効率的な寝返りって?〜ママセラピストが考える発達過程と臨床のつながりPart3〜
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効率的な寝返りって?〜ママセラピストが考える発達過程と臨床のつながりPart3〜

Peekaboo!
本日も「臨床BATON」にお越しいただきありがとうございます✨47日目担当の堀井結賀です(^o^)💓

はじめに

前回は肩甲骨に対してのお話をさせていただきました。ここでもヘッドコントロールはやはり大事になってくることがわかりました。

【前回の記事はこちら🔽】
https://note.com/nougeblog/n/nec55b47da15d

では今後どのように発達していくのか?そう♫お次は寝返りの獲得です👶


我が子もめっちゃ必死に寝返ろうとしていた時期がありましたが、なかなか寝返ることが出来ず「うぅ〜〜〜〜〜!」って唸ってました😂笑

なんで寝返りが出来なかったんだろう?って考えた時に、
❒対側への上肢リーチが無いこと
❒体幹の回旋がなかなかできなかったこと
❒重心移動が行えていないこと
などなど挙がってくるのかなと思っています。

でも!寝返りって人によって異なるし、何パターンもあると思うのですが大きく2つにわけられるのではないかなと。
それが、屈曲回旋パターン伸展回旋パターンとなるわけです✨

私達はベッドから起き上がるとなると座位をとるので、屈曲回旋パターンを使った寝返りを行ったほうが効率よく動作遂行可能となりますよね。

子供はどう寝返ったと思いますか?

初めての寝返りは伸展回旋パターンでした😳❗(下記図は引用1))

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あれ?これって脳卒中患者様と似てない?めちゃめちゃ効率悪そうだし力要りそうだなって思いながら見てました。ということで今回は【寝返る側への上肢リーチを伴った寝返り動作】について一緒に考えていきたいと思います(*^^*)🎶

寝返りの屈曲回旋パターンと伸展回旋パターンについて

上記にもあるように、寝返りからの起き上がり動作に繋げるには屈曲回旋パターンの寝返りを獲得したほうが効率よく生活できるのかなと思います。ではどんな動作で構成されているか見てみましょう👀

屈曲回旋パターンとは、
❒頭部屈曲・回旋運動より開始
❒回旋運動は頭部〜尾側方向へ波及していく
❒上肢が寝返る方向へリーチされる
❒頭頸部・体幹は中間位、または屈曲位の状態で終了

次に、伸展回旋パターンです。臨床でもよく見かけませんか?下肢で床面を押して、骨盤帯を強引に突き出すように寝返る方向へ動かす。でも頭部や上部体幹は後方に残したままなので上手く寝返ることが出来ず介助が必要になる…なんてことを臨床において多々遭遇したことがあるのではないでしょうか?

伸展回旋パターンの寝返りとは、
❒床面を足で押し付けて寝返る方向へ回転させる力を生む
❒回旋運動は尾側〜頭側方向へ波及していく
❒頭頸部・体幹が伸展位となり終了

実際の発達過程を見ているとこんな感じでした。(下図引用1))1番はじめに行った寝返りなんてまさにこんな風で、頭部が残ったまま体を反って寝返りをしていました。すっごい時間もかかってたし、これってかなり非効率的じゃないですか?

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でも発達が進むにつれて寝返り動作も変化していくんですよ。教えてないのに😁これも運動学習なんですかね?面白いなと思いました。

物で釣る😂笑(下図引用1))
ではなく目的動作になるのかな?ぼんやりと視界に入るなにかに手を伸ばすと、あれ?勝手に寝返りができちゃった!みたいな。

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2つを比較してみても、日常生活を快適に過ごすためには屈曲回旋パターンの寝返りを獲得することが大切になってくるのかなと思いませんか?だって非効率的な動作をずっとしていたら疲れて動きたくなくなっちゃいますもんね(;・∀・)

屈曲回旋パターンの寝返りに必要な要素は?

ということで、ここからは屈曲回旋パターンの寝返りについて紐解いていきましょう!

今までの復習になりますね。

ここで重要になってくるのがヘッドコントロールです!初回の記事でも書かせていただきましたが、動作に先行して頭頸部の運動が起きます。その時大事になってくる筋の1つに頸長筋がありましたよね☺🎶

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頭頸部が少し屈曲することで腹部の緊張が高まり、寝返りなどの動作開始の準備が出来始めます。

その後、寝返り側への上肢リーチ・肩甲骨前方突出が重要になってきます。ここでも前回の記事が繋がってきますね〜😁!肩甲骨を安定させておく筋肉は何でしたか?

うんうん!前鋸筋と僧帽筋中部繊維でしたよね💓

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この筋肉が胸郭上で肩甲骨を安定させるために必要な筋肉になってきます。

そしてここで最初にお話した【寝返る側への上肢リーチを伴った寝返り動作】を行う際に大事になってくるのが肩甲骨の前方突出です。(下図引用2))

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上記図のように上肢リーチ側(図の場合では右側)は寝返り動作において肩甲骨が前方突出できなければ上肢の重みを用いての重心移動が困難になるため上部体幹の回旋は出現しないため寝返ることができません。

さらに、反対側の肩甲骨の前方突出も実は大きなポイントになります。

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側臥位になるにつれて、対側の肩甲骨前方突出が出来ていないと寝返り動作の妨げになる場合もあるので是非チェックしてみてくださいね(^○^)

また寝返る側への上肢リーチは対側への動きとして重要になってきます。(これはボデイーイメージも関わってくると思いますが、話すと長くなるので割愛します😺)

先程書いたように「物で釣る」ではありませんが、目的物に手を伸ばすことで距離が決定し収縮の刺激が入ります。
その際に、寝返る側へどんどん重心移動する要素がでてくるので同時に上部体幹の回旋運動が出現します。

例えば、寝返る方向に目標物を置くと「目で捉え」「あれに触りたい」という刺激が脳に入りますので、「方向」と「距離」が設定できます😊
臨床において「目標物を設置する」ということは動作を遂行する際に、無意識的にほしい動作が出現する手助けになる場面が多くみられます!

