考察:DEATH NOTEと180度

タイトルにある180度って何?と思った人は下に引用した記事を読んでください。

この180度は占星学でいうオポジションのこと。オポジションの星座同士はお互いに向かい合う180度の位置関係にあり、合わせ鏡のような存在。その為、価値観の合う合わないが激しい。簡潔に言うと、自分には無い長所を持っていて、自分と似た短所を持っている相手がオポジション。

以下の組み合わせがオポジション。

牡羊座ー天秤座 牡牛座ー蠍座
双子座ー射手座 蟹座ー山羊座
獅子座ー水瓶座 乙女座ー魚座

DEATH NOTEはオポジションと結びついていると思う。
※以下からの考察はネタバレを含みます。


1.二部における共闘


DEATH NOTE 二部をざっくり説明すると、探偵Lの死後、メロとニアが共闘してキラ(夜神月)を倒す話。Lの育った孤児院「ワイミーズハウス」は知能が高く身寄りの無い子供に英才教育を施す施設で、その中で総合的にトップにいたのがニアという少年だった。

どうしても1番になりたいメロにとってニアは何度努力しても敵わない相手。メロはニアのことをライバル視しており、Lが死んだあと二人で捜査を引き継ぐという提案も「僕とニアは仲良くない」と却下。

その後、ワイミーズハウスを出てマフィアの一員となり、デスノートを奪ってSPKメンバーを殺害し、ニアのキラ捜査を妨害。

その後なんやかんやあり、爆発に巻き込まれて失踪するメロ。SPKのメンバーであるハル=リドナー(ハル・ブロック)に接触し、孤児院に残していった写真を取りにニアの元へ。

で、何故か彼にキラ捜査に有益な情報を与え、SPKメンバーと夜神総一郎が死んでいるのに、二人が競争する?形となった。

というのが二部の大まかな流れ。
筆者はこの関係がオポジションに近いと考えた。公式設定でメロは12月13日、ニアは8月24日。生年月日で見れば、射手座と乙女座でオポジションではない。が、調べてみたら作者がオポジションだった。

原作者がガモウであるという説は有名。

生年月日は8月17日の♌

期間 - 7月23日〜8月22日
アストロロジカルシンボル - ♌
守護星 - 太陽
四大元素 - 火

獅子座は「あなたという他人」を通して世界と繋がろうとするタイプです。自分というフィルターを通して世界を知ろうとするのではなく、相手の反応や行動を通して自分のことや世界を知り、つながりを作っていこうとします。「自分を表現する」というのは獅子座の重要なキーワードです。獅子座は自分が主役になり演じることで、人から認められたり称賛されたりして、自分は特別な存在だと実感することを望んでいます。

作画担当者は2月11日の♒

期間 - 1月20日〜2月18日
アストロロジカルシンボル - ♒
守護星 - 天王星
四大元素 - 風

水瓶座は、自由と平等を愛し、人を分け隔てなく愛する博愛精神を持っています。知的で客観的な視野を持ち、社会全体がよくなるよう考えて、常識を壊し新しい風を吹き込みます。自分でとことん考え抜いて出した答えをストレートに表現し曲げません。(中略)そのため「変わっている」「奇抜だ」と言われることもあるでしょう。

ニアは常に冷静沈着で「Lが死んだ」と聞いた時も動揺しないほど冷めた性格。奇抜かどうかは分からないが鏡餅を玩具にする場面もある。


2.公式の出生日


以下は他の登場人物の公式設定の出生日。

奈南川 零司
8月3日

三堂 芯吾
1月25日

マット(マイル・ジーヴァス)
2月1日

南空 ナオミ
2月11日

ハル=リドナー(ハル・ブロック)
2月18日

マットはワイミーズハウス出身でメロの相棒だった人物。メロが♌だとすればオポジションは成立する。

ヨツバキラ編においてもオポジションの組み合わせは存在する。第6巻P.143における紙村の発言から考えても奈南川と三堂のスペックは同等だと言っていい。

そして、南空ナオミとハル=リドナー。二人にはいくつかの共通点がある。

・優秀な経歴
・知人がキラ事件に巻き込まれる(南空は婚約者を夜神月に殺される=リドナーは知人がヨツバ事件による被害を受ける)

南空ナオミは夜神月に婚約者(レイ・ペンバー)を殺害され、真相を突き止める為に夜神月に近づくもデスノートに名前を書き込まれ失踪。

死亡する直接的なシーンが無く最後まで行方不明扱いだった為、一時は生存説まで流れたが作者(大場)が否定している。

二部から登場するハル=リドナーは南空ナオミをコピーした姿だと思う。


3.作者が自己投影している人物


作者(大場)が最も自己投影しているのは、恐らくメロ夜神月だと思う。第6巻P.67において、ミサは三堂のことを「ライトに似てる」と述べている。

確かに夜神と三堂は似ているが、似せる必要性もミサに三堂のことを「月に似てる」と言わせる必要性も分からない。読者に三堂がヨツバキラだと思わせる為のミスリードだとしても不自然。作者(大場)が夜神月に自己投影していることの裏返し?

そして、第2部における展開。本来なら夜神月は勝てた。ジェバンニが一晩でノートを偽造するというのは無理がある。作者は「メロが勝つ案もあった」と述べているがニアを勝たせた上で「メロのおかげ」と言わせることが勝利条件。

そして、ニアは作者の鏡だ。作者は対極宮を鏡として利用している。

自己愛性パーソナリティ障害や妄想性障害などの障害をもつ人は、自分で自分自身に認められないような醜い劣等感や恥ずべき感情、醜悪な劣った人格などを、他の人に「投影する」ということを行います。「投影」(projection)というのは、病気レベルでない話としては、不都合な事が起きた時の「責任転嫁」のようなものです。

引用元: 大阪・京都こころの発達研究所 葉「投影と投影同一視」

本当に他者を操作しているのも、本当に反社会的な思想を持っているのも、夜神月、メロ=作者(大場つぐみ)だが、作者はそうした自分の側面を受け入れることができない。

だから、最後は「ニアはデスノートを使ったかもしれない」という終わり方になったのだと思う。

以下は第12巻P.79における夜神月のセリフ。


「お前は美しく勝とうとし過ぎた」


これは、きっと作者の代弁。
あくまでも僕の勝手な推測。

今回の考察はここまで。

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