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2021年8月の本棚

暑かったり雨ばかりだったり寒かったり不思議な8月だった。
今月読んだ漫画はこちらになります。

アオのハコ 1巻 / 三浦糀(集英社)

「女バスの先輩に憧れる後輩バド部男子の青春ラブストーリー」なだけだと思って油断していたらまさかの「一つ屋根の下系」の同棲展開で一気に盛り上がった。そんなん反則やろ。いや王道なのか。千夏先輩(ヒロイン)の心情がまだほぼ触れられていないからそこらへんが気になる。空気感もとても好き。(絵柄に見覚えあるなと思ったら『先生、好きです。』の作者の方だった。)


Dr.STONE 22巻 / 稲垣理一郎・Boichi(集英社)

スタンリーに対抗する科学王国捨て身の「人類"再"石化計画」。その鍵を握る我らがスイカ。ひとりぼっちで健気に頑張るスイカがもう愛おしすぎて泣いちゃった。1巻からここまでずっと面白いけど、この22巻が一番好きだし、この22巻を読むために21巻まで読んできたとさえ言える気がする。それくらい良かったんだよ。

ククク お役に立つじゃねえか スイカ


逃げ上手の若君 2巻 / 松井優征(集英社)

時行の新たな郎党として「忍者:風間玄蕃(ゲンバ)」が登場。飛び道具キャラが加わったのはとても心強いけど性格にはかなり難あり。時行の「逃げへの信頼」が「仲間への信頼」に繋がっている感じ、一貫性があって面白いなぁとか思った。(何を言っているのかはよくわからない)
あと個人的に知ってる歴史用語が出てくると、ちょっと興奮する。

「忍」という記述が登場する最古の文献はこの時代を記した「太平記」である


ダンダダン 1巻 / 龍幸伸(集英社)

幽霊を信じる女子高生とオカルトオタクの男子高校生が繰り広げるオカルトホラーバトル漫画。作画と勢いが凄い。刺さる人には刺さるかもだけど、刺さらん人には全く刺さらなそう(大体の漫画はそう)


トリリオンゲーム 2巻 / 稲垣理一郎・池上遼一(小学館)

奇想天外な作戦でハッカー大会を切り抜け、好条件で高額出資を手にしたハルとガクは無事(?)株式会社「トリリオンゲーム」を設立。タイトルが回収される瞬間はいつも鳥肌が立つ。事業内容も決めないまま、次は人材募集をしたところ、クソ真面目な女子大生・凛々ちゃんが新たなメンバーとして参加。この娘がまた良いキャラしとる。

若いから採ったんじゃねえよ。凛々だから採ったんだよ。


姫乃ちゃんに恋はまだ早い 7巻 / ゆずチリ(新潮社)

完結巻。1巻発売から読んできたから正直めちゃくちゃ寂しい。姫乃ちゃんとオージくんの関係はそんなに進展せず、おませな姫乃ちゃんが背伸びしてるだけの話なのにそれが本当に楽しかった。あとやっぱり姫乃姉とオージ兄のラブコメが読みたい…。


きみとピコピコ 1巻 / ゆずチリ(講談社)

「隣の席の女の子」系の姫乃ちゃんが終わったかと思えば「オタクに優しいギャル」系の漫画が始まった。ゆずチリ先生は流行りに乗っかっていくスタンスなのかな?オタクとギャルがゲーム部の部室で(主に)レトロゲーをピコピコする話なんだけど、ゲームの説明や解説が結構細かかったり大雑把だったりまちまちな気もする。自分自身あまりゲームをやってこなかったから、ここは読者によって印象が変わってくるのかも。個人的にはもっとどんどんラブコメしてほしい。


メイドさんは食べるだけ 3巻 / 前屋進(講談社)

メイドのスズメちゃんが過ごす日本の夏。相変わらずかけがえのない毎日を送るスズメちゃんがただただ食べるだけの漫画だけど、それがやっぱりとても良い。あと夏仕様とかで簡素化された状態のメイド服って、良いよなあ。


ウマ娘 シンデレラグレイ 4巻 / 久住太陽・杉浦理史ほか(集英社)

史実通り日本ダービーへの出走が叶わなかったオグリキャップ。ダービーに臨んでいるかのように読ませる描き方には普通に騙されたし、目標を見失いかけるオグリの背中をカサマツの仲間たちが押すシーンも良かった。
徹底的にマークされながらも「毎日王冠」を制し、「天皇賞(秋)」へと駒を進めたオグリキャップは遂にのちのライバル”白い稲妻”タマモクロスと対峙する。


【推しの子】 5巻 / 赤坂アカ・横槍メンゴ(集英社)

