「神様からひと言」を友だちに紹介するなら

ネットで売れ筋のランキングにあったのであらすじをチェックして購入しました。私は「考えさせられない」タイプの物語が好きでして、かつ自分が伝統的日本企業に勤めている会社員のせいか?昔ながらのサラリーマン小説が好きなのです。これが新進気鋭のITベンチャー勤務とかだったら、好んで読んだりはしなかったかもしれないですね。
なので、こちらの本は手に取りやすかったんです。

さて内容ですが、面白かったです!
(最初は登場人物の名前を覚えるのが大変でしたが最初だけ。)

主人公は合コン相手には困らない大企業の広告代理店に務めていたにもかかわらず、とある事情により中小企業の珠川食品に転職します。
転職先の珠川食品では、新商品のネーミング案を練るよう指示を受けて数か月必死で仕事に取り組みます。この珠川食品ですが「昭和か!」と突っ込みたくなるようなあるあるの企業だったのが、世襲ではあるものの突然就任した副社長により社内改革の雰囲気があり、主人公は採用面接で副社長から声をかけてもらえたことから、自分も改革のキーマンとして期待されていると思い込みます。そしてついに新商品のネーミング案を発表する会議に出席することになったのですが、お偉いさん方がいる中でまたもや一悶着起こし、そしてあることに失望します。

その結果、いわゆる追い出し部屋の「お客様相談室」への異動が内示され、辞めたいと思いつつも家賃支払い等の背に腹は代えられない事情により勤務を継続するうちに、同僚とのつながりややりがい・・・かどうかは不明ですがやめない何かを見つけて仕事を続けることになります。

こんな感じのあらすじなので、メインはお客様相談室の一員としてのアレコレエピソードとなるわけですが、実はお客様相談室は、会長からの特命で秘密裏に社内の悪を退治して…いたりはしません。

ごく普通というか現実的なお客様相談室での出来事が描かれています。詐欺まがいのクレームを申し立てるお客様に対する対処法やお客様相談室のトップシークレットと言われる常連さんのエピソードなど。まあその常連さんがかなりの重要人物なのですけど。

サラリーマン小説の定番にように、最終的には会社の悪事を成敗する感じにはなるものの、そこまで細かい描写はなくて、社内政治メインの話というよりは、登場人物達の揺れ動く心とか未来へ向かってどう行動していけば良いかとか、生きる上での応援ソング的なまとまりになっていたのではないかなあと思われます。もちろん主人公はハッピーエンドです。

私は細かいことが気になる質なので、「えっあの人の背景もうちょっと教えて欲しいんだけど」みたいな点はいくつかあるのですが、早く次が読みたいなという気持ちが強くてどんどんページをめくってしまいました。

ぜひ読んでみてね。

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