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2021年7月の本棚

毎日クソ暑いので涼しい部屋に引きこもって漫画を読んでいます。7月に読んだ漫画は以下のと〜り。

逃げ上手の若君 1巻 / 松井優征(集英社)

『ネウロ』『暗殺教室』の松井優征先生の最新作。鎌倉幕府の後継者となるはずが謀反によって全てを失った少年・北条時行が逃げることで英雄となり、生きることで伝説となる物語。漫画界の天才の頭脳と3DCGを用いた最新作画技術を駆使した歴史漫画、面白くないわけがない。※巻末に超分かりやすい歴史解説付き

さあ 天下を取り返す鬼ごっこの始まりですぞ!


その淑女は偶像となる 2巻 / 松本陽介(集英社)

「トップアイドル」を目指すべくアイドルリーグ予選に挑む桜子・あるみ・まりもの前に立ちはだかる生薔薇四天王が一人、マーガレット恐子。直接対決じゃなかったとは言え、まだまだ実力差があることを突き付けられた3人は本戦一回戦の相手「地下の女王」邪羅美奈子と対決する。邪羅の信念がすごく理にかなってると言うか、しっくり来て良かった。これなんてバトル漫画?ってくらい熱くて面白い。
早くライブで大声出せる世の中に戻ってほしいな、と思う日々です。

わしを応援する「下僕達だけは必ず笑顔にする」
それがわしの「信念」じゃ


弱虫ペダル 73巻 / 渡辺航(秋田書店)

鏑木vs高田城のつづら折り登坂バトル。高田城の”スピードスケーター”走法がまず意味不明だった。キャラ付けしなきゃなのは分かるけど、もう少し何かなかったんだろうか…。しかも早速鏑木の計算外の走りの前に負けちゃってるし。そして鏑木、段竹の山岳アシストとして走ってるくせにロードレースにおける「山岳アシストの役割」を全く果たさずに勝手に飛び出した挙句、一人沈んでいくのはいくらなんでもアホすぎる。せめて高田城諸共落ちるならまだ分かるけど、高田城自身は何食わぬ顔で悠人に合流するという展開。ここから坂道が大活躍してくれるんだろうけど、この1巻まるごと相変わらずの引き延ばしって感じだった。(散々言っても次巻も読む)

追いつくなんてーーーー ありえない!!


弱虫ペダル SPARE BIKE 9巻 / 渡辺航(秋田書店

大学ファミレス編と尽八・修作中学最後の夏編収録。大学クリテリウムレースで金城と福富がちゃんと先輩のリードアウトとして仕事していて安心した。あとはみんなの掛け合いが普通に面白かったからボイスドラマとかで聴きたい。尽八は中学最後の夏、修作と二人だけの自転車部でヒルクライムレースを総なめにしつつ、平坦でも見事にアシストしたりしていた。やっぱり東堂尽八が一番好きだ。


僕の心のヤバイやつ 5巻 / 桜井のりお(秋田書店)

ヤバイやつ最新巻。通常版を電子で、特装版を紙で購入。
山田の家に来ちゃった市川。山田父がめっちゃ市川似で山田が市川を好きになった理由は父親に似てたからってのが大きいんだろうな〜(本人は自覚なし)とか思った。姉や闇の者との会話で山田への想いをちゃんと自覚した市川がこれからどう頑張るのかが見もの。個人的に神崎くんが変態すぎて好きです。

いいよな!臭い女子


潮が舞い子が舞い 6巻 / 阿部共実

バーグマンに始まり、バーグマンに終わった巻だった。この時期の多感で複雑な心情を全て言語化できたら毎日だいぶ濃そうではあるけど、豊かだろうなぁ、と思う。
久しぶり?の車崎登場でちょっとピリついた。こんな(悪い意味で)ジャルジャルのコントに出てきそうな奴がクラスにいたら絶対関わりたくないし、声も聞きたくないけど、隣にいる釣岡も実はかなり性格が悪い。でも釣岡とは普通にツルみたいと思える不思議(この辺は2巻収録第15話でちゃんと描かれている)。そして水木はハイパー良い奴。


きみのご冥福なんていのらない 1巻 / 松尾あき(秋田書店)

友達以上恋人未満の同級生・小野に翻弄される毎日を送る篠原。ある日、事故で死んでしまった小野がゾンビとなって蘇るも身体を動かすためには篠原との「イチャイチャ」が必要不可欠だった、というゾンビラブコメ。試し読みで『青野くん』みたいだなと思ったけど、全然ラブコメだった。


双子たちの諸事情 2巻 / 鉄一(KADOKAWA)

