世界の名ボクサー:ピンクロン・トーマス②「重いジャブ、ストレートのヘビー級」

WBC世界ヘビー級王者。ついに世界挑戦。アルフォンソ・ラトリフ戦、マイケル・グリーア戦、ティム・ウィザスプーン戦、マイク・ウィーバー戦ほかを紹介します。

ピンクロン・トーマス(アメリカ)
身長190cm:オーソドックス(右構え)

①ピンクロン・トーマス 10R TKO アルフォンソ・ラトリフ
(ヘビー級、1983年)
(感想:トーマス(25歳)のプロ22戦目(20勝(17KO)1分)。ラトリフ(27歳)はミシシッピ州出身の黒人。スリムな体型で、ヘビー級にしては線が細い。これまで16勝(11KO)1敗。デビューから連勝だったが、パワーのティム・ウィザスプーンにTKO負け、初黒星。負けはその試合のみ。アトランチックシティでの一戦。リングアナは眉毛が特徴のエド・デリアン。トーマスがトレードカラーのピンクのガウン&トランクス。ラトリフは赤(比較的地味な両者。コスチュームを派手めにして明るくするのはプロらしくていいと思う)。ゴング。トーマスは例によって左のガードを下げた構えから左ジャブ。スラリとしたラトリフはやはりボクサータイプで、距離を取ってジャブ。ゴツいパンチが売りモノのトーマスだが、動きは機敏。相手のジャブをスウェーでかわし、右ストレート、左フック。互いにジャブを打ち合い、トーマスが右ストレート、ラトリフは左フック。7R、トーマスのジャブがラトリフの目に当たったらしく、ラトリフは「サミング」をアピール。8Rにもアピールするが、レフェリー(フランク・カプチーノ)はこれを認めず、ファイトを促す。10R、右ストレートが効いたラトリフ。さらに右ストレートを打たれたところでレフェリーストップ。残り時間わずかなところだったためラトリフはストップに不満のゼスチャー。しかし、フラついた状態になった以上、レフェリーとしては止めざるをえない。トーマスが得意パンチで勝利。ジャブにクレームを付けられてしまったが、個人的には「正当なジャブ」だったように映像では見えた。ラトリフはキレイなボクシングだったが、パワーに差があった。その後、ラトリフはWBC世界クルーザー級王者に。しかし、初防衛に失敗。再びヘビー級に挑戦したが、マイク・タイソンに圧倒され、2Rで沈んだ。)

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