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「昔は涼しかった」は本当だった!最高気温と日数で浮き彫りとなった、日本の灼熱化

明日も、関東の予想最高気温は39度です。
そんなことある?
まだ7月だが?
「今の夏は暑すぎる」という主張に対し、SNSでは「昔も暑かった」「思い出が美化されているせい」とコメントがついていることも。

本当に?

暑すぎるのはただの気のせいで、齢をとって暑さに耐性がなくなったとでもいうのか。
いやいやいやいや、そんなわけない、と思って調べたら結論、やはり異常なほど夏が熱くなっていたのでご報告です。

※2024年7月28日時点
※埼玉県の気温を集計しました
※この記事では「昔=1994年、今=2023年」とします

「昔より2度高い」では、納得いかない

検索で調べると、昔と今を平均気温で比較している記事がありました。
確かに平均気温は上がっているだろうと思い、私も気象庁のデータから調べてみました。
関東のベッドタウン、埼玉県さいたま市の最高気温の平均を見てみます。
1994年:20.2度
2023年:22.5度
こうしてみると、最高気温は平均で2.3度上がっています。
確かに、平均が2度も上がるのはかなりの温暖化ですが、数字で見るとインパクトがない…
ここ数年の暑さは「2度」どころではないよな…
だって明日の予想最高気温が39度ですよ?
昔はそんな気温、見たことも想像したこともなかったと思います。


最高気温と、その日数で30年前と比較してみた

あまりに納得いかないので、最高気温の回数で調べました。
年ごとに、最高気温が〇度を超えた回数を集計しています。
例えば1994年は最高気温30度以上の日が44回、そのうち、37度以上を記録したのが2回、というような見方です。
最高気温が35度以上の数字に濃淡をつけて色付けしてみました。

グラフを見た感じ、下の方(2020年以降)が黄色が多く濃くなっています。
これを見るだけでも、近年急激に暑くなっているのがわかります。
2024年はまだ、7月27日までのデータしかありませんが、2023年なみに暑くくなりそう。

ちなみに、1994年は当時の観測史上最高の猛暑と呼ばれてました。
2023年の現在と比較すると全然涼しい…。

最高気温38度以上を観測するようになったのは、2018年から

グラフをみると、1990年代は37度をこえることなんて片手で数えるくらい。
「気温38度」なんていう数字はめったに出てきませんでした。

38度ごえ最高気温が常連になってきたのは2018年からです。
本当にここ5年くらいの話ですね。
昔は涼しかったんです!


2023年の最高気温35度以上の日数は、なんと30年前の3倍以上!

最高気温35度以上は猛暑日と言います。
暑いですよね。
昔から猛暑の日はありましたが、2020年代からはその日数が大幅に違います。
最高気温が35度以上の日は…
1994年:11日間
2023年:35日間(3.18倍)

私が子供のころは「8月前半が夏真っ盛りだな~!」という感じで、お盆開けたら少しづつ涼しくなっていたような気がします。
しかし2023年は、日数にすると1か月以上35度をこえており、猛暑日だらけです。


ちなみに、最高気温30度以上の日数は…
1994年:44日間
2023年:92日間(2.09倍)

2023年、約3ヶ月、まるまる真夏日(30度以上)です。そりゃ暑いよ…

昔は涼しかった!!!!(2回目)

ということで、単純に30年前の2~3倍は暑いです。
この過酷な夏を乗り切っている皆さん、お疲れ様…

夏の常識を変えていかないと

命の危険を感じる暑さの割に、私たちの夏の生活はあまり変化していないように思います。

もちろん、各家庭での冷房やクーリングなどの対策が必要ですが、公的な機関にも、もっと危機感を持ってほしいと、改めて感じました。

自治体や政府からは、熱中症予防の呼びかけがあるのみで、具体的な対策や変化は聞こえてきません。
これだけ暑さが増している中、「熱中症に気をつけよう」だけでは不十分だと感じます。

子供達は猛暑の中重い荷物を背負って30分歩いて登下校するし、未だに体育館にもクーラーがつきません。校庭に日よけもつかず、プール授業も未だに屋外のまま。
しかもプールは気温が高すぎると実施できないのです。
運動会の日程をずらしたり、などの、学校レベルでできる取り組みは少しずつ進んでいるようですが、大きな機関として子供たちをちゃんと守ってほしいですね。
高校野球をはじめとした夏の大会もなかなか日程が変更できていないようです。夏祭りや花火大会も、開催時期を検討してほしいな~…
そういうのは、政府から方針や号令がでないと、なかなか一斉に変化できなかったりするんですよね。

街中やバス停、駅に公的にクーリングスポットが必要だし、屋外公園だけでは子供が過ごす場所がありません。
役所の開放やクーリングスポットの協賛企業募集だけでなく、簡易的な休憩スポットを作ってほしい。

また、猛暑日は不要な外出を控えられるように呼び掛けたり、夏のイベント日程の再考を指示してほしいと感じました。
通勤通学もそうです。35度を超えたら、在宅できる人は在宅を、と呼び掛けてほしい。
通勤中に具合が悪くなってしまい、そのための電車遅延でまた急病人がでて…と連鎖的に病人が発生することも多いようですので…。


昔は涼しかった。
もっと夏は過ごしやすかった。

今、この灼熱の夏をどうにかこうにか、私たちは乗り切っていかねばならない。

データ参考:気象庁
※記事内グラフの無断転載はお断りします。


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