世界の名ボクサー:ゲリー・コーツィー③「豪腕の南アフリカ・ヘビー級」

WBA世界ヘビー級王者。三度目の世界挑戦。スコット・ルドー戦、スタン・ワード戦、ピンクロン・トーマス戦、マイケル・ドークス戦(WBA王座戦)を紹介します。

ゲリー・コーツィー(南アフリカ)
身長189cm:オーソドックス(右構え)

①ゲリー・コーツィー 8R KO スコット・ルドー
(ヘビー級戦、1982年)
(ダウンシーン)
8R:左フックでルドーがダウン
(感想:世界王座を目指すコーツィーのプロ30戦目。ルドーはミネソタ州出身の白人。実に経験豊富なタフガイで、勝てなかったがデュアン・ボビック(ミネソタ州王座戦)、ジョージ・フォアマン、レオン・スピンクス(引き分け)、ロン・ライル、ケン・ノートン(引き分け)、マイク・ウィーバー(全米王座戦)、ラリー・ホームズ(WBC王座戦)、グレグ・ペイジ(全米王座戦)らと対戦してきた。ヨハネスブルグでの一戦。ゴツい身体で好戦的なルドー。左のガードを下げた構えからジャブ、そして右ストレートを狙う。コーツィーはそんなルドーを警戒し、ジャブ、ワンツーの丁寧なボクシング。しかしながら、ルドー。いかにも「右パンチで狙っています」といった姿勢で待ち構えるが、コーツィーはそれに乗らない。しかも、ルドーは右パンチを打った後、隙ができるなどバランスがよろしくない。接近戦もあまり器用でなく、フック&クリンチ。コーツィーがジャブ、ストレート、左フックで優勢。8R、右が効いたルドー。ワンツーからの左フックで間を置いてうつぶせにダウン。立てず、KO。コーツィーが相手の隙を突いて勝利。得意の右ストレートを使った豪快なフィニッシュだった。ルドーは洗練されたボクサーではなく一流どころには通用しない戦い方だが、右パンチにはなかなかの迫力があり、タフネスには見事なものがあった。その後もルドーはリングに上がり続けたが、タイトル戦は無し。ラストファイトは後の世界王者フランク・ブルーノにKO負けだった。)

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