人間の最も重い罪

【人間の最も重い罪】
人間の最も重い罪とは『裏切り』である。
ダンテの「神曲」で裏切り者は地獄の最下層の嘆きの河の中に永遠に氷漬けにされている。

この地獄の門には「我を過ぎんとする者は一切の望みを捨てよ」と記されている。
「一切の望みを捨てよ」とは、希望のない絶望の人生のことである。
そして希望のない人生こそが、生きていながら地獄に住むことなのだろう、そして、それは死と同じである。

世の中には「主体的に生きている人間」「受動的に生かされている人間」「生きていながら死んでいるような人間」の3種類の人間が存在する

ダンテの神曲の「地獄の前域」には『善も悪も為さず、人生を無為に生きた者たち』が留め置かれる。

善も悪も為さなかった者達を見て、ダンテはウェルギリウスに語りかける。「この惨めさは誉れもなく、謗り(そしり)もなく生涯を送った連中の哀れな亡霊の姿だ。神に仕えるでもなく、背くでもなく、ただ自分たちの為だけに存在した邪悪な天使の群れと交じり合っている。ただ見よ!通り過ぎよ!」

ダンテは善も悪も行わない、どっち付かずの臆病者達を軽蔑した
自分に生きる事が出来ない、偽りの人生。
永遠に苦悩に苛まれて、永劫回帰するのだとダンテは訴えたかったのだろう。

ニーチェは「無為な人間を軽蔑するな!」
「憎め!」と言っている。

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