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もっと幸せに働こう 持たざる者に贈る新しい仕事術 / MB

◆もっと幸せに働こう 持たざる者に贈る新しい仕事術  /  MB

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◆分かりやすさ:★★★★★
◆おすすめできるひと:20〜30代ビジネスマン
◆載っていること:ビジネスマインド、働き方について

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著名人、有名人が書いたビジネス書が並ぶ棚を見ていると、ふとこう思うことがあります。

「どうせ頭が良くて、特別な人だから、成功できたんだろうな」

みなさんも思ったことありませんか?
正直、私は頻繁に思います(笑。だからビジネス書は自分でもできそうな内容が書かれている本を選んで読みます。当たり前ですよね。自分に使えないテクニックばかり載っていてもまったく役に立たないのですから。もっと本を「読み込む力」がある人なら、特別なことが書かれた本からでも、自分にできるエッセンスを抽出して役に立てられるのでしょうが、私にはそんな力はありません。

「何かを持っている人」。才能とか、特別な能力とか、はたまたお金とか。そういうものがある人にはやはり憧れますよね。なぜかというと、自分には何も無いから。特別な才能もなく、知識もなく、お金もない。でも、失礼かもしれませんが、言ってしまえば、みんなそうなんじゃないでしょうか。特別な何かを持っている人なんて、きっと一握りでしょう。

この本の著者であるMBさんは、ファッションを基軸にしたビジネスを展開するビジネスマン。年商は億を超えていて、さらに、関連書籍の累計販売数は100万部を超えています。まさに「何かを持っている人」。成功者と言っていいでしょう。

でも、本書では、まずそれを大きく否定しています。さらに自分は「持たざる者」だと、繰り返し繰り返し説明しています。

・借金取りが押しかけるような家庭で育ったこと
・偏差値は並な地方国立大・経済学部で3年も留年したこと
・地方のアパレル企業でショップスタッフとして年収200万で働いていたこと
・資格は普通自動車免許しかないこと
・パニック障害持ち

この本は、こういった経歴を持つ「持たざる者」であるMBさんが、いったいどのようなメソッドや思考法を得て、幸せにたどり着いたかをまとめた本です。

「ふ〜ん、ちょっとくらい話を聞いても(読んでも)良いかな?」

と思った方は、この本を手にとってみることをオススメします。


①どういう人にオススメできるのか

といっても何が書かれているか知らなければ手に取りようがありませんよね。

主に書かれている内容は、ビジネスをする場合における考え方です。
特にこれからビジネスをはじめようとする人にオススメできる内容になっています。また、ビジネスで行き詰まっている人、うまくいっていない人にもオススメできるのではないでしょうか。

「持たざる者」状態の、ゼロ地点付近にいる人たちが、この本をもっとも役立てられそうです。

章の構成は以下のようになっていて、

・STAGE1  今の場所から動けない君たちへ
・STAGE2  固定観念から逃げ出そう
・STAGE3  ビジネスにおける目標とは何なのか
・STAGE4  知っておくべきテクニックがある
・STAGE5  いかに正しく、いかに効率よくビジネスをするか
・NEXT STAGE  ビジネスとは幸せをつくるためのツールである

それぞれ、MBさんが考えていると思われる、ビジネスの段階における思考法が載っています。STAGE1では、まだ動き出してない、具体的に考え始めてすらいない人たちに向けての内容が。STAGE2では、考えはじめた人に向けて。STAGE3では、考えて目標を定める段階の人に向けての内容がまとめられています。

ビジネスをはじめようと思っている人はもちろん、副業やビジネスというものを諦めている人、そもそも考えもしなかった人にとっても役に立つ内容になっています。

私の場合は、「どうせ自分なんて」と諦めていた人ですね(笑。おかげでちょっと勇気ができました。


②ドラッカー『マネジメント』の実践書!

MBさんはメルマガやYouTubeもやっていて、ちょっと見てみました。(そもそもYouTubeで本書の存在を知って購入しました)

それによるとMBさんはドラッカー信者のようですね。

ドラッカーとは、

ピーター・ファーディナンド・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker、ドイツ語名:ペーター・フェルディナント・ドルッカー 、1909年11月19日 - 2005年11月11日)は、オーストリア・ウィーン生まれのユダヤ系オーストリア人[1]経営学者。「現代経営学」あるいは「マネジメント」(management) の発明者。
Wikipedia / ピーター・ドラッカー より

『マネジメント』という書籍で有名な経営学者ですよね。

もしかしたら、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(岩崎夏海著)という書籍でドラッカーを知った方も多いのではないでしょうか。わたしも『もしドラ』で知りました。ちなみに『マネジメント』は持ってますけど、読んだことないです。。。

YouTubeの動画によると、MBさんは『マネジメント』を何回も読んでいて、その考え方を頭に染み込ませたとか。そんなMBさんがドラッカーのメソッドを使って成功したということから、本書はドラッカーの実践書とも言えるのかもしれませんね。

ドラッカーの『マネジメント』は、けっこう難しいので本を読み慣れていない人が手を出すのは難しいと思います。そこで、本書を入口としてまず読んでみるという使い方もできるのではないでしょうか。「『マネジメント』読もうかなあ、でも難しそうだし、そもそも古いしどうしようかなあ」と、悩んでいる人は、まずは本書を読んでみるのもアリかと思います。『もしドラッカー信者が『マネジメント』を使ってビジネスをやってみたら』というケースとして参考になるのではないでしょうか。


③持たざる者だから教えられる

上の小見出しは、本書の最後『好きなことをやれ〜あとがきにかえて』の一節を引用しました。

誰に教わるか、というのは実際のところとても重要な事柄だと思います。
多くの重要な知見を持っていても、上から目線で相手の立場に立っていなければ、教えることなんてままなりません。どんなに優れた考え方を持っていても、環境や素養に大きな開きがあり、教える相手の気持ちがわからなければ、これも同じように教えることなんてできません。相手の立場になって、気持ちを理解しようとするからこそ、人に教えるということができるのだと思います。

その点、本書は「持たざる者」であったMBさんだからこそ、同じ「持たざる者」である人たちの気持ちや環境を理解し、話が説得力を持って伝わってくるし、読者として素直に受け入れられるのだと思います。

文章もすごくわかりやすく書かれていますし、ページ数もそれほど多くない(269ページ)ので、ビジネス書初心者にオススメできます。

ちなみに、MBさんはファッション・アパレル界隈の人ですが、ファッション・アパレルに関する内容はまったくと言っていいほど出てきませんので、ファッションに疎い人でも大丈夫です!ビジネス100%!逆に、ファッション・アパレルの内容を期待した人にとっては、肩透かしかと思いますので、その点はご注意を。

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