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1話無料公開〜早期経口摂取をスタートするために必要な、bedsideでの「嚥下評価と頸部ポジショニング」の評価と治療展開〜セミナー動画・資料・セミナーレポート【サロンVIP会員無料】

<概要>

皆様は、脳卒中・肺炎などを発症され、経口摂取が開始できない嚥下障害の方を担当した場合に、どんな『嚥下評価』・『ポジショニング』をbedsideで考えますか?
・なぜ早期経口摂取を目指すのか?(必要な段階設定と構成要素について)
・咽頭・喉頭構造の解剖学的イメージと実際の臨床でのみかた
・嚥下反射のメカニズムと評価ポイント
 ①喉頭の位置と舌骨・甲状軟骨の触る意味
 ②嚥下反射の視診・触診
 ③誤嚥所見の臨床上での評価・判断ポイント
・頸部角度が嚥下機能に及ぼす影響について
・症例に応じた嚥下評価と頸部角度・ポジショニングの実践について

セミナーレポート

作成者:嚥下講師ST 柳本友紀子

《はじめに》
経口摂取をスタートするために、ベットサイドでの嚥下評価に応じた頸部のポジショニングについて伝えていく。基本動作をしていく前に食事をどう獲得していくか。P T、O Tでも摂食嚥下の評価ができれば、その人にあったポジショニングができ、一口でも多く食事をとれる。食事(栄養)をとることで脳浮腫の改善に繋がり、運動するときの筋肉にも栄養が必要。

《患者さん動画供覧》
リクライニング車椅子やベットサイドでの介助摂取の動画供覧

《嚥下における頸部ポジショニングの役割って何?》 
●ポジショニング
●角度

●ポジショニングとは?
嚥下機能の効率性を向上させるために位置・姿勢を保持すること
嚥下反射・嚥下圧(舌筋)

●角度とは?
頸部角度を変えることで嚥下機能に応じた食塊の流れる場所・スピードを調整すること
① 流れる場所 どこに食塊を流すのか?
② スピード 食塊(ボーラス)が流れるスピードが変わる

《健常者の食事場面観察してみよう!!》
一般的には嚥下障害の患者さんに対して、頸部前屈(屈曲)位、chin down、顎から3−4横指、顎引き嚥下、健常者も本当にそうなっているか?
頸部前屈位の動きはそんなに感じない。
どの時に屈曲していたのか?どれくらいの軽度前屈位が必要なのか?
堅いものを食べたり、一口量多い時に軽度前屈位になる。

《臨床場面で見るbedsideでの食事介助場面を体験してみよう!!》
ギャッジアップ30度
何を食べるかを教えてもらって食べてるが皿の中に何が入っているかは見えない。どれくらいの量入れているかは口元にきた時にわかる、精神的圧迫感がある。頸部が動かしにくい
飲み込みにくい 。重力で食べ物が流れ込んでくる、自分が意図していない中で反射が起きる。
ギャッジアップ60度
頸の動き、眼の動きが30度の時とは大きく違う。食事を食べているなって感じがする。
頸部回旋や前屈の動きが出ている。反射も違和感感じずにできた。

《椅子座位で食事》
食事に対して、頸部のポジショニングを変えて取り込む(視覚・可動域)
嚥下反射時に頸部は「軽度屈曲」

《Bedsideでの嚥下》
口に食物を合わせる
嚥下反射時に頸部は「軽度伸展」

《嚥下機能の効率性を上げる「位置・姿勢」とは?》
「軽度屈曲位」
頸部を「軽度屈曲」の「位置」に定める
ではなく、
嚥下反射時に頸部が「軽度屈曲」
① 咽頭・喉頭の解剖学
② 嚥下とは?
③ 嚥下反射のメカニズム(口腔準備期〜咽頭期)

① 頭頸部の解剖について

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喉とは咽頭、喉頭を指す。
喉頭とは?
空気の通り道(気道)、甲状軟骨・喉頭蓋軟骨など6個の軟骨で
囲まれている気道の一部で中央部に声帯がある。
口頭には「発声」「誤嚥防止」「気道の確保」の役割。
咽頭とは?
鼻腔や口腔の奥にある管状の部分で喉頭や食道に繋がる。
咽頭は上咽頭、中咽頭、下咽頭に分けられる。
② 嚥下とは?
嚥下とは、食べ物を胃まで飲み込むこと
食べ物が喉頭に侵入するとむせが起こる
誤嚥とは声帯を超えて気管に入ってしまうこと

③ 咽頭期:嚥下反射のメカニズム>

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・喉頭挙上:舌骨上筋群→舌骨前上方へ→甲状舌骨筋収縮→喉頭挙上(甲状軟骨前上方へ)
甲状軟骨の後ろに喉頭がある
・食道入口部開大:甲状舌骨筋→輪状咽頭筋弛緩
・声帯閉鎖
・喉頭(前庭)閉鎖:喉頭蓋反転・咽頭挙上

<嚥下反射を見てみよう>
甲状軟骨の喉頭隆起を触診してから1横指上あたりに舌骨がある
舌骨は第3、4頸椎にある

《嚥下反射の中で「舌骨・甲状軟骨」をみる(触診)》
① 舌骨・甲状軟骨の触知
② 舌骨の評価
③ 甲状軟骨の評価
<ポイント>
・前上方に上がる幅(強さ)
・スピード(効率性)
・タイミング→食形態による変化

《嚥下反射時になぜ「軽度屈曲」するのか?》
① 頭長筋・頸長筋や舌骨上下筋群の活動↑
後頭下筋群の活動↓
頸部伸筋群が短くなり緩められない人が多い
② 頸部前面筋(嚥下関連筋群)が効率よく働く
筋の張力=筋の生体長
→嚥下反射での筋活動の効率性↑

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《頸部姿勢による嚥下筋群の張力変化》
円背(過進展)・円背(過屈曲)だと、頸部の位置変化により筋張力が低下する。
筋の生体長ではなくなることで嚥下筋群の出力低下し、嚥下圧障害や嚥下反射の遅延に繋がり、努力性嚥下や複数回嚥下が見られ口腔内残渣も増加する。

《頭部の屈曲をどう出せるかがポイント》
頭部屈曲による咽頭内腔の圧変化について
① 舌根・咽頭後壁間距離
② 喉頭蓋後頭面中間点。ヒレつぶかん距離
咽頭喉頭内腔の距離を狭くすることで嚥下圧を高める!!

