世界の名ボクサー:グレグ・ペイジ④「モハメド・アリ二世」

WBA世界ヘビー級王者。ピークを過ぎてもリングへ。マーク・ウィルス戦(初戦・再戦)、ジョー・バグナー戦、オーリン・ノリス戦、ドノバン・ラドック戦を紹介します。

グレグ・ペイジ(アメリカ)
身長188cm:オーソドックス(右構え)

①マーク・ウィルス 10R TKO グレグ・ペイジ
(ヘビー級戦、1986年)
(ダウンシーン)
1R:ペイジがダウン
2R:左フックでウィルスがダウン
9R:右ストレートでペイジがダウン
(感想:若手のジェームス・ダグラスに敗れたペイジ。英国で再起戦を行い、反則勝ち。トニー・タッブスに世界王座を奪われて以来、戦いぶり、結果がイマイチな状況。これまで25勝(20KO)6敗。8勝(8KO)5敗のウィルスはインディアナ州出身の黒人。勝ったり負けたりで、ティム・ウィザスプーンにTKO負け、直前の試合ではカリフォルニア州王座戦で判定負け。カリフォルニア「フォーラム」での一戦。いつものようにペイジがフットワーク、ジャブ、ワンツー。ガッチリした身体のウィルスはヘッドスリップでディフェンス、そして左フックからの右ストレート。グラつくペイジ。さらに左フックを食ってダウン寸前に。クリンチするペイジをウィルスが押し倒し、レフェリーはこれを「ダウン」としてカウント(本来はダウンではないが、その前のパンチがかなり効いていたためダウン扱いしたものと思われる)。ストップ寸前の状態になったペイジだが、コンビネーションで反撃。2R、相手のローブローを訴えて余所見したウィルスが左フックを打たれてダウン。そして左右フックで今度はウィルスがピンチ。接近戦。互いのフックがヒットするが、ウィルスはタフ。左フックでペイジがダメージ。8R、ペイジが右ストレート、左フックをヒットさせる。9R、右ストレートでペイジがダウン。立ったが、左フックでさらにピンチ。このラウンド終了後、ペイジが棄権。ウィルスが腕力で番狂わせ。ヘビー級には「腕力だけなら世界王者級」の選手がゴロゴロいる。ペイジは「フットワーク&ジャブ」の軽いボクシング。そのスタイルが通用するのは隙が大きい選手、打たれ弱い選手ぐらいのもの。センスは文句無しのペイジだが「軽いボクシング」をやってきたツケが全盛を過ぎて回ってきた、といった感じの結果。後、両者は再戦するが・・・。)

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