるのはわたしの脳波が
特別な波形を示すのを測定することだけだ

そのくせ科学は
科学的でなくてはならない
というどこから訪れたのかわからない
倫理を宝物にしている

いのちはかけがえのない
たいせつなものだともいう
そのかけがえのなさを
科学はどのように計測しようというのだろう

※愛媛県久万高原町・古岩屋にて