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焼きリンゴとばあちゃん


祖母は優しい。

優子、という名前がぴったりだ。

幼い頃、祖母の家で過ごすことが多かった。

料理番組で観た、「焼きりんご」を作った。

確か、シナモンと砂糖をまぶして焼くレシピだったと思う。

ハイカラなおやつを作ってくれるおばあちゃん。

一緒にボール遊びをした。

チーズネギと鰹節のおにぎりが美味しかった。

卵焼きは甘かった。

りんごジュースを搾ってくれた。
たまに人参も入れてた。


スモモの氷やジュースが美味しかった。

紫蘇ジュースが美味しかった。

折り紙が難しくて、悔しくて癇癪を起こした私を怒らず見守ってくれた。


お泊まりする時、同じタオルが使いたくてわがままを言った。
度が過ぎて、叩かれた。
私が悪い。笑


多分、頼まれてアダルトビデオのダビングしていて、私に見せてはいけないと、家に慌てて帰ってきた。

バイクに乗ってお墓に行っていた。

一緒に絵を描いてくれた。
お花の描き方が素敵で真似をした。


ばあちゃんは人を悪く言わない。
母の事さえも
「あの人はすごいよお、偉い。立派。」
と言っている。


絶対に否定しないばあちゃん。

優しさってなんだろうって、
大人になってよく考える。

ばあちゃんの優しさは、絶対的な許容だった。

「さおりちゃん、あなたは偉い」
褒めてくれるのは、いつもばあちゃんだ。

ずっとずっと元気でいてほしい、
「もう先は短いもの」
ばあちゃんのそういう
執着しないところも好きだ。

ばあちゃん、ばあちゃん。
私、ばあちゃんみたいになるよ。

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