世界の名ボクサー:トニー・タッカー①「長身のアウトボクサー」

IBF世界ヘビー級王者。才能を奪われた男。デビュー戦&世界戦。チャック・ガードナー戦、エディ・ロペス戦、ジェームス・ブロード戦、ジェームス・ダグラス戦を紹介します。

トニー・タッカー(アメリカ)
身長196cm:オーソドックス(右構え)

①トニー・タッカー 3R TKO チャック・ガードナー
(ヘビー級、1980年)
(ダウンシーン)
2R:左フックでガードナーがダウン
3R:右ストレートでガードナーがダウン
(感想:ミシガン州出身のタッカー。スラリとした長身選手。アマチュアボクサーだった父から戦い方を習い、アマで優秀な成績。その頃、九死に一生を得た。1980年3月14日、ポーランド行きの飛行機に乗っていた米国ボクシングチームの22名を含む乗客乗員87名全員が墜落事故で死亡。タッカーもこの機に乗っていたはずだったが、肩の負傷のため欠場していた。そして、モスクワ・オリンピック(1980年)。出場予定だったが、アメリカがオリンピックをボイコットしたため、プロへ。「Tomorrow's Champions(明日の王者たち)」の一人として売り出されることになり、このプロデビュー戦。ガードナーは中堅どころの選手。ネバダ州ステートラインでの一戦。丁寧にジャブを使うタッカー。2Rには右ストレートからの左フックでダウンを奪う。3Rにダウンを追加。ガードナーは立ったがストップされた。タッカーはパワーがあり、当てるのも巧かった印象。負けたガードナー。その後、負けたがトレバー・バービック、ジョン・テート、アーニー・シェイバース、フランク・ブルーノといった名のある選手と試合。ただ、王座戦を経験することはなかった。)

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