アクアとかなは2.5次元舞台への出演の為、稽古に励む。今回は脚本家や原作者の立場や現場での立ち振る舞いにスポットライトが当てられていた。原作改変とかはメディアミックスの際は度々話題になるけど、うまい具合に落とし込むのって本当に難しいんだろうな、と常々思う。
最終的に「アクアたち役者サイド頼むで!」という流れを作る為には必要だったのかもしれないけど、今回の話そこまでいる?とはちょっと思った。まぁ芸能界の裏側みたいなものも描いていく作品だから全然おかしくはないけど。


かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 23巻 / 赤阪アカ(集英社)

伊井野ミコは作中でも1、2を争うくらいに好きなキャラクターだけど、性格が歪みまくっているからこのまま一筋縄でいけるわけがなくて怖い。というか石上周りが急に盛り上がり出してこの関係がどう着地するのか全く予想できない。楽しみ。


ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ 2巻 / ナガノ(講談社)

なんか小さくてかわいい第2巻。メインパートとしてちいかわとハチワレが「草むしり検定」という資格試験に挑戦する回がある。まず「草むしり検定」ってなんなんだ。しかも5級。他にも資格はあったりするのかな。モンスターに襲われる世界だし、野ざらしで暮らしてるちいかわもいるし、労働しないと生きていけないっぽいし、資格の一つでも取って手に職付けたいところではあるけど、本当に全く持って全然理想化された世界とは程遠いんだよな、ちいかワールド。なんで当初想像していたような理想化された世界からかけ離れた世界になってしまったのか。多分物語として面白くしようとして描写を重ねていった結果、なんかこうなってしまったのだろう。
ちいかわに限らず、現実に疲弊している人が逃避的に想像したり消費したりするフィクションの世界って、全然平和じゃないことが多いよな。まあ日常系コミックとかは文字通り平和で理想的だけど、ああいうのだけを好む人は多数派ではない。幸福に、平和になりたいと思う欲求以上に「退屈したくない」という欲求は強いのかもしれない。ストレスはないほうがいいと思われがちだけど、ほとんどの人は明らかに「心地よいストレス」を求めているよなあ。


酒と鬼は二合まで 1巻 / 羽柴実里・zinbei(スクウェア・エニックス)

祖父に憧れ、バーテンダーを志すぼっちなカクテル好き女子大生・ナオリは半ば強引に参加させられた飲み会で自分と正反対のギャル・ひなたと出会う。なりゆきで自宅に招き、飲み直すことになった二人だったが、ひなたは自分が酒呑童子の末裔で「人間から与えられた酒しか口にできない」呪いにかかっていることを明かす。お酒が繋ぐライト百合。かなり好き。


病める惑星より愛をこめて 1巻 / 本田(秋田書店)

人類の半数が心を病み、自殺が多発する地球。人類は異星人から提供された、重篤な気分障害に強い治癒効果を持つ特殊臨床慰謝体「モカリノタマラピッ(名前は覚えなくていい)」をもふもふすることでなんとか生きている。各話同士繋がりはあるつつもオムニバス形式で読みやすい。内容が現代社会に通ずるというか、最近世の中みんな疲弊してるし、死にたくなった時の拠り所みたいなものを持って生きていけたらいいなと思う。


夜の名前を呼んで 1巻 / 三星たま(KADOKAWA)

不安が募ると夜を呼び寄せ、辺りを暗闇に染めてしまう病気を持つ少女ミラと医者のレイ先生の二人の森の奥での養生生活を描いたファンタジー漫画。朝起きる時間を自分で決めて、その時間に起きられると自信がつくという台詞に「分かる~」ってなった。毎日の就寝・起床時間を固定できる人間になりたい。


海が走るエンドロール 1巻 / たらちねジョン(秋田書店)

夫と死別し、余生を過ごす老婆が映像専攻の大学生に出会い、自分が映画を撮る側の人間であることを自覚する物語。主人公のうみ子さんに老人特有のもっさい感じがなく、若々しく見えた。日々に生きる糧を見出している人間はいくつになっても生き生きと見えるものなのかもしれない。大学生の青年・海(かい)も少し影のある良いリード役だった。これからの展開も気になる。


宙に参る 2巻 / 肋骨凹介(リイド社)

宇宙船が身近になった近未来。夫の遺骨を義母に届ける宇宙旅行の最中に自身の持つ「音声のによるハッキング技術」を狙う輩に付き纏われる主婦ソラ。絵柄はとっつきやすいけど、相変わらずSF成分濃いめでちょっと難しい。じんわりと物語が進行している感じだからまだ掴み切れていない部分は多々ある、気がする。