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頭頸部屈曲による前傾座位での喉頭蓋谷の変化
→喉頭蓋と舌が離れて食材を安全な場所(喉頭蓋谷)にとどめられる
→ギャッジアップ60度以上だと咽頭前壁を流れ喉頭蓋谷に食塊が貯留

*ギャッジアップ0−60度
→咽頭後壁を流れる、梨状陥凹に食塊が貯留

《Bedsideでの食事介助についての考え方》
食事に対して頸部を合わせてこられるか、嚥下反射時に頸部屈曲を促せるか
食事介助で上肢の介助しながら頸部を合わせてこられるか

《頭部・頸部治療について》
頭部:環椎後頭関節・環軸関節、後頭下筋群
頸椎:椎間関節

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環椎後頭関節は楕円関節が左右にある。
丸いボールがあるような感じで動かす。
C1の上に回ってくる感じで動かす・
環軸関節は回旋。
3つの関節からなっている。
正中環軸関節:車軸関節
左右の外側面環軸関節:平面関節(スライドする)

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第2から7頸椎の解剖・運動学
頸椎は前後屈、左右回旋、左右側屈の6方向に運動方向を持っている。

《評価・治療のポイント》
*後頭下筋群(頭蓋骨・環椎・軸椎)と板状筋・半棘筋(第2―7頸椎)は柔軟性つまり長さが重要。
*頸部前面筋:頭長筋・頸長筋(ディープフロント)、舌骨上下筋群は活動を促す。

頭部を触ることはパーソナルスペース。緊張が入らないような頭部の持ち方を心がける。
C7を触り、後頭隆起を触り、C2を触診。
環椎後頭関節、球状のものを動かすイメージ。
動きに伴って頭長筋・頸長筋など頸部前面筋の収縮が出てくる。

後頭下筋群に手をかけて動かせるか、長さがあるか。左右差や回旋はどうか。

腹圧がしっかり入った中で頸部が動かせるかが大切。
胸郭がしっかり下げられて横隔膜が働くか。

頭上げる時に顎から上げる人は胸鎖乳突筋が働いてしまう。
頭部屈曲ができることが必要!!

《頸部角度》
頸部角度を変えることで嚥下機能に応じた食塊の流れる場所・スピードを調整すること

嚥下障害に対して、角度設定ってどのように評価・介入していますか?

臨床で見るべき頸部角度について
ギャッチアップ角度で表記させることが多い。
喉頭咽頭がどうゆう角度なのか。
耳の穴、喉頭の位置がどこにあるのか。
頸部の角度の基準を共有することが重要!!

回旋、側屈での食塊の流れについて
左麻痺で左側屈の患者さんは麻痺側へ流れる。
右回旋すると右の梨状陥凹が狭小化(下咽頭コントロール)。

《まとめ》
早期経口摂取をスタートする為に必要な頸部ポジショニングの評価・治療展開
●ポジショニング
嚥下機能の効率性を向上させる為に位置・姿勢を保持すること
嚥下反射時の頭部軽度屈曲の理解(頭部屈曲可動域)
嚥下反射での嚥下関連筋活動の効率性↑
咽頭喉頭内腔の距離を狭くする→嚥下圧を高める

●角度
頸部角度を変えることで嚥下機能に応じた食塊の流れる場所・スピード調整すること
① スペース→食塊が流れるスペース(前屈・側屈・回旋)
② スピード→食塊の流れるスピード(角度)

《質問time》
質問①
臨床場面でギャッジアップ60度設定となっていても、寝ている位置がずれていることが多く、実際はギャッジアップ45度くらい、ギャッジアップの角度で設定するのでしょうか?
答え①
ずれている原因が何なのかの追求?食事場面であれば頸部角度に応じたジャッジアップを設定すべき。

質問②
頸部を固定する段階と頸部を持っていく段階はどのように分けていますか?
答え②
頸部を持っていける角度があるなら初期から持っていく。食事の直接訓練も頸部の可動域訓練になってくる。

質問③
臨床で退行変性がネックになることが多いです。特にフォワードヘッド、円背は頸部への運動連鎖も殺されてしまうかと思います。そのような方にはどう介入するのか?
答え③
頸部の可動域を改善することによって反射や圧がどう改善するかを見ている。
嚥下の評価スキルを上げると頸部の可動域がよかったかの効果判定ができる。

質問④
患者さんの食事介助動画での評価、変化を教えて欲しい。
答え④
頸部角度を軽度屈曲位に誘導したとたんに反射が出る。
ギャッジアップ45度だとどうしても頸部は伸展していく
ベットサイドで食べること自体が伸展位での反射になってしまう。嚥下反射時の頭頸部を
持っていけるかどうかがポイントになる。

質問⑤
V Eの画像で喉頭蓋をこえて喉頭侵入しそうな画像があり、なぜ左右に別れずそのようなことが起こったのか?
答え⑤
90度座位での検査であり、上から重力で落ちていくから。
角度を変えるか、とろみをつけることで食塊が流れる場所が変わってくる。

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