
廃用症候群の治療はなぜ難しいのか?
本日も「臨床BATON」にお越しいただきありがとうございます!
277日目を担当します、ミッキーです。よろしくお願いします。
12月になり、今年もあと20日余りとなりましたね。
これまでなかなかできなかったこともありますが今年が終わるまでにやっておきたいと思っています!今年にやれることは今年にやっておきましょう!
〇はじめに
生活期の病院で働いていると廃用症候群の患者様にリハビリすることも多くあります。
その中で、改善することの難しさを感じてきました。
時にはリハビリを行っても亡くなってしまう患者様もいます。
そのため、廃用症候群を治すことの難しさについて今回は書いていきたいと思います。
〇廃用症候群とは
廃用症候群とは長期臥床などで活動しなかったり、ギプスそのほかで固定されて動かせなかったことで生ずる合併症である。筋萎縮、関節拘縮、骨萎縮、心肺機能や消化機能の低下などの身体的低下とともに知的・精神機能の低下なども認められることがあると定義され、
「安静の害」を示す二次的障害の総称である。
〇どんな症状が、なぜ起こるのか
その原因や症状は以下の表に示すものなどがあります。
骨や筋肉、関節などだけでなく、心肺機能や消化器機能、心理機能など全身の機能に及びます。

*これは症状の一例であって文献によっては様々な分類があります。
以下に主な廃用症候群による機能低下とその程度を述べていきます。
1.骨格筋の萎縮
骨格筋の萎縮では安静臥床によるものと、固定による廃用性の筋萎縮が多いですが
全く筋収縮させなければ筋力は1日に1.3~3%程度低下する。
とあります。
高齢者は加齢による筋力低下があるため、より不動による筋力低下の影響を受けやすくなります。
2.関節拘縮
関節可動域に対する悪影響として

というものがあり、固定期間が長いほど回復に時間がかかることがわかります。
3.骨萎縮
長期臥床によって1週間に1~2%、数カ月で10~20%の骨量が消失する。
4.体力の低下
上記の表にはありませんが、長期臥床による体力の低下・易疲労性も廃用症候群においては重要です。
最大酸素摂取量で表した体力は臥床安静で1日当たり約0.9%低下することが知られている。
最大酸素摂取量とは漸増運動で測定された酸素消費の最大量のこと。通常は、モーター付のトレッドミルで計測される。最大酸素摂取量は有酸素運動能力を反映し、長時間の最大限下の運動持久力を決める重要な要素である。
これらのことからも安静臥床により、様々な機能低下が起こることがわかります。
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