Twitterで毎話追いかけてはいるけどやっぱり破壊力が高い。空手のライバルキャラは正直不要だから今後出番が減ることを密かに願っている。描き下ろし漫画『彼女の前髪』がもう超超超良かった。紅基と那青は双子として対照的な性格に見えて実はすごい似た者同士なんだよねぇ。

こーきがにあってるって言ってくれたから いい


君は冥土様。 3巻 / しょたん(小学館)

文化祭、クリスマスと季節の行事を楽しむ雪さんが今回も可愛いかったし、新キャラのナカちゃんも可愛くて癒された。元殺し屋の漫画で癒されのも変な話だけど。ただ「勝田ソース」の占める割合が異様に大きい気がするのは多分気のせいじゃない。


舞妓さんちのまかないさん 17巻 / 小山愛子(小学館)

新年を迎え、京都で再び始まるキヨ・すーちゃん・健太のそれぞれの生活。一緒にいなくても互いに影響し合える関係が本当に素敵。一旦はラブコメに発展するのかとヒヤヒヤしていたけどあまり気にしなくて良さそう、だと今は思っておこう。今回は特にすーちゃんのひたむきさが描かれるシーンが多くて、読んでいてますます好きなった。すーちゃんを一番近くで支えてあげられる存在になりたい…


ミステリと言う勿れ 9巻 / 田村由美(小学館)

入れ替わり双子編完結、かと思えば、また新たな事件へと繋がっていく展開。もう少し軽い気持ちで読ませてくれてもいいんですよ、と言いたくなる(ディスってるわけではない)。菅田将暉主演でドラマ化決定だそうで、楽しみです。


思えば遠くにオブスクラ 下巻 / 靴下ぬぎ子(秋田書店)

6月に上巻が発売したワーホリ漫画の完結下巻。主人公・亜生の後輩・多華子が亜生に対する自分の評価が的外れだったと知って冷めるシーンがあるんだけど「お前何様だよ」と思ってしまった。美学を持つことは良いことだけど、それを他人を評価する基準として持ち出すとロクなことがないと思う。あくまで自分の中に留めておくに限る。
途中ベルリンからアムステルダムに移住してロックダウンもありつつも少し明るい気持ちになって物語はおしまい。「カメラ・オブスクラ」のワードをもう少し有効活用してほしかった感はある。ただの「語感が気持ちいい言葉」になっていたかもしれない。


葬送のフリーレン 5巻 / 山田鐘人・アベツカサ(小学館)

一級魔法使い試験に挑むフリーレンとフェルン。この漫画で試験編に突入する日が来るとは1巻の時には正直想像していなかった。キャラが大勢登場してだいぶ把握するのが難しくなってきた。できるだけ少人数でゆっくり進んでいってほしいな。あとは漢字にカタカナルビの魔法が多用されていて目がシバシバしたりなどした。

魔法というものは探し求めているときが一番楽しい。


たぬきときつねと里暮らし 1巻 / くみちょう(集英社)

ブラック企業を退社して祖母の家に引っ越してきた現代人の主人公が人間の子どもに化けたたぬきときつねに出会う、のんびりほのぼの田舎ストーリー。たぬきときつねのコンビが絶妙にバカで可愛い。最後の引きも良かった。
なんか分からないけど、すごい刺さってしまった。自分自身しょっちゅう全部投げ出してて田舎にエスケープしたくなる人間だからかな。でもよくあるリタイア系の漫画とはちょっと違った。上手く言えないけど。


よふかしのうた 8巻 / コトヤマ(小学館)

夜間学校に通うことになったコウくんとナズナちゃん。そこで明かされるナズナの初めての友人についての話。これ目代先輩が探偵の奴だよね、きっと。コウくんの彼女(仮)になった高身長ヤンデレ女子・越後リラちゃんも良かった。最近はデカい女がトレンドな気がする。


殺し屋は今日もBBAを殺せない。 4巻 / 芳明慧(小学館)

最強BBA漫画。このBBA、戦闘能力だけでなくカレー愛も強すぎる。またしても最強の殺し屋っぽい奴が放たれたけど、何一つ心配することがないのが面白い(?)