束の間の一花 3巻 / タダノなつ(講談社)

束の間の時間が終わってしまった。結末は分かっていても思っていた描き方とは少し違ってとても良かったです。あとがきページのイラストがとても好き。ドラマ化されてもおかしくない。


うるわしの宵の月 1~2巻 / やまもり三香(講談社)

その見た目と立ち振る舞いから「王子」と持て囃される女子高生・滝口宵。ヒロインではなくヒーローとして扱われることに複雑な感情を抱いていたある日、学校の「王子」として有名な市村先輩と知り合う。「王子×王子」が新鮮で読んでみたけど、面白かった。宵ちゃんの顔が良いからずっと読んででいられる。


花とくちづけ 1~3巻 / 七都サマコ(講談社)

家をなくした女子高生が華道家のイケメンに拾われ、同棲するタイプの少女漫画。少女漫画のイケメンは自己肯定感の塊すぎて「なんでそんなことできんの???」ってくらいグイグイ来るのが面白い、けど理解はできない。


白聖女と黒牧師 1~8巻 / 和武はざの(講談社)

とある教会に暮らす可愛いけどダラけ癖のある聖女さまと真面目で世話焼きだけど鈍感すぎる牧師さま。聖女さまがとにかく可愛いくて癒し。そして牧師さまがとてつもなく鈍感で、聖女さまからの好意にまるで全然気がつかない。巻を重ねる毎に進展するんだろうなと読み進めたら8巻目でやっと手を繋ぐところまで行った。個人的にはサブキャラクターがちょっと出しゃばりすぎかなという印象。でも二人だけだと話が一向に進みそうにないから必要ではある。


ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話 1~2巻 / 横田卓馬(講談社)

バカ真面目な風紀委員と素行は悪いがチョロいJKのラブ?コメ。紙の単行本がめちゃくちゃ薄くて「うっす!!!!」と思ったことが過去にある(1巻は129ページ)。でも読み応えは普通にあって面白かった。出てくる委員会の面々がもれなく全員キャラが濃い。


君のことが大大大大大好きな100人の彼女 2~3巻 / 中村力斗・野澤ゆき子(集英社)

クール女子や実験大好き理系女子が続々と登場してきて、賑やかになって来たなと思っていたらまさかの彼女(最初の彼女・羽香里)の母親まで彼女になってしまって笑った。ギャグマンガだから「そういうこと」は特にないんだろうけど流石にちょっと気が引ける。これはもしかしたら100人中70人くらいはモブが彼女になるパターンもあり得そうだけどどうなんだろう。


かげきしょうじょ!! 2巻 / 斉木久美子(白泉社)

夏休み。浅草の実家に帰省したさらさと愛ちゃん。さらさの幼馴染の歌舞伎役者・暁也くんとさらさの過去が描かれていた。アニメ(9話まで)も原作もまだいまいちさらさのキャラクターを好きになれないんだよな。人間味がないというか。


婚姻届けに判を捺しただけですが 1~2巻 / 有生青春(祥伝社)

仕事大好きな独身27歳の主人公・明葉の前に突然降って湧いた結婚話。相手はついさっき出会ったばかりの柊という出版社の会社員。この男、自分の兄嫁への恋心をカモフラージュするために「既婚者」の肩書きが欲しいらしい。
体感だけど、最近偽装結婚系の話多い気がする。


グヤバノ・ホリデー / panpanya(白泉社)

偶然出会った「グヤバノ」という果物を求めてフィリピンへと旅行する表題作「グヤバノ・ホリデー」。こういう些細でどうでもいい動機で旅行するのも楽しそうだ。でも考えてみれば旅行の動機って些細なものでしかないのかもしれない。行きたいから行くだけだし。早く気兼ねなく旅行へ行ける世の中になってほしいものです。


夜凪さんのよなよな餃子 1巻 / 勘米良優助(芳文社)

カウンターのみの小さな餃子居酒屋で振る舞われる変わり種餃子の数々。「好きな食べ物は?」と聞かれたら「餃子」と答えるくらいには餃子が大好物なので、もう読んでいてめちゃくちゃお腹空いた。早く気兼ねなく居酒屋に行ける世の中になってほしいものです。


フールナイト 2巻 / 安田佳澄(小学館)

霊花による連続殺人事件の特設捜査員に任命されたトーシロー。トーシロー自身の人生のタイムリミットもあるし、事件は謎だらけだし、この先の展開がどうなるのか。正直「人として生きるか、植物にとして生きるか」みたいな感じで依頼を解決していくような漫画になると思っていたからこの展開は予想外だった。

俺も将来は大事だと思うよ。
でもそれとおんなじくらい今も大事だと思う。


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