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サブウーファーを作った⑤

前回までで一通りサブウーファーとして音が鳴るところまでは持っていきました。ここから先は細々とした作業になります。

吸音材を入れた

前々回でチョロっと触れましたが、サブウーファーには仕上げに倍音やら定在波やらの対策に吸音材をどっさり入れるそうです。
私もそれに倣って吸音材を詰め詰めしました。入れたのはハンズで買ってきたホワイトキューオンです。
昔はグラスウールを使うことが多かったようですが、扱いが面倒で最近は敬遠されているそうです。
箱が大きいと接着したりタッカーで打ったりする必要がありますが、今回は狭いところに詰めていくだけなので特に固定はしておりません。
ぎゅうぎゅう詰めではないですが、隙間なく敷き詰めてやると素材自体の反発力でいい具合に固定されました。

表面の仕上げ処理

とりあえず組み上げただけでは、シナベニヤの明るい白と木口の合板感でいかにもお手製といった雰囲気が出ます。
多分表面にニスなりオイルなりを塗るだけでマシになると思いますが、せっかくなのでツキ板を貼ってからオイルフィニッシュすることにしました。
ツキ板はここで買ったケヤキ杢目です。ケヤキ杢目は木目の粗密かなりダイナミックに出ているので、ある程度大きな平面がないとその緩急が分かりにくくて勿体ないかなと思います。ですから一般的には木目の詰まった柾目のツキ板が安牌にはなるでしょう。

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↑ツキ板と試しに貼ってみた端材(オイルフィニッシュ済み)

ツキ板貼りの手順はいろんな所で解説されているのでそれを参考に、ボンドは普通の木工用ボンドを使いました。これと言って特別な作業はしませんでしたが、何点か反省点があります。

一点目、木口はツライチになるまで処理する。
ツキ板はわずかな段差でも浮いてベコベコするので、しっかりカンナ掛けするなりやすり掛けするなりする。大工用語では目違い払いと言うそうです。

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↑写真で見ると目立たないが天面に細かい凸凹が見える

二点目、木工用ボンドを塗るときは指で塗りムラを無くす。
波型ヘラ等々でも塗りムラは無くせるそうですが、素人には指が一番でした。
ヘラでボンドを伸ばしても絶対にボンドが盛り上がる部分が出てきます。この山はツキ板をアイロンで加熱して圧着した後も残ります。
さらにその上からサンディングすると、山の部分だけ削れて縞模様が出てしまいます。ボンドが乾く前に指で塗りムラを均しておくのが安全でした。

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↑ボンド塗布中のツキ板。かなりボンドを消費する。

三点目、アイロン掛けするときに当て布を用意する。
ボンドをアイロンの熱で融かして圧着するのですが、わずかな凹凸でボンドが冷める前にツキ板が浮いてしまうことがあります。
一通りアイロン掛けした後、ツキ板をまんべんなく手で押して、浮いている部分があったら(手を離したときにペリッという音がする)、そこをもう一度熱して冷めるまで布でしっかり押さえてやります。

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↑一通りツキ板を貼り終わったところ

ツキ板を貼り終えたら砥の粉で目留めして、ワトコオイル(ダークウォルナット)を塗っていきます。
特に導管が垂直に見えるような木目は、オイルをどんどん吸い込んで真っ黒に染まってしまいます。薄い色のオイルを使うか、目留めをしっかりしましょう。
ワトコオイルは3度塗りして600番の紙やすりで仕上げました。

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↑ワトコオイルを塗りたくる。一番楽しい工程。

最後に保護のために蜜蝋ワックスを塗ります。
ニスのようなツルツルテカテカ!という感じにはなりませんが、落ち着いた色合いで仕上がりました。
多分ニスを綺麗に塗り重ねる方が写真には映えます。ただニスは扱いが面倒らしく、その点オイルは多少雑に塗ってもムラが出ないので素人向きですね。

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↑出来上がり

完成した感想

やっぱりDIYは楽しいですね。
ちゃんと下調べして道具を揃えて丁寧に作業すれば、ちゃんとそれなりのものが出来上がるんだなと改めて実感しました。

音の方はまだセッティングを模索中ですが、とりあえず映画の迫力は大違いです。
擬音語でいうところの「ゴゴゴゴゴゴ……」って部分がちゃんと聞こえるというか、空間を感じられるような気がします。
なるほどホームシアターのセットに必ずサブウーファーが入っているのには理由があったんだなぁ……

サブウーファーで難しいのはクロスをどこに設定するかですね。
AVアンプだと専用のマイクが付属して音場補正を自動でやってくれるような機種もありますが、実際低音域は人の耳が鈍感なこともあって感覚頼みのセッティングは難しいです。
逆に適当に設定しても分からないのかも知れませんが。
将来的にはDSPを入れたうえで自動補正なんかも試してみたいと思います。

ビフォー・アフター

ビフォー
UMC202HD→チャンデバ→ SLA-1 →SC-E535(ツイーター)
            ↘CP500X→SC-E535(ウーファー)

アフター
UMC202HD→チャンデバ→ SLA-1 →SC-E535(2way)
            ↘CP500X→サブウーファー

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