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下戸がお酒の話をしていたら、いつの間にか本の話になっていた【#007】

 お酒を題材にした漫画が好きなのである。「もやしもん」とか(メインテーマは発酵とか菌だけど)、「神の雫」とか、「白熱日本酒教室」とか、さらにいえばほぼ確定でお酒を飲むシーンがでてくる「ふたりソロキャンプ」とか「ぐらんぶる」とかの飲酒シーンもけっこう好きだ。かなり無節操である。

 それなのに、悲しいことにわたしは下戸……。

 1口で頭痛がしてくるほどの明確な下戸であり、そういえば高校生の頃に授業でやったアルコールを皮膚に貼り付けて反応を見るテストでも真っ赤になった。注射を打つときもできればアルコールでの消毒は避けている。(別の薬品をお願いしている)

 こればっかりは体質なのだから仕方ないことなのだけれど、やはり飲めないと言うのは寂しいものだ。飲み会ではみんなのように騒げないし、送り迎えは確実にわたしになる。

 しかし、なぜわたしはお酒を題材とした作品や、飲酒シーンが好きなのだろう?

 それを少し考えてみた。

 基本的にわたしは好奇心が旺盛な性格で、割となんでもかんでも見たり調べたりする。そういうわたしにとって、長い“歴史”があり、幅広い“種類”があり、みんなが“楽しげ”にしているものが好きなのである。

 そう、これはお酒にぴったりと当てはまるのである。

「もやしもん」では発酵の世界の奥深さを、「神の雫」では歴史と種類を、「白熱日本酒教室」では知識を、そして「ふたりソロキャンプ」や「ぐらんぶる」では、楽しげな様子が、たっぷりと楽しめる。

 ほか、わたしの趣味としては読書がある。これはまさに先に述べた“歴史”、“種類”に当てはまるし、読んで楽しいし、読んでる人と話しているのも楽しい。
 あまりにも楽しすぎて、わたしは書店員になったほどである。
(書店員の社員の求人は少ないので、バイトで入社して登用で社員になった)

 そこでは同じような本が好きな人しかいない。“歴史”や“種類”を楽しんでいる人を“楽しむ”とことができるという、わたしにとってはまさに理想の職場だった。
(家庭とか病気とか、もろもろ事情があり退職しましたが、いまでも大好き)

 そういえば、職場で仲良くなったお客さんはみんなわたしと同じような気持ちを持っていた。本の持っている長い歴史による種類の幅広さを楽しみ、そしてなにより“本が好きな人”を好きというマインドを持っていた。

 わたしは、福井、長野、栃木、と転勤を通して様々な土地の人と仲良くなれたが、あの人たちは、いまはどうしているだろう。きっと元気に本を読んでいるのは間違いない。

 彼らと知り合えたのは、わたしにとってまさしく宝物であったと言える。

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