世界の名ボクサー:トニー・タッブス③「速いジャブが武器のヘビー級」

WBA世界ヘビー級王者。世界王座陥落後の惨敗&意外な勝利。ライオネル・バトラー戦、ブルース・セルドン戦、ジミー・エリス戦、ウィリー・ジャクソン戦ほかを紹介します。

トニー・タッブス(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)

①ライオネル・バトラー 1R KO トニー・タッブス
(ヘビー級、1992年)
(ダウンシーン)
1R:左フックでタッブスがダウン
(感想:タッブスのプロ35戦目。バトラーはルイジアナ州出身の黒人。デビュー当初はリディック・ボウ、オリバー・マッコールらを相手に勝ったり負けたり(来日して試合したことも。判定勝ち)。このところ連勝中。フロリダ州ペンサコラでの一戦。タッブスが前回のレオン・テイラー戦と同様、「葬式トランクス」(黒と白の縦縞)。バトラーは少しマイク・タイソン風の風貌。アップライトな構えでタイソンとは異なるが、開始からねちっこい接近戦を仕掛けて左右フック攻撃。タッブスは得意の左フック連打などを見せるが、左フックでダウン。ロープ下段にもたれるように倒れて立てず、KO。あのタッブスが1RでKO負け。ヘビー級はやはり「腕力の世界」。「腕っぷしだけなら世界王者」といった選手はゴロゴロいる。アクシデント的な負けを喫したタッブス。そもそも強打者タイプではない。最初から戦う距離が近すぎたのが敗因。その後、バトラーは多くの試合。レノックス・ルイスにはさすがに敵わなかったが、IBOやWBFといったマイナー王座を獲得。)

ここから先は

2,083字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?