ニート生活記 31日目(最終日)

今日はこの一ヶ月で一番なにもしなかったように思う。耳や喉がかゆくていつもより早く起きた。夜中も断続的に起きてしまったからやけに意識が手元から遠いところにあった。
雨が降っていたから朝の散歩もしないまま夜中にやっていたU23の試合を見た。オリンピック出場決定のテロップは昭和のテレビの書体だった。なぜテレビは変わっていっているのにこういったお祝いみたいな時のテロップは昔ながらなのだろうかといつも思う。

それが終わってからはゴットたんを見たりオドぜひを見ていたりした。ずっと眠いから眠ろうかと思ったけど寝れずに、とりあえずコンビニへ行った。ついでにリサイクルショップに行って服をなぜか3着買った。
帰ってきてパソコンの前に座った。昨日少しだけ書いた続きを書いてみたが、全く進まない。3歩進んで2歩下がるどころではなく、3歩進んで10回に1回ぐらいは2歩下がるけど他の9回は3歩下がるぐらいだ。
なぁーッッ、と頭の中放ったりしてそのままフローリングに倒れてみたりシャドーボクシングをしてみたりしたけどなにも変わらない。気がついたらパソコンでアイドル番組を見ていた。それで日は暮れ始めた。

しかしここで私はすごい発見をした。クフ王のピラビッドを見つけた時の感動はこれに近いはずだ。それはいつもの餃子の王将にまつわることだ。
今日も相変わらずレバニラをテイクアウトして、家で白米だけ用意して食べた。いつも食べ終わったレバニラの容器を長いこと眺めている。それはこれから捨ててしまう残り汁が名残惜しいからだ。私はあの汁こそ王将の全ての技術が詰まっているように前から思っていた。本当はストローを刺して飲みたいまであるのだけれど、それは違うような気がした。
そして今日の私は一味違った。その残り汁を持って台所へ立った。料理の鉄人。
まずはフライパンにごま油を敷いた。それから残っていた白米を入れて、そのまま具が多少残っているレバニラの残り汁をぶち込んだ。一気に蒸発するような音を立てたまま少し炒めた。それから溶き卵をカンフーの動きで投入してまた炒めた。
卵が完全に焼けたぐらいで火を止めて皿に移して食べた。
クフ王のピラビッドでもあり、ツタンカーメンでもあった。中華料理屋のチャーハンだった。え、レバニラ一つ頼めば、チャーハンも食べれるじゃん、あっぱれあっぱれ、とかそんな陽気になったまますぐに完食した。皿洗いも余韻で軽快にこなした。

今日はレバニラの残り汁でチャーハンを発掘しただけの1日だった。続けるのが苦手な私にとって一ヶ月続けた自分をひとまず抱擁したい。特にこの日記で得られることもなかったが、それでいい。得られないことが良い時もたまにはあるし、旅でももちろんなにも得られなかった。
ただ日常の機微に気づき、面白いと思うことは少し増えた。知らない人とほんの少しだけコミュニケーションを取ってみようと思ったりもした。過ぎていく時間に恐れてしまうばかりではあるが、その一つ一つを切り取ればなんでもない大切なゆっくりとした瞬間がそこにはあった。はて、私はこれからどうなるのか。どうしていくのか。本当は4月中に次の仕事を決めるつもりと言っていたが、何も決まっていない。小説も一つ書くんだ!と意気込んだくせに、何も書けていない。成長といえばスマブラが強くなったぐらいだ。
とんでもない根無草でボンクラである。
可愛くて可哀想な自分を殺してやりたい、それは変わらず今年の抱負である。(今年の抱負は?って聞いてくる人は苦手ですが、)

そして、くだらないこの日記をたまにでも読んでくれた人がいるならば、私はその人たちの健康だけは常に祈っている。健康でいられますように、それだけが本当に祈りであり望みである。
また逢う日まで。

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