小川直人

|映画・映像/編集/生涯学習||せんだいメディアテーク/宮城大学/logue/Nitrate Films/高城デザイン研究室||1975年生まれ/宮城県|

小川直人

|映画・映像/編集/生涯学習||せんだいメディアテーク/宮城大学/logue/Nitrate Films/高城デザイン研究室||1975年生まれ/宮城県|

    マガジン

    • 映画について書いたもの

      映画評や映画文化にまつわる文章。

    • まちかどエッセー(河北新報連載)

      河北新報夕刊に2021年7月から10月にかけて連載した軽めの随筆。全8回。

    • アーカイブ:2010-2021年

      2010-2021年のあいだに、せんだいメディアテークの企画に関するものや各種媒体(新聞や小冊子など)に寄稿した文章。

    • アーカイブ:2000-2009年

      2000-2009年のあいだに、せんだいメディアテークの企画に関するものや各種媒体(新聞や小冊子など)に寄稿した文章。

    • 美術について書いたもの

      主に現代美術の展覧会や作品について書いたもの。しかし滅多にない。

    最近の記事

    七人楽隊(監督:サモ・ハン、アン・ホイ、パトリック・タム、ユエン・ウーピン、ジョニー・トー、リンゴ・ラム、ツイ・ハーク/2021年)

    香港は国ではない。中国の一部(特別行政区)である。第2次世界大戦のときには日本軍が占領したこともあるが、近代史から現代史の範囲に到るまでイギリス統治下にあった場所。しかし、もう私には1997年の返還後の記憶のほうが長い。経済的な繁栄を謳歌しつつ、一国二制度という奇妙な仕組みを与えられた、国のようで国ではない場所。一度も訪れたことはなく、子どものころテレビで見たジャッキー・チェンのカンフー映画と、TM NETWORK『Get Wild』のMVでメンバー3人があてどなく歩く背景、

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      • アフター・ヤン(監督:コゴナダ/2021年)

        AIロボット、アンドロイド、サイボーグ……どのような表現でも良いけれども、画面に立つ、あるいは、横たわる俳優をそう名指してしまえば、もう体から光を発したり、怪力を示す必要はない。「未来」という言葉が必ずしも喜ばしくも輝かしくも感じられなくなった今日、SF映画がSFたる意味は「現在とは別の世界線を示す」ことであると言える。 ほんの少し違和感を与えるような素振りを加えれば、私たちはすんなりとSF的設定を受け入れる。ロボットのヤンは、ほんの少しだけ肌や表情が滑らかすぎる演出がほど

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        • お願い、コルレオーネ

          河北新報夕刊「まちかどエッセー」に2021年7月から隔週で8回にわたり書いたもの。「河北新報オンライン」が会員制になったというのでここに再録する。 地元紙の、夕刊の、気楽な枠ということで、できるだけ仙台に関わることを取り入れようと心がけながら書いていたわけだが、最終回に仙台在住の小説家・伊坂幸太郎さんが登場するのは、この連載を紹介してくれた友人がその直前に回してきた「7日間ブックカバーチャレンジ」への返答でもある。 (初出:河北新報夕刊「まちかどエッセー」2021年10月2

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          • まなざしの解像度

            河北新報夕刊「まちかどエッセー」に2021年7月から隔週で8回にわたり書いたもの。「河北新報オンライン」が会員制になったというのでここに再録する。 この連載で自らに課したルールに逆らって書いた一篇。まったくの言葉足らずだが、それでもこういうことが書かれているのが新聞というものだろうと思って担当者にお願いしたら快く載せてくれた。 (初出:河北新報夕刊「まちかどエッセー」2021年10月11日) 前々回とりあげた映画『ドライブ・マイ・カー』(監督:濱口竜介)について、手話ので

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            私たちには暗闇が足りない

            河北新報夕刊「まちかどエッセー」に2021年7月から隔週で8回にわたり書いたもの。「河北新報オンライン」が会員制になったというのでここに再録する。 このときの山形国際ドキュメンタリー映画祭で、私が観た作品は結局2本だけだった。古くさい人間なのかもしれない。 (初出:河北新報夕刊「まちかどエッセー」2021年9月15日) 2年に一度、例年ならば世界中からの作家や観客でにぎわう山形国際ドキュメンタリー映画祭が今年はオンライン開催となった(10月7日〜14日)。オンラインの映画

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            世界とつながる足もと

            河北新報夕刊「まちかどエッセー」に2021年7月から隔週で8回にわたり書いたもの。「河北新報オンライン」が会員制になったというのでここに再録する。 この時点では、同作がアカデミー賞まで取るとはまったく考えていなかった。 (初出:河北新報夕刊「まちかどエッセー」2021年9月6日) NHK朝の連続テレビ小説に出演中の西島秀俊が主演、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』を観た。日本人初の脚本賞を含むカンヌ国際映画祭4冠ともなれば期待も高まるというものだが、村上春樹の原作から

            ファストから少し離れて

            河北新報夕刊「まちかどエッセー」に2021年7月から隔週で8回にわたり書いたもの。「河北新報オンライン」が会員制になったというのでここに再録する。 この後、偶然にも「ファスト映画」によって有罪判決が出るのは仙台地方裁判所である。 (初出:河北新報夕刊「まちかどエッセー」2021年8月23日) 「読書百遍、意自ずから通ず」。難しい文章も繰り返し読めば自然と理解できるという意味だが、近頃はそんなことを諭す人は少ないどころか、名著も100分くらいで解説するほうが重宝される時代で

