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nikiie『The swirl of dust』をアップした理由と目的。そして言い訳。

一昨日、nikiieが『The swirl of dust』という曲の映像をアップした。映像編集は僕がした。ここにはギャラが発生していない。

つまり、仕事ではない。

仕事でもないのに大掛かりな撮影?という、理由と目的、言い訳をしておこう思い放置していたnoteを書いてみようと思い立った。制作秘話の側面もあるので良ければしばしお付き合いください。


・事の発端
この映像で演奏しているドラムの1Q(一ノ瀬久)さんとの会話から始まった。

「サンフォニックス(以下・サンフォ)が映像配信をしたい」と聞いた、と(サンフォは今回撮影した音響や映像の会社)。それを僕に相談した。彼は人を巻き込むのが上手く、面白そうな話にもちろん食いついた。


音楽業界の現状は、言わずもがな。
ライブに関しては、ひとまず何もないと言っていい。

音響や映像を生業にしているサンフォももちろんかなり厳しい。そこでライブ配信を自前でやろうという事業を立ち上げたいとのことだ。
音響、映像、楽器、撮影場所(社内)を持っていて、技術と人材も有効に使える。それに今後ライブ配信など色々とやらないと厳しくなる。やったほうがいいと思った。


・ウリは安価で高品質、だがサンプルがない
映像と音を高品質。そして出来るだけ安価で。それがいまのウリ。なにか付加価値や他社との差別化がないと厳しい気もしているが、安価はデカイ。また、高品質なのは10年以上共に仕事して感じているので間違いはない。ただ、その映像サンプルがない。プレゼンするものがない。ということだった。

そこで、nikiieを巻き込んだ。

彼女は歌が素晴らしく、自分の曲もあり、ピアノを弾いて歌うさまも良い。
ただギャラを出すのは難しく、サンフォはプレゼン映像として使用していい代わりに、nikiieはその映像を自由に使用していいし、機材など高品質なのを使用できる双方が損をしない条件にした。(ピアノは2500万円!)
だから、プレゼン用の映像サンプルとnikiieのライブMVというハイブリットなものを作ることになった訳だ。

これが理由である。

あれはどうやったの?うちもやりたい!などが業界に広がってほしいのが目的であるが、動画だけでは広まらないと思いがこのnoteを書いた。これだって効果があるかわからないが、SNSのように流れてしまわない記事にした。気になったクライアントがサンフォに問い合わせしてくれていたら成功だ。

>>株式会社サンフォニックス

断っておくが、僕はサンフォの社員でもなければ、宣伝したからって謝礼をもらえるわけでもない。共倒れになったら困るからだ。楽しいことを一緒にできないのは困る。ただそれだけだ。(偉いよね)


・そして、言い訳
当日は撮影と録音を同時に行った。ライブ配信も出来るのだがぶっつけでやるのにはリスクが有り、今回はライブMVという形にした。

nikiie以外は初めてやる曲で、あの日初めて三人で合わす曲だった。だけど、あの三人だ。サウンドチェック含め5、6回程度であの素晴らしい演奏になった。映像部も少数だが手伝ってもらい、様々なカメラでテイクを重ねた。いい音が撮れ、映像素材もたくさん撮れた。ただ、映像編集する人がいなかった。

だから僕がした。
これが、言い訳。

個々のカメラの色特性の違い、生演奏でテイクによりテンポが違ってリップシンクなどがかなり大変であった。なによりほぼ初めて触る映像編集ソフトだ。
思ったよりも時間がかかってしまったが、プレゼンの映像サンプルとして見せたいもの「高品質」「貸し出し機材(主にピアノやマイク)」「社内ロケ」など見せつつ、nikiieのライブセッションMVとしても見れる良いものが出来たと思う。(褒めて)


昨日は音響をやったサンフォの片山が夫婦で編集した『YOLO』があがってる。本日もあがる予定なので是非ご覧頂きたい。(奥さんは昔そういう業界にいたそうだ)
また、今回は収録でMVのような方式だが、ライブ配信も出来る仕組みも用意している。サンフォは先日よみぃさんもライブ配信を行った。気になった方はこちらも是非見てほしい。


・もうひとつの言い訳
この撮影は、関東の非常事態宣言が解かれるギリギリの日程。
もちろん皆気をつけているが「仕事じゃないなら不謹慎」「音楽は不要不急」と言われたらそれまでだ。
エンターテインメントは命は救えないけど、いつか誰かの心を救う。今は仕事ではないけど、いつかのエンターテイメント為に種を巻いてきたと思ってほしい。そうしなければ、いつかエンターテイメントに関わる人達が消えてしまうから。


・巻き込まれてほしい
現在ライブは普通に開催するのは難しい状況で、生放送を組み合わせたり工夫しないといけない。別に大きめの経費がかかり、その影響でチケット代を上がったり、チケットが売れなかったり…と、負のスパイラルが生まれると予想している。
この企画は始まったばかりの発展途上で、大きくなることを願ってる。そして、いろいろなクライアントが巻き込まれていくのを願っている。僕らのように。



・巻き込んだ張本人
最後に余談ですが、今回のギターの真壁さんは1Qさんが巻き込んだ。前日に。前日よ?僕らも驚いた。
結果びっくりするほど素晴らしいものになって、いなかったら音も映像も寂しい感じになっていた気がして、1Qさんの嗅覚は侮れないと今回も思った。

そして、巻き込んだ張本人の1Qさんもドラムで巻き込んだ。
一曲の予定だったけど、当日に二曲目も参加してもらった。なかなかのベテランだけど、慌ててて面白かった。僕はあの顔を見るのが好きだ。笑

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