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ボバースアプローチ編:上肢の評価/治療【Activity:道具を使った麻痺手のアプローチ】

お疲れ様です。はらリハです。

セラピスト向けの投稿です。

本日は…
ボバースアプローチから考える麻痺側手のアプローチ:お手玉からスプーン操作」を題名にお話ししたいと思います!

はじめに

ボバースや環境適応など、徒手的な誘導から患者様の動きを改善させていく手技では、視診での動作分析、徒手的な誘導に伴う姿勢や筋活動の変化を捉えるで治療仮説を組み立て、治療を展開します。

一例をもとに…

1)視診での動作分析
2)徒手的な誘導から得られる評価
3)評価から得られる情報での仮説
4)訓練の組み立て

基本的にはこの流れで羅列していこうかなと、思います。

1)Activityとは?

道具を使う活動では「知覚情報」が連続的に入力/表出されることで、手と環境の連続した相互作用が伴う結果、手の反応が得られやすいことが特徴です。

例えば、着替えの際に、手の動きに対して布の張りを感じれられていないと、上手く裾から肩へ衣類を通すことができなかったり、食事でお椀を持っている手でお椀の中身の重さを感じながらもう片方の手で食べ物をすくう時にお椀の傾きや、重さの免荷、スプーンで押す力に対してお椀を持つ力の調節など、手から得られる知覚情報を絶えず変化させることが、作業をする上で重要になります。

そこを考えると、上肢の治療では「Activity」と呼ばれる道具を使った評価/治療は有効と考えられます。

そこを踏まえて、手の治療の臨床を紹介していきます。

2)スプーンを使った評価/治療

スプーン操作の観察

左手でお手玉が入ったお椀、右手はスプーンを持ち、お椀からお手玉を取り出す課題を提示する。

左手は机上に対して下方に押し付けるような固定と、
スプーンを持つ右手は橈側方向に引き込むように操作することが特徴としてみられた。

本来は、お手玉に対して質量中心を指先で検知して、3指摘みからDIPが自由に動き、母指で方向を調節しながら操作することが望ましいが、本症例では、橈側の引き込みから正常動作と比較して逸脱した場面がみられた。

難易度1)お手玉を握り課題

スプーン操作の中で質量中心の検知は難易度が高いため、まずは両手でお手玉を持てるだけ持つ、片手でお手玉を持てるだけ持つ動きを提示する。

片手の動作では、質量中心の検知ができなければ多くのお手玉を持てず、手指の外転、お手玉に対して母指が外転から包み込むような要素が必要になる。

母指だけでなく、MPの動きから手掌が広く/大きく使えるようになる。

難易度2)スプーンでお手玉を転がす課題

手内在部で握らせず、指先で操作させることを意識させて、机上のお手玉を外側から内側へ転がしながら移動させる。

この時、お手玉の質量中心の下まで行ってから移動させることが重要、スコップのような使い方。

難易度3)お椀からお手玉を取り出す課題

左手でお椀をもち、右手でスプーンをもち、お椀からお手玉を1つずつ取り出す。

この時、お手玉の質量中心をスプーンを伝って指先で知覚することは重要である。

その質量中心で加わる力を左でのお椀で知覚し、その動きに合わせた左手の動きがさらに求められるとより効果のある治療となる。

おわりに

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