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            オリンピックと記録映画

            河北新報夕刊「まちかどエッセー」に2021年7月から隔週で8回にわたり書いたもの。「河北新報オンライン」が会員制になったというのでここに再録する。 もちろん執筆時には『東京2020オリンピック』は観ていない。 (初出:河北新報夕刊「まちかどエッセー」2021年8月2日) すぐれたSFは未来の現実を先取りする。宮城出身の漫画家・映画監督の大友克洋が30年以上前に映画『AKIRA』(1998年)でそれを活写した、いわば想像力に先取りされていた東京オリンピック2020。スポーツ

            手で見ることを考える

            河北新報夕刊「まちかどエッセー」に2021年7月から隔週で8回にわたり書いたもの。「河北新報オンライン」が会員制になったというのでここに再録する。 第1回と第2回は自己紹介を兼ねたものということで、現在もうひとつの肩書きである大学教員としての話とした。 (初出:河北新報夕刊「まちかどエッセー」2021年7月26日) 私は大学で講義を一つ持っている。映像文化の理論や批評に関するものだ。古今東西の映画など映像作品を見せながら、それらについて解説していくのが毎回の基本的なスタイ

            ディス・イズ・センダイ

            河北新報夕刊「まちかどエッセー」に2021年7月から隔週で8回にわたり書いたもの。「河北新報オンライン」が会員制になったというのでここに再録する。河北新報に連載をしたのは2005年の「論壇」以来。当時28歳で生意気なことを散々書いたためか、その後連載らしきものを頼まれることはなかったのだが、信頼する編集者でもある友人からの紹介で引き受けた。しかし、試しに過去の記事を何ヶ月分か読んでみたら普段の自分の文章とは求められる趣が違うようで、これは困ったな……と思ったのを憶えている。結

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            『言語の向こうにあるもの』(監督:ニシノマドカ/2019年)

            1990年代半ばに地方の国立大学に入学し、そこで語学の授業をとった身としては、正直なところ実際に見る前までさほど期待していなかった。フランスはパリの大学とはいえ「外国語としてのフランス語講座」なるものがそれほど魅力的なドキュメンタリー映画になるとは思えなかったからだ。 しかし、その予想は大きく外れる。まず、この授業がおそらく多くの日本人が想像する「語学の授業」からかけ離れたものであったから。それがこの映画の魅力の何割かであることは間違いないだろう。二人の教師(ニコールとフェ

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            PFFアワード2022 短評

            ひさしぶりに「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」の会場におもむき、PFFアワード2022の受賞作を一部見ることができたので(グランプリ、準グランプリ、審査員特別賞を受賞した5作)、備忘録もかねて短評を書く(鑑賞順)。 *入選16作品は、10月31日までオンラインで配信されている。 DOKUSO映画館 U-NEXT 『幽霊のいる家』(監督:南香好/12分) 12分の短篇ながらとても長い映画だった。しかし、それはまったく悪い意味でなく、むしろ深い感心からである。一つひと

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            「retake-とらえなおされる日常-」コンセプト・ノート

            これは、2002年にせんだいメディアテークで開催した「retake-とらえなおされる日常-」を企画するときのメモである。開館2年目の最初の企画で、展覧会・上映会・ワークショップを組み合わせたものであった。私は全体のコンセプトと、展示作家の一部、上映企画、ワークショップの基本的なアイディアを担当した。20年も経った今読むと「SNSがない時代」を実感する。 ところで、当時の分担からしても私がギャラリーの企画に関わることは想定外であった。このまま展覧会の仕事もコンスタントにしていた

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            「hot spot plan report(椎名勇仁)」評

            これは、2001年春に宮城県仙台市にあったwhat's art galleryで開かれた展示のために書かれたものである。 初出:不明(2001年) 世界は何によってできているのか? あるいは、世界を何によってか再現できるか? 椎名勇仁は、はじめて会ったギャラリーの片隅で「粘土でこの世界を作ることができると思っている」と言った。 世界を粘土で作ることはできない、と最初に言っておこう。世界の形を模すことはできても、世界は形だけでできているのではない。叙情を廃せば、粘土は土の塊

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            「我ガタメニ躰ヲヒトツ(山内宏泰)」評

            これは、2001年冬にwhat's art gallery(宮城県仙台市)で開かれた展示のために書かれたものである。山内氏は、宮城県気仙沼市のリアス・アーク美術館に勤め、2011年の東日本大震災後には多くの人が彼の仕事を知るところになった。一度なにかのシンポジウムの席でご一緒したが、かつてこの展示について書いたことがあり、顔が判別できないほど暗いギャラリーのなかで話したことがあるのを伝えることはできなかった。 初出:記憶なし(2001年) 山内宏泰の作品を見るとき、はじめに

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            彫ることと残すことのあいだに -高橋健太郎展『内在する意志』

            これは、高橋健太郎展『内在する意志』(2005年4月24日-5月1日/what's art gallery[宮城県仙台市])のために書かれたものである。美術評といえるものを書いたのは、このギャラリーのためだけであり、記憶にある範囲では、山内宏泰氏(2001年)、椎名勇仁氏(2001年)、青野文昭氏(2003年)、そしてこの高橋健太郎氏である。 初出:「what's art」(発行:what's art gallery/2005年) 辞書通りに考えるのならば、おおよそ彫刻とい

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