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大脳基底核の機能から考えるパーキンソン病

はじめまして、脳外臨床大学校の作業療法士の山本です。

このサイトでは、脳卒中のリハビリに関わる、
作業療法士・理学療法士・言語聴覚士に向けて
臨床で使えるのニューロリハビリと題して
脳の知識を臨床に使えるレベルに変換してお伝えしたいと思います。

*今回の有料内容は 脳外臨床大学校にて開催しました
90分間のZOOMセミナーの録画となっております。
YouTubeにて一部を公開していますので参考にしてください。

オンラインサロン 脳外臨床大学校では1980円〜毎月開催されるセミナーが
無料で視聴可能です。是非これを機にご入会ください。


パーキンソン病とは?

さて、まずみなさんはパーキンソン病と聞いて何を思い浮かべますか?

中脳にある黒質緻密部が変性・脱落するとともにレビー小体が出現することで、
ドーパミンという物質が減ることによって起こる病態である。


つまり、
・原因→黒質緻密部の変性と脱落
・伝達物質→ドーパミンの減少
・症状→無動・固縮・振戦・姿勢反射障害
が起こる病気です。

そのため、リハビリとしてはいかに、
①原因である黒質緻密部を改善または代償することで
②ドーパミンを増加させ
③症状を軽減するか?ということが問われています。

そこで今回は4兆候+自律神経症状が起こる原因と仕組みについて
お伝えしたいと思います。

神経伝達物質とは?

ちなみに、神経伝達物質が何かわからないという方は下記を参照してください。
簡単にいうと、神経から神経に情報を伝達するのが神経伝達物質です。
(詳しくは本編にて)

神経伝達物質とは?
神経伝達物質とホルモンの違いとは?

まず、パーキンソン病と大脳基底核がどのように関与しているか?
ここが気になります。

大脳基底核の役割とドーパミンの関係

大脳基底核の役割は『抑制』することです。
そして、この抑制が原因で起こる病気こそパーキンソン病です。


そして、この抑制を司っているのが基底核の間接経路です。
間接経路が働くことで、私たちは無駄な動きや関係のない動きを抑制し
その場に応じた適切な運動を行うことができます

ドーパミンは、基底核に働くわけですが
ドーパミンが増加すると
基底核の機能である抑制を弱めるこで運動を出現できます

ドーパミンが減少すると
基底核の機能である抑制を強めることで運動を制限します


ドーパミンがなくなると運動(無動)を出現することができなくなるため、
パーキンソン病の方にはドーパミンが必要と言われるわけです。

パーキンソン病と筋緊張異常

次は、パーキンソンの4兆候の一つでもある固縮について考えていきましょう
基底核は脳幹にある筋緊張を抑制する脚橋被蓋核を調整しています。

この脚橋被蓋核は働くと筋緊張低下させ、休むと筋緊張を亢進させます。
基底核は活動することで脚橋被蓋核の働きをコントロールしています。

では、ドーパミンが減少すると脚橋被蓋核の働きはどうなるのか?

基底核と脚橋被蓋核と筋緊張

答えは、ドーパミンが減少すると、脚橋被蓋核を抑制してしまい活動することができません。そのため、筋緊張を低下させることができず常に亢進した上を引き起こしてしまいます。この症状が固縮や姿勢反射障害を引き起こしてしまう原因なのです。

大脳基底核と振戦

最後の4兆候は振戦です。
振戦とは、手、頭、声帯、体幹、脚などの体の一部に起こる、不随意でリズミカルな震えのこと。振戦は、筋肉の収縮と弛緩が繰り返されたときに起る。
と言われています。

この振戦ですが、パーキンソン病の方が全て発症するか?というとそうではありません。振戦がある方は、パーキンソン病になられて長期の方に多くみられる症状です。

大脳基底核ないの神経伝達物質には興奮系のグルタミン酸と抑制系のGABAがあります。これをそれぞれ調整し合うことで基底核は『抑制』という機能をコントロールしています。

ここで問題となるのが、ドーパミンが減少すると常に間接経路が促通されてしまします。この状態が長期間続くと細胞の興奮が他者にまで影響を及ぼしてしまうことにあります。

そして、その影響を受けるのが淡蒼球の内節と外節です。
淡蒼球の外節は運動を抑制するのに対して
淡蒼球の内節は運動を起こすことに関係します。
つまり、この2つが同時に働くことで運動の抑制と興奮が起こり
震えとして出現してしまうのです。

ドーパミンと振戦

このように、パーキンソン病として一括りにして考えていた症状も
一つ一つ紐解いていくことで患者様の見方が変化してきます。

これ以外にも、パーキンソン病の認知機能や頻尿の原因や便秘のメカニズムにつても説明していますので是非有料記事をご購入の上動画を見ていただければと思います。

【講師紹介】
2006年   作業療法士 合格
同年  急性期病院に入職
2010年 河内脳外勉強会 立ち上げ
2012年 脳外臨床研究会 立ち上げ
2015年 脳外臨床研究会 会長就任
同年  デイサービス立ち上げ
2016年 脳PROセラピスト協会立ち上げ
同年  株式会社 脳PLUS 立ち上げ
    脳卒中専門リハビリステーション開設
2017年 リハピラティス協会 代表就任
2019年 脳外臨床大学校 eラーニング設立

<専門>
・脳卒中専門作業療法士
・脳画像からの機能予測・神経生理学
・目標設定・目標達成スキル
・人材育成・コミュニティーの作成

【関連】
・LINE オープンチャット「脳外臨床研究会&大学校」


・オンラインサロン 月額1980円より
「臨床と知識を繋ぐ 脳外臨床大学校」

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