寝返りはじめたばかりの我が子や脳卒中患者様のように上肢リーチ動作が困難な場合は、頭頸部や上部体幹が後方に残ってしまうため伸展回旋パターンの寝返りになっちゃうのかなってまとめていて思いました。

この伸展回旋パターンでしか寝返りが出来ていないと座位保持の姿勢や歩行にも影響がでてくるのではないかなと思います😌

なぜかというと、重心移動が出来ないからです❗重心移動が出来ないということは座位保持でも麻痺側への重心移動が行えていないイメージが個人的には多くあります。

また上部体幹回旋が出現しないということは、歩行の際に体幹の回旋がでなさそうなイメージではないですか?上肢のリーチが出ないとなると歩行時の上肢の振りもでなさそうじゃないですか?

上記のように、実は寝返りと歩行は関係してくることが沢山あるんですよ(^^)♫とういうことで歩行観察と同時に寝返り動作もチェックしてみても視点が広がり思考過程が変わってくるかもしれませんね😄🌿

次回は体幹の回旋についてお話してみようかな(^o^)💓

上記を踏まえて、評価はどうする?

屈曲回旋パターンの寝返りはなんとなくわかった!でもどう見ればいいの?
寝返り動作で屈曲回旋パターンの要素を見る要素を一緒に確認してみましょう✨

❒頸部と眼球の可動性は?(眼球の話は10月頃していきますね👀)
❒随意運動は可能なのか?
❒肩甲骨の前方突出は可能か?
⇒困難であれば徒手的に肩甲骨の前方突出は可能なのか?(筋緊張の要因か否か)
⇒反対側の前方突出はどうか?
❒前鋸筋と僧帽筋の筋収縮はどうか?肩甲骨の安定性は?
❒上腕二頭筋・上腕三頭筋の筋収縮は?筋緊張は?
❒上部体幹回旋可動域はどうか?
⇒分離運動は可能か?固定されるべき場所が動いてないか?
❒重心移動は可能か(寝返り時にみてもいいし、座位や立位から思考展開してもOK)

まだまだ見る視点が沢山ありますが、今回のお話ではこれくらいの評価内容になるかなと思います。

治療は?

脳卒中の方は多くの方が、非麻痺側へ寝返りそこから起き上がり、座位に移行しますよね?
ということは麻痺側上肢の随意運動、それも対側方向への動きを出していかなければなりません。それと同時に上部体幹回旋も促していくことが必要です。その時、固定する部分はしっかり固定できていなければ(つまり分離運動)回旋動作はうまれないと考えています。

「つまり分離運動って…?」という声が聞こえてきそうですね😁笑

この分離運動というのは、支持側(安定性)のもとで、リーチ側の運動性があるということが1つ。
もう1つは上部体幹と下部体幹の分離運動にも繋がるということです。

以下が寝返り動作で屈曲回旋パターンを出す要素としての治療として考えられることになります。

❒肩甲骨の前方突出を促しながら、肘伸展方向・手関節背屈・手指伸展動作をしながら対側方向への上肢リーチ動作(背臥位から側臥位へ)
❒下部体幹固定しての上部体幹の回旋運動(側臥位で)
❒目的物をおいてそこにめがけてのリーチ動作(側臥位にて実施)
⇒このとき分離運動がしっかりできているかは大事。

考えるともっともっと沢山ありますが、まず大事にしているのがこの3つです🍀

本日のまとめ

①寝返り動作には屈曲回旋パターンと伸展回旋パターンがある。
②屈曲回旋パターンの寝返り
③伸展回旋パターンの寝返り
④ヘッドコントロール、肩甲骨の安定性、肩甲骨の前方突出、上部体幹回旋が大事
⑤評価:
❒頸部と眼球の可動性は?
❒随意運動は可能なのか?
❒肩甲骨の前方突出は可能か?
❒前鋸筋と僧帽筋の筋収縮は?肩甲骨の安定性は?
❒上腕二頭筋・上腕三頭筋の筋収縮は?筋緊張は?
❒上部体幹回旋可動域はどうか?
❒重心移動は可能か
⑥治療:
❒肩甲骨の前方突出を促しながら、肘伸展方向・手関節背屈・手指伸展動作をしながら対側方向への上肢リーチ動作(背臥位から側臥位へ)
❒下部体幹固定しての上部体幹の回旋運動(側臥位で)
❒目的物をおいてそこにめがけてのリーチ動作(側臥位にて実施)

終わりに


いかがでしたか😊?寝返りも何パターンもあるしなかなか考えることが多いですが、まずはこの2つのパターンから考えてみることで思考が整理し、応用に繋がっていくのかなと思います🎶明日からの臨床に是非使ってみてください。

ではでは!今日はこの辺で。最後までお読みいただきありがとうございました♥

明日は脳PRO5期生、真面目一筋!清水啓史です✦病棟内の移動を自立する時、どんな評価をされますか?看護師さんに伝える時どうしますか?どんな項目が可能になれば自立になるんだろう…って悩みませんか?是非、明日のblogも楽しみにしていてくださいね✨

臨床BATONどうぞ(^O^)/

【参考文献】
1)著:山本尚樹 乳児期における寝返り動作獲得過程の縦断的観察 
         発達心理学研究2011.第22巻.第3号.261-273
2)著:石井慎一郎 動作分析臨床活用講座 
          バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践




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