世界の名ボクサー:グレグ・ペイジ⑤ラスト「モハメド・アリ二世」

WBA世界ヘビー級王者。キャリア後半の試合。フランチェスコ・ダミアニ戦、ブルース・セルドン戦、ティム・ウィザスプーン戦(再戦)、デール・クロウ戦ほかを紹介します。

グレグ・ペイジ(アメリカ)
身長188cm:オーソドックス(右構え)

①フランチェスコ・ダミアニ 10R 判定 グレグ・ペイジ
(ヘビー級戦、1992年)
(感想:ドノバン・ラドックにTKO負けしたペイジ。その再起戦で元WBA王者ジェームス・スミスに判定勝ち。続いての相手は元WBO王者ダミアニ(イタリア)。1984年のロサンゼルス・オリンピックではスーパーヘビー級で銀メダル獲得。プロ入り後は連勝を続け、WBCインター王座、欧州王座、WBO王座を獲得。しかし、レイ・マーサーに一発でKO負け、初黒星。数々のタイトルを獲得してきたが、太った身体でそれほどパンチもない微妙な選手。ただ、テクニックはある。ラスベガス「Thomas & Mack Center」での一戦(「フリオ・セサール・チャベス vs. ヘクター・カマチョ」のWBC世界J・ウェルター級王座戦のアンダーカード)。共に33歳。ペイジは35勝(27KO)10敗、ダミアニは29勝(24KO)1敗。互いにジャブ。ペイジがワンツーからの左フック。接近戦。共にパンチを当てるテクニック。右ストレート、左フック、ボディ打ち。ダミアニは右アッパーを当てるのが巧い。正確なパンチを食ってペイジは何度もマウスピースを落とす(落としすぎて減点されたほど。マウスピースを落として減点されるのはなかなか珍しい)。左目を腫らすダミアニだが、最終ラウンド終了時に両手を上げて自身の勝利を確信。判定は小差の3-0。同じように打ち合ったが、ダミアニの右アッパーが効果的だったか。ペイジは残念。調子が良いときは流れるように連打するが、そうでないときはもみ合い、クリンチが多い。勝利して喜んでいたダミアニだが、次の試合でオリバー・マッコールに敗れて引退。プロではパワー不足だった印象。)

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