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見えるもの 見えないもの

☆photopos-3075  2023.2.8

精神が
ただの言葉
あるいは幻
とされる時代には

どんな経験も
形あるもの
見えるもの
計測できるもののなかにしか
存在しえなくなる

そこでは
精神の眼はなく
肉体の眼だけが
世界を存立させる

かつて
ゲーテは
原植物という
理念を経験したのに対し
シラーは
理念は経験できないとしたが

シラーは
経験のなかの理念を
認めることができなかっただけで
精神の眼がないと思ったわけでない
むしろそれをどこかここから離れた
高次世界にあるものとして
理想化しすぎていたのだろう

見えないもののなかにも
見えるものがあり
見えるもののなかにも
見えないものがあり

そして
わたしのなかにも
見えないあなたがいて
あなたのなかにも
見えないわたしがいる

わたしも
あなたも
ほんとうは
見えないけれど
そして計測できるものではないけれど
たしかに精神がかたちになったわたしがいて
たしかに精神がかたちになったあなたがいる

※愛媛県松山市・重信川にて

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