生理中、子供と一緒にお風呂に入りたくない。その気持ちも大事にしていい。
子供たちへの性教育が不十分であることを、実感する。自分の幼少期を振り返っても、親になった今、子供と向き合っても感じる。
20数年ぶりにみた保健体育の教科書は「あ、学校ではこれだけしか性のことって教えないんだ」と驚いた。
「性教育=セックス=恥ずかしい=タブー」という思い込みで、何年生きてきただろうか。
性教育とはセックス、受精卵や第2次性徴のことだけでないということは、近年見直され始めているし、保護者の関心も高い。以前PTAで「性教育について」教育の専門家の講演を実施した際には、50名以上の席が保護者で即満員になった。
ジェンダーのこと、自分と、他者の身体や尊厳をどのように大切にするのか、避妊の知識から望まない妊娠があった際の対応法など、性について子供たちが知っておくべきことは山ほどある。
ネット上では、感度の高い親御さんが「生理のことを子供に話した」や、「自分が使っているナプキンを見せた」というようなエピソード。
私の周りでも、「自分の生理痛のことをきっかけに、なるべく隠さずに子供に伝えている」というママさんもいた。
子供たちに生理のことや相手を気遣うこと、異性の身体について教えられる親が増えるのは素晴らしいことだと思う。我が家の上の子はもう8歳。教えようにも、親の言うことに耳を貸さなくなる日は近いかもしれない。
と同時に、いざ自分が子供に性教育してみようとなると、抵抗があるのも正直なところだ。
自分が子供時代に親から教わった記憶はあまりない。上手に言えない。
私だって、子供たちに「あ、今ママは生理中だから、血が出るんだよ~」と、さらりとお風呂で言ってのけられればいいのにな、と思う。
照れずに気取らずに、セックスの話もできればいいのにな、と思う。
でも子供が赤ちゃんの頃から生理中に一緒にお風呂に入るのはなんとなく嫌だったし、初めてタンポンの紐をみた子供に「あ、ママ、うんちついてるよ」と言われたのは忘れられないし(笑)。
(私の名誉にかけて、タンポンにうんちがついていたわけではありません)
どうしても、私にとって経血やナプキンを他人に、いくら自分が産んだ子供でも、見せるのは恥ずかしいのだ。
一時期は、なぜ子供に対してこんなに恥ずかしいのだろう…せっかくいい教材として母親の自分がいるのになぜ…。と、ちょっとだけ悩んだりもした。
しかし今は、「私だって私を大事にしていいんだし、私が恥ずかしいことは無理しないで、いいか」と。
そこまで開き直れた。
自己を教材にしてスムーズに子供に教えられる親もあれば、どうしても恥ずかしさが消えない親もいるのだ。
ただ「生理は恥ずべきことだ」というように思ってほしくはないので、家庭内の日常会話でも生理のことを口にするようにしている。
「生理前だから少し気持ちの波がおかしいかも」
「すごく眠いし、お腹が痛いな。生理だからかな。我慢しないでお薬のむね」
「ママが生理だって、保育園の先生には言わないでほしいな。いけないことではないけれど、ママは言わないでほしいから」
こんな風に、少しずつ。
恥ずかしさの度合いは人それぞれ。私は私の気持ちを大事にしながら、子供たちに必要なことを伝えていきたいな、と思っている。
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