世界の名ボクサー:トレバー・バービック③ラスト「大物と対戦したヘビー級」

WBC世界ヘビー級王者。世界王座陥落後の試合。カール・ウィリアムス戦、ジェームス・ダグラス戦、ボビー・クラブツリー戦、ハシム・ラクマン戦ほかを紹介します。

トレバー・バービック(カナダ)
身長188cm:オーソドックス(右構え)

①カール・ウィリアムス 12R 判定トレバー・バービック
(全米ヘビー級タイトル戦、1988年)
(感想:ウィリアムスがタイトル防衛。タイソン戦後、三連勝のバービック。かつて保持していた全米王座の奪回に挑む。王者ウィリアムスはフロリダ州出身。背の高いアウトボクサータイプ。IBF世界ヘビー級王者ラリー・ホームズに挑戦したときは判定負け。負けたが、ホームズを追い込んだことで評価が逆に高まった。ニックネームは「The Truth(真実)」。「自分が一番強い(それが真実)」という自信にあふれている。アトランチックシティ「コンベンション・ホール」での一戦。フットワーク&ジャブでリズミカルなウィリアムス。バービックはジャブはそれなりだが、手数が少なく、バタバタした打ち方(実に個性的だが、あまりカッコよくない。それが逆に相手からするとやりにくいようだ)。次第にバービックが前に出るようになりウィリアムスはジャブで相手を止められない状況に。バービックの左フックがヒット。ジャブと連打でしのぐウィリアムス。判定は3-0。王者のアウトボクシングが評価されたようだ。この試合は大一番「マイク・タイソン vs. マイケル・スピンクス」の前座カード。ウィリアムスはタイソンの王座を狙うポジションあり、その試合ぶりが注目されていたが、タイソンに2RでKOされたバービック相手にやっとこさの勝利。この試合を間近で観た観客は「ウィリアムスこそがタイソンの次のチャレンジャーにふさわしい」とは思わなかったのでは? 結局、タイソンに挑戦して1RでKOされたウィリアムス。その後も、トミー・モリソン、フランク・ブルーノらに敗北し、世界王座を獲得することなくキャリアを終えた。そして、ガンで死去(53歳)。自信を持って選んだボクシングで大成できず、若くして世を去ったウィリアムス。彼の映像を観ると少し悲しい気分になってしまう。)

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