ホリミヤ 16巻 / HERO・萩原ダイスケ(スクウェア・エニックス)

いつのまにか卒業の日になっていた最終巻。透と由紀ちゃんのことはあえて描かない感じで終わってしまってちょっと残念。後半の創太と有菜ちゃんの話が俺得だった。少女漫画とかの最終巻に収録される主人公の身内やサブキャラのその後読むの大好き。むしろそっちが本編なまである。とにかく長い間連載お疲れ様でした。


デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 11巻 / 浅野いにお(小学館)

人類終了してしまった。この巻で終わっても良さそうな気もするけど多分次で完結かな?生き苦しい世の中だけど、ここまでぐちゃぐちゃでないだけマシかなーとか思ったり。でも自分が知らないだけで現実もこれくらいぐちゃぐちゃなのかなーとか思ったり。


君のことが大大大大大好きな100人の彼女 1巻 / 中村力斗・野澤ゆき子(集英社)

中学時代に100回の失恋を経験した少年・愛城恋太郎は恋愛の神様に「高校で100人の”運命の人”に出会うこと」を告げられる。しかしその出会う女の子たちは「恋太郎との恋が成就しなければ死ぬ」という超ハードな条件付き。主人公の性格と眉毛が若干気になるけど、女の子は全員もれなく可愛い。「どのヒロインとくっつくか」というラブコメ究極の課題を逆手に取った新感覚ハーレムラブコメ。100人息切れせず無事描き切れるのかな…


僕の妻は感情がない 1巻 / 杉浦次郎(KADOKAWA)

しがないサラリーマンのタクマと家事ロボットのミーナは人間とロボットでありながら夫婦という仲。ミーナは家事機能限定の廉価型で表情も感情もないはずなのに二人の関係はほのぼのと愛情が溢れてる。シュールさとイチャイチャさのバランスが絶妙で、にまにま見守りながら読んでる。
すごい昔に見て以来ずっと忘れられない『アンドリューNDR 114』という名作映画を彷彿とさせる内容。あそこまで壮大な感じにもならなそうではあるけど、1巻の時点でかなり琴線に触れる作品だった。続きも読みたい。


ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜 1巻 / 泰三子(講談社)

7月?からドラマが放送中の交番バディ物語。ドラマは1秒も見ていないけど、これ映像化するならだいぶ手加えないと難しいよな~と思いながら読んでた。1巻の時点では交番女子の逆襲要素はほぼなかった。警察官って「憧れの存在」というより「住民から忌み嫌われる存在」って印象だから本当にご苦労様ですという気持ち。


かげきしょうじょ!! 1巻 / 斉木久美子(白泉社)

7月からアニメが放送中の歌劇少女の物語。あわよくばスタァライトされちゃおうと見始めたけど、流石にそういう毛色の作品ではなかった(胸糞展開もあって今は何とか視聴継続している状態)。1巻無料試し読み期間中だったから読んでみたけど、アニメは原作「シーズンゼロ」の方から始まっていて、この1巻だけだとちょっと繋がりが分からず若干混乱した。と言うのも、『MELODY(白泉社)』で連載する前は『ジャンプ改(集英社)』で連載されていて、雑誌休刊に伴い移籍してきたらしい。集英社の方で掲載されていた物語の序盤が再編集されて『かげきしょうじょ‼︎ シーズンゼロ(白泉社)』として全2巻で刊行されている。本当の1巻はそっちだったというトラップ。とりあえずアニメ見つつ追って原作を読みたい。


東京卍リベンジャーズ 1巻 / 和久井健(講談社)

4月からアニメが放送中で7月には実写映画も公開されたヤンキー×タイムリープもの。ヤンキーが出てくる作品苦手だったけど、アニメは(テンポはまぁまぁ悪いけど)面白い。タイムリープはしてるけど謎解き要素とかは全然ないし一般ウケしやすいのかな。「タイムリープ→喧嘩→タイムリープ→喧嘩→…」のサイクルがちょっとヤなのと主人公のタケミッチが基本無能なのが気になるところ。「放送中のアニメの原作を先に読むとアニメを見る気が失せる」ことが多々あるからアニメを100%楽しむべく、とりあえず読むのは1巻だけに留めておこう。


魚社会 / panpanya(白泉社)

panpanya先生の新刊。相変わらず美しい装丁とカバー裏のデザイン。カバー裏は今回のタイトルとも相まってサカナクションのアルバムジャケット感が強かった。既刊を月に一冊ずつ読むと決めているのでまだ新刊に手を出せないけれど、新刊を新刊のうちに読みたくて今月だけ例外にすることとした。
当たり前だけど、panpanya先生はこの世界に実在していて、マクドナルドへ行ったり、カステラ風蒸しケーキを探し求めたり作ったりしているという事実に改めて謎の感動を覚えたし、読んでいる間、他の漫画では決して味わえない唯一無二の時間を過ごしていると実感する。一体どれほどの速さで生きれば、この人のように世界を捉えられるんだろう。


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