いつぞやのあなたを


アウトプットする時間がない。インプットする時間もない。
そんな働き方をするつもりもないのだが、出される指示がなかなか要領を得ないため仕方ない。

組織編成上の問題である。一朝一夕に解決できる問題ではない。
しかし、今年一年をこれで過ごさなければならない。それだけが確定してる。

やりたいことが山積みなのである。
そういえば4月から1冊も本が読めていない。

転職してすぐである。知識が少ないまま後輩を育てる立場になってしまった。
頼むからもっと色々できるベテランに懐いてくれやい後輩よ。

そういえばいつかの先輩も私と同じ立場だったか。
そういえばいつかの要領のいい大学の後輩もそんな立場だったか。

しかしながら、学生時代からあんなにもおしゃべりが下手だった私が、
いまや後輩たちに言葉を待望されている。
説明が上手いやら、説得力があるやら、また名言ですねやら。

実際に見合わぬ高評価なのである。
小さく丸まりながら布団に入りたい気分である。
穴があったら入りたいわけであるし、その上で柔らかいものに包まれたいのである。

根はダメなやつなのに、大変に頑張っておると、
私を後輩扱いしてくれる当時の先輩やら同級生やらに会いたいのである。

やっぱり今一度、大学時代までの僕を知る人たちに会いたいのである。
先輩ムーブやできる人扱いはもう懲り懲りなのである。

そんなふうに自分がいつぞやに会った人のことを思い出している。


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