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短編小説「Joga!」 第2話: ブラジルへの旅立ち

割引あり

フットバレー初
短編小説シリーズ 『Joga!』 始動!

「Joga!」は、イッサがフットバレーを通じて人間的に成長し、夢を追い求めるサクセスストーリーです。

第1話 振り返り
 プロサッカー選手の夢を断念したイッサが、サワキと出会い、フットバレーの魅力に引き込まれる。イッサはサワキの指導のもとでフットバレーの基本を学び、フットバレーの文化に触れるための挑戦を決意する。サワキの甥っ子、ハヤトも登場し、イッサの新たなパートナーとしてサポートしていく。彼はイッサの成長を見守り、共に過ごす時間が二人の絆を深めました。
 ブラジルでフットバレーの名手として名を馳せているアンドレの存在が、イッサにとって大きな目標となりました。イッサはアンドレと対戦することを夢見ながら、サワキと共にブラジル行きを決意します。

第2話では、イッサとサワキがブラジルへ向けての準備を整え、いよいよ旅立ちの日を迎えます。ブラジルで待つ新たな挑戦と、アンドレとの出会いに胸を躍らせながら、イッサは新たな一歩を踏み出します。

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第2話|登場人物

イッサ(19歳)
情熱的で明るい性格の若者。フットバレーに強い興味を持ち、サワキの指導を受けながら成長を目指す。友人思いで、仲間との絆を大切にする。

ハヤト(16歳)
サワキの甥っ子で、高校1年生。サッカー部を辞め、フットバレーに新たな道を見出した。サッカーに対する思いを抱えつつ、自由なプレースタイルのフットバレーに魅力を感じている。イッサと意気投合し、彼のフットバレーの仲間となる。

サワキ(45歳)
フットバレーを日本に持ち帰った先駆者で、元プロ選手。温厚で親しみやすく、イッサたちにフットバレーの楽しさと技術を教える良き師匠。実はブラジルでは有名な選手だった過去があり、その経験を活かして多くの選手に影響を与えている。情熱を持ってフットバレーを広めることに尽力し、厳しい指導の中にも深い愛情を持って選手たちを見守る。

マルセリーニョ(45歳)
サワキと同じ年の伝説的なフットバレー選手。フットバレーの戦略に精通し、情熱を持ってこのスポーツを広める。サワキとはライバル関係にありながら、彼の技術と努力を尊敬している。

アンドレ(22歳)
ブラジル出身の留学生で、リオデジャネイロのファヴェーラ出身。幼少期からビーチでフットバレーを楽しんできた上級者。イッサに惹かれ、彼に声をかける。サワキとの関係に秘められた過去を知る重要なキャラクター。


家族との別れ

イッサは家族との別れを惜しんでいた。
空港に着くと、母親が涙を浮かべて優しく微笑み、

「イッサ、ブラジルでしっかり頑張ってね。遠く離れても、いつも応援しているわ。」と声をかけた。

父親はイッサの手をしっかりと握り、
「男は一度決めたことを貫け。お前ならできる。」

と力強く励ました。
その言葉は、イッサの心に深く響き、彼は感謝の気持ちを込めて頷く。

空港には友人たちも集まり、「ブラジルでの活躍を楽しみにしてるぞ!」と声をかける。イッサは彼らの期待に応えようと心に誓ったが、その瞬間、すでに涙ぐんでいた。友達との別れに、寂しさが胸に迫り、思わず涙がこぼれそうになる。

隣にいるハヤトは、その様子を見て少し心配しながらも、笑顔を浮かべた。「大丈夫だよ、イッサ。」と優しく声をかけ、彼の背中をさすりながら、友人たちとハグを交わした。イッサもその温かさに救われ、少し笑顔を見せる。

友人たちと一緒に写真を撮る時、ハヤトは明るい表情で「ブラジルで最高のプレーを見せようぜー!」と声を張り上げた。
イッサはその言葉に励まされ、心の中で新たな決意を固めた。
この旅が彼の人生に大きな影響を与えることを確信し、未来への期待感が膨らんでいくのだった。


空港での運命的な再会

空港の待合室は人で賑わっていた。
出発を前に緊張した面持ちのイッサ。急にハヤトがボールを取り出し、「アウチーニャしようぜ、イッサ。先生も!」とサワキの腕を引っ張って誘う。

イッサ、ハヤト、サワキの三人は出発を待つ乗客たちをよそに、楽しそうにアウチーニャを始める。周囲の人々が驚きの眼差しで見つめる中、サワキの巧みなボールコントロールが際立っていた。ボールが彼の足元で踊るように動き、時折見せるトリッキーな技に、周囲の乗客たちは興味津々でスマホを取り出し、撮影を始めたり、ライブ配信を行ったりしていた。

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