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ICO(内頚動脈閉塞症)とは?

脳外科でICOという略語を見かけることがあるかと思います。いったいICOとはなんでしょうか?ICOとは、内頚動脈閉塞症のことで、internal carotid artery occlusionの略語です。

心臓から頭に向かって血液を送る際に、大動脈弓というカーブから総頚動脈が分岐します。その後、あごの下あたりで、外頚動脈と内頚動脈に枝分かれし、外頚動脈は頭皮や顔へ、内頚動脈は頭の中にそれぞれ向かいます。

内頚動脈があごの下から目の奥付近までさまざまな部位でつまってしまうことがあり、そのことを内頚動脈閉塞症と呼ぶのです。

内頚動脈は、前頭葉や側頭葉、頭頂葉などの大脳皮質や、脳の深い部分にある基底核など広範囲の血流を担っているため、閉塞してしまうと重症な後遺症を残してしまうと思われがちです。しかし、必ずしもそうではありません。内頚動脈がどのような時間経過で詰まるかによって、症状が異なってきます。

1.急性閉塞の場合

心臓から飛んできた血栓などによって、内頚動脈が突然つまってしまうと、意識障害、失語、麻痺など重症な症状を引き起こします。これは、内頚動脈の急性閉塞と呼びます。急性閉塞の場合は、治療の緊急性は非常に高く、tPAや血栓回収といった、血栓をとる治療を迅速に行うことが大切です。治療が1分遅れるごとに患者さんの機能予後は悪くなってしまうため、病院を挙げて多職種連携が必須となります。

続きは脳プロブレムサイトに掲載しています。


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